★Latchkey Child★

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いえないオモイ。


たまに誰にもいえないオモイを抱えることがある。

ごめんなさい。

いえないよ、こんなオモイ。

貴方に迷惑をかけてしまう。

抱かれているとき。

一緒に朝を迎えるとき。

貴方が寝ているとき。

ワタシの横でしゃべっているとき。

何度もオモウ。

でも、いえない。

こんなにスキなんだよと、何度も言ってくれるあなた。

ワタシも「スキだよ」と答える。

何度も何度も答える。

あなたはやっと安心したような表情を浮かべる。

でもね、ごめんなさい。

いえないオモイがあるんです。

なにもいえないオモイが・・・。

大好きだよ。それはほんとう。

オモイを、言ってしまえばもうオモイではなくなってしまう。

言葉にすれば、つらい過去もあなたにはまだ伝えてすらいない。

横で眠っているあなたを見たとき。

・・・もうおきないんじゃないかというオモイ。

横でしゃべっているあなたを見るとき。

・・・・本当はもうスキではないんじゃないかというオモイ。

そんなとき、つらそうな顔を見せてはいけないことも知っている。

心配性な、あなたのこと。

すぐに同じ痛みを背負おうとしてしまう。

だから、大丈夫よ。

ワタシのオモイは、ずっとこのまま。

貴方に知られることなく持っていくわ。

この世界の、地獄の果てまで。

あなただけは、天国に。

ワタシだけが、堕ちればいいから。

いえないオモイは。

時を越えて、貴方に届かぬようにと。

それだけを一心に願って。

また、貴方と一夜をあかす。


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