★Latchkey Child★

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ハロウィン



一年に一度、アメリカでは先祖の霊がかえってくるという。

ワタシは、窓をあけた。

あの人は、帰ってきてくれるだろうか。

ワタシのところしか居場所がないといったあの人。

いつも切ない目で、悲しい曲を繊細に歌い上げていたあの人。

そして、唄い終わった後につぶやくの「たすけて」と。

あの人のそんな言葉の先に見えるのは。

ワタシだったのか、それとも別の誰かだったのか。

それはわからない。

でも、ワタシはあの人が帰ってくる用意をした。

新しい布団、新しいお皿。

毎年、1つずつあの人のものが増えていく。

決して、使わない。

ハロウィンの時だけのもの。

チャイムがなる。走ってあけるとあなたがかわいい仮装していた。

「TRICK OR TREAT!!」

お菓子なんて用意すらしていなかった。

戸惑うワタシにあなたはいったよね

「まだわすれられないのなら、お菓子を。ぼくと付き合ってくれるならキスを」
って。

・・・あの人を忘れることすらできていないワタシ。


でも、心のどこかで貴方がくること。

わかっていた。

お菓子と、キスを同時に貴方にささげる。

まだ忘れられないあの人に、ごめんねと言いながら。

窓から、吹く風は。冬なのに少しあたたかかった。

あの人の、ナミダの匂いがした風のなか。

ワタシは、ながいながいキスをした、あなたと。


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