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子宮内発育遅延(IUGR)について

子宮内発育遅延(IUGR)について


我が家のチビ人間、コゾウは子宮内発育遅延で誕生しました。
私はこの言葉を出産の直前まで聞いたこともありませんでした。
以下に、当時の担当医などから説明されたことを中心に
子宮内発育遅延とは?それがなにを表すのか、など調べたことを簡単に書いてみました。
※私は医療従事者ではなく、一患者親子としての覚え書きですので、その点を考慮して読んでいただけると幸いです。

●子宮内発育遅延って何?
子宮内発育遅延とは、読んで字のごとし、子宮内で胎児の発育が遅延している状態をいいます。
早産などによって胎児の体重が小さいケースではなく、在胎週数に比べ胎児の発育が大きく遅れているケースをさします。
診断は、胎児発育曲線でSD-1.5を切る場合に子宮内発育遅延(IUGR)と診断されます。
※SDについては下に記します。

●子宮内発育遅延は3種類に分かれます
・対称型(symmetrical IUGR)
 身体と頭部のバランスがとれ、均等に発育が遅れている。妊娠20週以前に現れることが多く
 染色体異常、胎児奇形、遺伝性低身長、薬剤による影響など胎児側に根本的な原因があることが多い。
 また、アルコール中毒、喫煙などの影響を受けていることもある。
・非対称型(asymmetrical IUGR)
 身体に対して頭部の発達が比較的保たれている。脂肪の蓄積の少ないやせ型である。
 妊娠24週以降に現れることが多く妊娠中毒症、慢性高血圧、腎疾患、心疾患、膠原病、
 胎盤機能不全などが原因にあることが多い。IUGRの70%はこの型。
・中間型(combined IUGR)
 上記のどちらでもない型。全体の5~10%を占める。

●子宮内発育遅延はなぜおこる?
上で記した種類によりますが、大まかに3つの原因が考えられます。
・母体に異常がある(妊娠中毒症・基礎疾患など)
・胎盤に異常がある(胎盤機能不全)
・胎児に異常がある(染色体異常・胎児奇形など)
しかしはっきり原因が分からないままのケースもかなりあるようです。

●子宮内発育遅延になったらどうなるの?
母体は安静にし、左を下にして横になり血流を促します。またブドウ糖の点滴などを行って
胎児に栄養を送ります。しかし対称型IUGRではあまり効果がないという報告もあるようです。

●子宮内発育遅延の危険なこと
IUGRの1/3に、分娩前の胎児仮死の兆候がみられ、場合によっては子宮内胎児死亡につながることもあるといわれています。
胎内で酸素不足になっており、慢性低酸素状態にあるので、分娩時に容易に仮死状態を来しやすいのです。
酸素不足から羊水中に胎便が排泄してしまい、あえぎ呼吸をして肺や気道に胎便などを吸い込んで、
胎便吸引症候群(MAS)をおこすことも多く、周産期死亡は正常発育児の 6~10倍といわれています。
また、出生後に身体発育遅延、低身長、精神発達遅延などを伴うことがあるとされています。
そういったことから胎児仮死徴候が認められれば、速やかに出産へ移行します。
また在胎週数が十分であれば、誘発分娩を行う場合もあります。

●子宮内発育遅延にともなう合併症
・羊水過少症
 羊水が非常に少ない場合を羊水過少といいます。一般的には100ml以下を羊水過少というようです。
 子宮内発育遅延の胎児の場合、少ない栄養を極力脳の発達にまわそうとするそうで
 身体の代謝が落ち、排尿量が減ることにより羊水が減少するそうです。
 羊水が少ないと子宮壁や齊帯による胎児の圧迫がおこり、仮死を引き起こす原因になるので
 大変危険です。
・低酸素症
 長期間、子宮内発育遅延の状態に置かれていると、酸素不足により低酸素症を起こします。
 それにより、あえぎ呼吸をして胎便吸引症候群を起こすことがあります。また、長期の
 酸素不足により脳障害を引き起こす可能性が指摘されています。

●子宮内発育遅延で生まれた後は?
非対称型IUGRの場合、出生後に十分な栄養・環境を与えれば、3歳までにキャッチアップする事が多いです(IUGR全体の80~85%)。
染色体異常・遺伝性疾患のあるIUGRの場合、追いつくことは難しく、また奇形的疾患のあった場合も
その疾患の治療状況に成長は左右されます。

●SDスコアとは
SDとは、標準偏差 (standard deviation)のことです。
-1SD~1SDには、全データの約68%が含まれ、-2SD~2SDには全データの約95%が
含まれます。

●低出生体重児とは
出生体重が2500g未満の場合、「低出生体重児」と呼びます。1500g未満は「極低出生体重児」
1000g未満は「超低出生体重児」と区分します。平成13年度の低体重児全体の出生比率は8.8%だそうです。

●未熟児養育医療
2000g以下の入院が必要な赤ちゃんについては医療費の助成が受けられます。
乳児医療とは別の扱いになるので気をつけてくださいね。

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