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2008.04.23
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カテゴリ: Essay
2008.4.22 日暮里のびぶらアート劇場でバリトン歌手青戸知(あおと・さとる)の独演コンサートに行った。わずか100席の小さなコンサートだが、質的には世界最高峰だったと言っていいかもしれない。

青戸知の美声に驚いたのは、 先日もエントリーにのせた 2002年の新国立劇場での『サロメ』だった。ちょうどチューリッヒ歌劇場で『トスカ』聴いたあとで、オケの実力差はまざまざと感じざるをえなかったのだが、歌手に関して言えば、チューリッヒではルッジェーロ・ライモンディだけが突出していて、他はどうということはなく、新国立劇場の歌手の実力は決してチューリッヒにひけをとるものではなかった。中でも青戸演じるヨハナーンは、「ヨハナーンがこんなにリリカルで若々しく、健康的でいいのかい?」と戸惑うくらい、つまりちょっと違和感あるくらい、暗さのない伸びやかな美声を響かせていた。役に合っているいないかは評価が分かれるところだろうが、個人的にはたいそう気に入ってしまった。ヨハナーンの定番イメージをくつがえすに足る声、それもとびきりに美しい声だった。

それからしばらくたって、偶然NHKの『名曲アルバム』で、信じられないくらい甘美で若々しく、希望にさえ満ちているような"Gute Nacht"が流れてくるのが耳に入った。Gute Nachtは言わずと知れたシューベルトの『冬の旅』の一曲。女性に振られた男性が彼女の住む家のドアの前でひそかに別れを告げて去っていく歌だ。こんな声の持ち主は、あのヨハナーンしかないのではないか。そう思ってみたら、案の定だった。NHKの人材を見る眼には感服する。誰が選んでるんだろう。マーラーで知られる青戸に、シューベルトのこの"Gute Nacht"を歌わせるなんて、あまりにツボでびっくりしてしまった。おそらく『冬の旅』の中でもっとも青戸に合っているのが"Gute Nacht"だろう。しかもそのおかげで、青戸版『冬の旅』全曲も聴いてみたくなってしまった!

シューベルトの『冬の旅』は、日本では『菩提樹』の格調高く重々しい名訳のイメージがあまりに強く、ジジイが自分の人生を振り返ってる歌だと誤解されている。まったく違うのだ。『冬の旅』はマイスターを目指す若者のさすらいの旅の歌であり、精神的には挫折感と絶望感に悩みながらも、肉体的には死に拒否されている生命力が裏にある。日本ではジジイの曲になってしまった『菩提樹』も、早いところ木々のささやく「安らぎ(つまりはラクな人生)」に背を向けて、風に向かって進もうとする若者の意思的な歌に戻して欲しい。

"Gute Nacht"も沈鬱な歌唱、もしくは繊細な歌唱が多いが、青戸の歌唱はまったく異色だった。彼の声には希望と意思の力がある。声の張りと伸びやかさが、従来の失恋の歌のイメージをくつがえす。バリトン歌手としては珍しい明るさ、それが青戸の天性の魅力なのだ。

この天性の明るさをもった声で、屈折したキャラクターを演じると、そこに不思議な齟齬が生まれる。評価しない人もいるとは思う。だが、陰りのある性格を極限まで陰に演じることだけが、オペラの役づくりではない気がする。青戸の声のもつ純粋さが、屈折した、あるいは倒錯した役に、他の歌手では出せない奇妙な味を与えているように思うのだ。

今回のコンサートで歌ったフィリップ・グラスのアリアもそんな系譜に位置づけられる歌唱だと思った。つまり、普通の人が屈折だとか倒錯だとか思う性格も、本人にとっては生来であり、その意味では純粋なのかもしれない。常軌を逸した理屈を切々と訴えるPlease listen to me。これを聴くと、悪魔も善い行いができないという意味で、純粋な性格なのかもしれない、そんな解釈があってもいいのではないかと思った。狂気の世界、倒錯した世界を青戸のひたすら明るく伸びやかな声で押しすすめたら、ぞっとするような新境地が拓かれるかもしれない。

今回のコンサートにはプレトークがあり、それがとても興味深かった。当初、青戸はグラスのこのアリアがなかなか歌えなかったという。まるで氷の上をすべっていくように、リズムが自分から離れていってしまう。そんな試行錯誤のなかで、青戸はグラスの旋律がどこかで自分が体験してきた音楽に似ているということに気づく。それは得意のマーラーの「大地の歌」だった。そこで「大地の歌」を先に練習し、それからグラスの歌曲に入ったところ、自然に歌えるようになったという。



今回のコンサートでは、そんなグラスのアリアを歌ったあと、青戸の真骨頂であるグスタフ・マーラーの『さすらう若人の歌』が来た。「他に比肩するものがない」と絶賛されているというだけあって圧倒的に素晴らしい。今回のコンサートで一番感動したのは、「燃えるような短剣を持って」のひたすら男性的な歌唱。う~、もう一度聴きたい!! いや、何度でも聴きたい!!!

