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2011.09.09
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<“読み書きそろばん”よりもパソコン>



<パソコン派の息子、タブレット派の娘>

高校生の息子はパソコン派です。幼稚園の頃から専用のデスクトップを与えていたからかも知れませんが、見ていると基本的には何でもパソコンが生活の中心にあるように思われます。当然、それはインターネットに繋がっていないとならないのですが、電話よりもSNSやTwitterの方が便利なようですし、モンスターハンターなどのゲームも、チャットで友達と話し合いながら遊んでいるようです。

それに比べると中学生の娘の方は明らかにタブレット派です。私の部屋のデスクトップ・パソコンが使い易いらしく、勉強や宿題でワードなどを利用する時はそれを使っていますが、リビングでゴロゴロしている時は大抵iPadを抱えて何やらしています。どうやらYouTubeでお気に入りのアニメなどを観るのがメインのようなのですが、何かあるといつもiPadをいじくり回しています。ちなみにそんな彼女はまだ中学1年生です。

<何も教えたことはありません>

正直な話、私は子供たちにパソコンに関しても、iPadに関しても、使い方を教えたことはありません。常に使えるような状況にして、必要なソフトウェアのアップデートやメインテナンスはしていますが、いわゆるパソコン教室のような教え方をしたことはありません。それはプレイステーションやDSなど、ゲーム機器なら私が教えるまでもなく勝手に使い方をマスターすることを知っているからです。兄弟の間では相談し合っているかも知れませんし、きっと友達同士での情報交換はしているだろうとは思いますが、何かのトラブルでフリーズした時などを除いて基本的には野放しです。

ただそれでも気がつくと彼らは見事にそれらを使いこなしています。最近では逆に私の方が「こんなことをしたいんだけど、いい方法はあるかな?」と教えを請うことさえあります。少なくとも高校生の息子の方が、少ないお小遣いをやり繰りしていることもあり、フリー・ソフトやコンテンツに関する知識は私よりも上だと認めざるを得ません。

コンテンツの制限にセキュリティ・ソフトを利用してトライしたこともありますが、気がつくと何をどういじったのか、どこからか知恵を貰ったのか、いつの間にかそんな制限はしても無駄だということが解りました。考えても見れば、自分が中学生や高校生の頃、親の目を盗んでハラハラ・ドキドキしながらしていたことを、アナログな世界ではなくデジタルなインターネット世代が今と言う時代の中で同じことをしているだけなのですから、もう無駄な努力をすることは止めました。

<メールをしたり、ネットを観たりするだけという誤解>

「パソコンを何に利用していますか?」と聞くと、多くの人が「メールをしたり、ネットを観たりするだけかなぁ」というような答えが返ってきます。その延長線上にあるのは「そんなに高機能なパソコンを買っても必要無いから、まだ古いのを使っているよ。充分まだ使えるから」という発想です。

このメルマガを読んで頂いている方々にはそれは少ないだろうと思いますが、もし本当にそう思っているのならば「あなたは完全にデジタル・デバイドの負け組側に片足をもう突っ込んでいる」と思った方が良いでしょう。そしてまた、その感覚のままに株式投資を考えている、すなわちハイテク関連銘柄への投資機会をみているとしたら、恐らくその人が投資収益をあげられる機会はとても低いだろうと思われます。

<異次元のコミュニケーション能力を持った世代が追い掛けてくる>

ケータイとメールが人々の生活様式やビジネス・マナーを根底から変えたということに異論を持たれる方は少ないでしょう。でも、どちらも普及し始めてからの時間は僅か10数年のものです。ケータイの出始めは「公衆電話で充分」と言われる方が多かったですし、「メールアドレスを教えてくれますか?」と聞いても「電子メールはまだ使っていないので、FAXでお願いします」と断られることが多かったことを記憶しています。

