時の女神





小さな町がありました。

その町は本当に小さくて子供は2人しかいませんでした。

ルージェという女の子とカイルという男の子です。

子供はその2人しか居なかったので2人は家族以上に親しい仲でした。

そして大きくなるにつれてお互いに惹かれあっていたのです。

でも

2人は身分が違い、いずれは別れなければいけなかったのです。

そこでカイルは町の外れにある時の女神の像に祈りました。

「僕とルージェの時を止めて下さい…

 身分という制度がなくなるまで…」

「あなたの願い、よく分かりました。」

女神の像から時の女神が出てきて言ったのです。

「貴方の想い、よく伝わってきました。

 けれど人の時を止めることはやってはいけないことなのです。

 ですから誰も見ていないところで今から授ける剣でルージェと貴方を貫きなさ 
 い。

 時がくれば貴方たちも目覚めるはずです。」

「ありがとう… ございます…」

すると時の女神は消えました。

カイルの手にはしっかりと剣が握られていました。





次の日カイルはルージェを連れて森の奥深くまで来ました。

「ルージェ…

 ごめんね。」

「?」

カイルはルージェを剣で刺しました。

そして自分をも貫いたのです。




何年かして戦争の時代が来ました。

もちろんカイルたちの町も襲われました。

町は跡形もなく焼け

時の女神像も

壊されてしまったのです。




それからカイルとルージェを見た者は1人もいません。

彼らは

今もきっと眠り続けているのでしょう。



























―分かっていたけど愛した

 分かっていたけど愛してしまった

 僕も君もこれで幸せなのかもしれない

 でも

 誰か僕らを見つけたら

 この永久の眠りから覚ませて下さい―

*永久=トワ








© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: