ももか日記             

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痴呆返上!


思う。

明らかに桃香には痴呆の症状があった。
徘徊、夜鳴き、頭を低く下げてあるく、クルクル回るなど・・・
表情が乏しくボーっとしている時期もあったし。


でも、、、最後の数ヶ月って桃香は体は弱っていたけど、頭は正常だったような
気がしてならない。
表情もとっても豊かになったし、頭は低くさげてたけど、でも桃香にはちゃんと
周りの状況はわかっていた。



痴呆になったとき、治らないって思ったし、このままボー――っと無表情のまま
なのかとも思った。
呼んでも無反応、私のことすらわかっていないような感じで、何に対しても
興味を示さずまるで別犬のようになってしまった桃香。

夜鳴きが続き、永遠クルクルクルクル歩き回る桃香を見つめながら絶望感に
襲われ、私まで無表情にボー――っとしていた時期もあった。

でも、桃香は桃香。
たとえ桃香が私を忘れてしまったとしても、私は桃香を忘れない。
当たり前だけど、、、

桃香が老いてしまったから可愛くなくなるわけではない。
桃香が私を認識してくれていたから可愛がっていたわけでもない。

桃香は桃香。

私にとってはたとえ桃香がどんな姿になったとしても私の一番の宝物なんだと思った。


だから、夜鳴きを続ける桃香を抱っこし、毎晩子守唄を歌った。
反応が返ってこなくても話し掛け続けた。

それは端からみたらまるで私の1人芝居のようだったかもしれない。
桃香の分の台詞まで私が言っていたから。

私 「桃~、今日はね、○○したんだよ♪」
桃香「すごいねぇ」
私 「すごいでしょ?桃はなにしてたの?」
桃香「ねてたの」
私 「そう、寝てたのか、お利口だねぇ♪」

↑全部私が1人で桃香に向かって話していた。
もちろん声に出して。

桃香は私の腕の中でジー――っと私の言葉を聞いていた。
そして、とっても穏やかな顔になり、眠ってくれた。

黙って抱っこしているとバタバタ暴れる桃香も話しかけたり歌を歌ったりすると
嘘みたいにピタっとおとなしくなり、スー――って眠ってくれた。


これって桃香だけじゃないんじゃないかって私は思う。

痴呆になったワンコは、とにかく不安の中にいる。

以前、何かで読んだ事が有る。

私もそうだと思う。

自分の体がどうなっていくかわからない恐怖をワンコはきっと敏感に感じ取り
恐怖のど真ん中にいて、どうしていいかわからないから、鳴き続けるんだと思う。

「こわいよぉ たすけてぇ ここはどこ? だれかいないの?」

そう言っているんだと思う。

徘徊もとにかくずっと回り続ける。無表情のまま、ひたすら歩き続ける。
私には見えない何かに向かって必死で歩き続けているように思えてならなかった。

見ていると本当に切なくなった。
でも、抱きしめて「桃、ここにいるよ」って肌で伝えてあげることで
ほんのちょっとだけど落ち着きを取り戻してくれることもあった。


夜鳴きもすごかった。ちょっとでも離れると悲鳴のように鳴きわめく。

私には桃香のその声が「だれかいませんかぁ~。ちょっと~!!!!」って
必死で助けを呼んでいるように聞こえた。

だからすぐそばに行ってとにかく抱きしめた。
桃香は抱きしめることで、落ち着きを取り戻していったし、いつのまにか
表情も豊かになっていった。

自分の居場所が確かにここにあるって事を、伝えてあげれば桃香の不安は
多少なりとも取り除けるんじゃないかなって私は思った。

桃香に何をしてもいいんだよ、って伝えたかった。
あなたはそこにいればいいんだよ、って桃香にわかって欲しかった。

やってはいけない事なんてもう何にもない。

今まで充分、お利口だったんだから。
今までで、もう充分、桃香は忠誠を尽くしてくれた。

これからはただ、そこにいてくれるだけでいい。
元気で生きていてくれるだけで良い。

桃香の存在そのものが、私の幸せだったから。

これからは、いっぱい甘えてくれれば良いって思った。
ご飯を食べて、排泄をして、眠ってくれて、また明日、おはようって
起きてくれたらそれだけで幸せだった。

おもらししたって全然OK!むしろオシッコ出て良かったね♪お利口!って
誉めてあげて、ウン○はテーマソングに乗せて排便介助で出してあげて
出たら思いっきりナデナデしてあげる。

ご飯食べられたら「お利口ね」って抱きしめて、「ワンワン」って鳴いたら
「ここにいるよ♪」って顔を見せてあげる。

そんな事くらいしかしなかったけど、でも桃香は戻ってきてくれた。
亡くなる直前の最後の数ヶ月は桃香は痴呆犬ではなくなっていたと私は思う。

体の自由はきかなくなって、寝たきりになったけど、最後の最後まで
桃香は自分が「桃香」だってわかっていたと思うし、私のことも
わかってくれていたと思う。

だって最期のあの日、目で、探してくれたから。。。
私を私だってわかってくれていたと思うから。



今まで「桃香は痴呆になった老犬」ってだけ、このブログに記してきたけれど、
桃香は最後は「痴呆犬、桃香」ではなく、「17歳の高齢犬、桃香」であったことを
ちゃんとここに残さなくてはと思い、このページを作成しました。



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