しかしケータイを利用したメールが日本で一気に普及するきっかけとなったのは、実はページャーと呼ばれる「ポケベル」に馴染んでいる世代が育ってきたからというのがありました。この話を掘り下げると長くなるので控えますが「親指で文字を打つ」という独特の文化はここから始まっているはずです。そして現在、当時のポケベル世代の役回りに該当する世代に、前述の我が家の子供たちのような世代が居ます。それが10年後には20歳代を上から下まで席巻するのです。彼らは物心つく前からパソコンはあって当たり前、友達とのコミュニケーションは電話やメールでは無く、Facebookやmixiであり、あるいはTwitterで呟くことという今までとは異次元のコミュニケーション能力を持った世代です。その彼らが10年後に、今のビジネス・フォームで仕事をしているとは考え難いです。革新あるところには必ずビジネスチャンスがあります。そしてそこに必ず投資機会があります。

<スマホはスマホ、タブレットはタブレット>

ケータイをスマホに変えた人が「かえって使い辛くなった」と言われるのをよく聞きますが、それは当たり前なのです。ガラパゴスなどと批判されますが、日本のケータイは実によく出来ています。時間をかけて熟成されながら、段々と新機能を取り込みながら、丁寧に進化の道筋を辿ってきたからです。消費者と共に歩んできました。その意味からすると、スマホはケータイの進化系では無いのかも知れません。人間のルーツを猿に求めることが出来るというのと同じ程度には進化形だと思いますが、ある意味では不連続な進化です。

タブレットPCをノートパソコンの代わりに買おうかなという話もよく聞きます。値段帯域としてはネットPCと被るためにそう思われるのだろうと思いますが、これもやはり不連続な進化系です。スマホとタブレットの間に兄弟関係の遺伝子を見ることは可能ですが、少なくともノートパソコンとは別物です。

<スマホのCPU、パソコンのCPU>

その証明、実はCPUですることが出来ます。パソコンのCPUの本家といえば、今はインテル以外にありません。AMDもありますが、MACパソコンでさえもインテル製CPUを搭載している現在、インテルは市場シェアの80%超を握る巨人です。しかし、その一方でスマホやタブレットの世界になるとインテルの名前は全然聞かなくなります。

それらのCPUを誰が作っているかと言うと、iPhoneやiPadはアップルですが、GALAXYなどに搭載されているのはSAMSUNG製です。またCDMA技術で一躍有名になったクワルコムやグラフィックチップで馴染み深いNVIDIAなどが名を轟かせ始めます。そしてそのアップルのCPUも、実は作っているのはSAMSUNGというややこやしさがあったりします。そしてARMという会社の技術がこれらのほぼ総てに深く関わってきます。

確かに表面的には似たような処理をしている、すなわちインターネットを見たり、メールをしたりという点だけにスポットを当てれば、今現在は似たことをしていると言えなくはありません。ただその心臓部を作っている会社を見ると全然違うことが解ります。パソコンの世界では80%以上のシェアを握り、世界最大の半導体企業という評価を持ち、ネットPC用のATOMというCPUをも生産するインテルをもってしても、スマホの世界には橋頭保を作るに至っていません。当然それを言うなら、OSの世界でもマイクロソフトの名前も今現在はマイノリティです。それだけ似て非なるものだということです。

技術のロードマップを見ていると、パソコンCPUとスマホCPUの差が歴然と見えてきます。今のiPhone 4に使われているA4というCPUは、次世代のiPhone 5に変わる時には現在のiPad 2で使われているA5に変わると言われています。それはA4に比べると34?(+64%)も面積が大きなものです。小型化や軽量化が求められるスマホの世界で面積を大きくするというのは、アップルは何を考えているのでしょうか? この辺りのストーリーを掘り下げて行く時、やっぱりまだまだ面白い世界を見ることが出来るのがハイテク業界です。時々「もうハイテクは駄目だ」というようなアナリスト・レポートを見ることがありますが、それは大きな誤解だと思います。何が面白いって、ハイテク業界ほど投資機会がたくさんある業界は他に無いと思っています。ただ日本がこの先どこまでプレゼンスを発揮できるかは、どんどん未知数になっていっているとは思いますが……。私は永田町劇場やグローバル・マクロの暗い話に疲れた時は、積極的にこちらの世界に飛び込むことにしています。そこにはまだまだ充分に夢があるから。

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楽天投信投資顧問株式会社
CEO兼最高運用責任者 大島和隆
(楽天マネーニュース[株・投資]第104号 2011年9月9日発行より) ==========================================================






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最終更新日  2011.09.13 15:31:34


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