夢 旅の始まり


夢の中の私は、布団で寝て居た。
そして起きてみようと思い体を起こした。
夢の中の私はそれが夢だとゆう事を理解していた。
「夢の中なので何をしてもいいだろう!何をしてやろう?」
私は少年の様な気持ちになり、探検に出掛けようと思った。
先ずは荷物を纏めた・・・が、重い!!とても重いので、何も持たないことにした。
「まぁ所詮夢だ!どうとでもなるだろう・・・。」
深く考える事も無く、次に何処へ行こうか考えた。
「そうだ、大きな山に登ってみたかったな!」
夢の中の私には不思議な力がある。目を瞑り願えばその場所へ行く事が出来る。
考えて思い付いたのは、とても大きく、険しい。そう!よく映画や漫画に出てきそうな魔物でも出てくるような山だ。
目を閉じ想像してみれば私はそこにいた。そこは私が想像した通りの山だった。
しかし、ここからは思い通りにはならない。登ろうとすると、暗闇が現れる。暗くて先には何も見えない。手探りで前へ進もうとする。心臓の音が次第に大きくなり私をその音だけが支配し始める。ドクドクと鼓動する心臓の音と共に前へ進んだ。何も見えていなかった私も次第に目が慣れてきたのか、少しずつぼんやりと周りが見えてきた。
私は息を呑んだ。
地面から、まるで草の様に伸びる沢山の手が見える。泣き叫びたい気持ちになった。だが何故か夢の中の私は、泣くことも叫ぶことも出来ない。
とにかく走った。恐怖感に囚われながらも走ると、気が付けばまた暗闇の中に居た。
手探りで周りを調べてみる。どうやら辺りは洞窟の様な場所みたいだ。見えている訳では無いので確かでは無いが恐らくそうだろう・・・。
「何だろう?音が聞こえる!」
私は導かれる様に音のする方へ向かった。その音は何か懐かしい様であり、聞いたことも無い歌の様でもあり、切なくとても澄んでいた。進めば進むほど音は小さくなり、まるで私から逃げて行ってるようだ。歩くのにも疲れてきた頃に音は変わった!その音は、まるで雨が降った後に水滴が落ちるような音だった。寂しくもあり、暖かくもある。
私は「ああ、この音が久しぶりにこの音が聴きたかったんだ。」
と、何故か想いその場を立ち去った。
そこから、どうして抜け出したかは解らないが、私は山を後にしていた。自分の住む町への帰り道一人の女性が倒れていた。私は駆け寄り抱きかかえ話を聞く。
女性の話を聞くと、
ここから西へ少し歩くと村があり、そこの近くには生きては出られない森があると言う。


そこに棲むと言われる魔物に生贄を捧げなければならないらしい。
その女性は生贄に選ばれた女性らしく恐くて逃げ出したのだ。ところが、村の人々も逃げたからといってほっとく訳にもいかず、追い掛けられていたのだ。
彼女を宥め、私が「何とかしよう」と言うと、彼女は下を向きながら首を横に振った。
「何故?」
私の問い掛けに彼女は答えようとしない・・・。
しばらくして、私は気が付いた!彼女の手には鈍い光を放つ短剣が握り締められていた。逃げる最中転んだり、追っ手に暴行を与えられたのであろうと思い込んでいた私は彼女の血だと思い込んでいたのだ。
呆然としている私に気付いた様に彼女は聞こえるか聞こえないか判らないほどの声で言った。
「もう、戻れない・・・」
その瞬間、左の腕に痛みを感じた。彼女の持っていた短剣は私の腕を斬り付けていた。危険を感じた私は後ろに飛び退き、身構えた。
魂の抜けたような目で彼女はブツブツと呟きながら私に近付いてくる。
どうする?殺さなければ殺される・・・。
考え決断する暇もゆとりも無かった・・・。
次の瞬間、私の手には生温い液体が滴る。私は彼女の持つ短剣を奪いとり、彼女の胸より少し下の辺りから短剣を根元まで深々と刺していた。彼女は私に全てを委ねる様に凭れ掛かった・・・。
首筋に彼女の吐息が掛かる。
私の握力が弱まるのと同時に彼女の体はずり落ちていく。
こんなはずでは無かった・・・。私は愕然としてその場に座り込んだ。
頭を抱え、目を閉じ

「これは私が望んだ結末では無い・・・」
と呪文の様に繰り返し呟いた。
すると全ては消え、私は暗闇の中に居た。色も無い、音も無い空間。心が静まっていく・・・。
そうだ、これは全て夢だった。
「続きが観たいな・・・。」
落ち着いた私は、そう思いながら目を閉じた・・・。


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