しかし、こんなに凄い歌手のCDが一枚もないとは…… ホームページもないのでコンサート情報や出演オペラを調べるのにえらく苦労する。

一般人はなぜかテノールばかりに夢中になる。CDにしろ、コンサートにしろ、オペラの「歌手」として人気があるのはテノールばかり。本当のオペラの屋台骨はバリトン歌手なのに。青戸の現在の魅力は、バリトンの大御所のような重々しさではなく、若さと明るさにあると思う。ライモンディのような悪魔的な魅力でもなく、クルト・モルのような深遠なる重厚さでもないが、デビュー10年の今の青戸知にしかないエネルギッシュな魅力。こうした個性は年齢とともに変わっていく。他の魅力が加わるにせよ、今の青戸の「常に希望と若々しい意思を感じさせる」歌唱は失われるかもしれない。だがら、ぜひとも今の青戸の歌唱をCDで残してほしいと思う。

青戸は今回、マーラーの音楽についても解説してくれた。あまりにおもしろいので、勝手に(苦笑)簡単にご紹介。マーラーの音楽の特徴の1つに、「やわらかいリズム」があると青戸はいう。なぜマーラーを聴いて「やわらかい」印象を受けるのか? それはマーラーの音楽には、大きく分けて3つの「仕掛け」があるからだ。

(1)アルペジオ
(2)フェルマータ(特に小節と小節の間の)
(3)トリル

アルペジオは、擬音であらわすと「バーン」という音を、「ジャララララーン」と変化させる。フェルマータは音楽の流れに一瞬の「間」を生じさせる。トリルはすっきりした旋律を、いわば「ぐじゃぐじゃ」に変形させる。この3つの「仕掛け」がマーラーの音楽には綺羅星のごとく使われており、それらの効果でマーラーのリズムは「やわらかく」聴こえるのだという。そしておそらく(ここからはMizumizu理論)、青戸知という東洋に生まれたバリトン歌手の声のもつ伸びやかさとマーラーのリズムのもつやわらかさが、時を超えてピッタリと寄り添い、さすらう若人の歌=青戸知という幸福なコラボレーションになったのだろう。

今回歌った『亡き子をしのぶ歌』については、青戸はずっと歌うのを避けていたという。これはマーラーが娘をなくしたときに作った曲で、2人の子供をもつ父親である自分にとっては、ある意味「縁起が悪い」からだ。だが、そんなジンクスめいたことにこだわるのは芸術家の姿勢とはしては好ましくないのではないかと思うようになり、いわば封印をといたのだという。

個人的にはこの歌唱は、将来の青戸知にとっておいてもいいかな、という気がした。もちろん、悪い意味ではない。青戸の今の一番の魅力は、悲劇があってもそれを寄せ付けないような、みずみずしい生命力にあると思うからだ。こうした個性をもったバリトン歌手は、世界広しといえども、ほとんどお目にかかったことはない。

東京が世界有数のオペラ消費都市であることは間違いないにしても、青戸知のような歌手が日本にだけ留まっているのは、世界のオペラファンのためにももったいないことのように思えてならない。マーラー研究の話はとてもおもしろかったが、やはり歌手は、青戸自身も舞台で言っていたように、「歌ってナンボ」なのだ。美しい声質は天からの贈り物だが、テクニックはもっと向上させることができるはず。それは地上での作業だ。




XXXXXコンサートの楽曲は以下のとおりXXXX

グスタフ・マーラー  
《亡き子をしのぶ歌》
1 今太陽は輝き昇る
2 今にして良くわかる、なぜそんなに暗いまなざしか

4 よく思う、あの子たちは、ちょっと出かけているのだと
5 こんな嵐の日には

フィリップ・グラス
オペラ「流刑地にて」から
アリア Please listen to me

グスタフ・マーラー
《さすらう若人の歌》
1 恋人の婚礼の日に
2 朝の野辺を歩けば
3 燃えるような短剣を持って
4 二つの青いひとみ 

アンコール
シューベルト An die Musik 





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最終更新日  2008.04.23 18:42:30


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