死ぬという意味~1~

時々僕の頭を君の声がかすれたように聞こえてくるんだ。


「ねぇねぇ。死んじゃったらどうなるの?」

僕は確かこう答えた。

「生まれかわるんじゃないかな?」

幼い君は僕に笑顔でこう答えた。

「生まれ変わったら、また一緒に遊ぼうねっ!」


君と過ごした記憶はそれしか残っていない…

確かとても暑い夏…

あれは何年前なんだ?

それすらも思い出せないんだ。

僕はどうかしちゃったのかな?

今、君はどこにいるんだ?


君は死んでしまったのか?


キミハシンデシマッタノカ?


僕の頭のコンピューターのデータを掘り返しても…

いつもこう出てくるんだ。


もう、データは消去されました。


モウ、データハショウキョサレマシタ。



あきらめてしまえばいいんだ。


誰かの声が聞こえた。

僕はすぐわかった。


それは…




自分自身の声だ。


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