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私の王子様









私の王子様












それは一瞬。美穂ちゃんのかわいらしい唇から、 おぞましい言葉が漏れた。








「はぁ~。綾木様、格好いいなー。」








「…………熱、ないよね。ちょ、夏樹ー。 美穂ちゃんがおなか痛いってー。

「言ってないし。」

「なに。どーしたの。人生投げ出してはいかんよ。前を向いて生きていきなよ。」

「恋の病って言うのかなー。」

「ちょ、夏樹ー。 救急車一台チャーターしてきてー。

「しなくていいから。」







私ね、最近耳がおかしくなったと思うのね。机もガタガタ揺らしてしまうほどにあせってますよ。
こんなプリティーガール☆美穂ちゃんが、いやまさかそんな。
あーほっぺが桜色に染まっちゃう美穂ちゃんかわいいなー。
まるで少女マンガのヒロインみたい。かわいいなー。
食べちゃいたい☆




あ、あぶね。 MOUSOU いくとこだった。
ここは学校だぞ★テヘ






「真央ちゃんはさ、綾木様の近くにいて格好いいなーって思わないの?」

「そゆこと思うくらいなら人間やめる。」

「え~真央ちゃんキット近くにいすぎてわかんないんだよ。だって綾木様のファン多いんだよー。3年生もいるしー。はぁ、前途多難ー。」



あのですね、綾木ごときに つけるのやめてほしいな。
すっごい腹立つ。 裁判、裁判起こしますよ。侮辱罪で。



「どこがいいの?奴の。」

「奴って言わないで!綾木様って言って!」

「無理です。」

「…わかった。じゃあせめて先輩。綾木先輩で。」

「オーケー。それで? そいつ のどこがいいの?」

「真央ちゃん…? 絶好しちゃうよ…?

う!? うそうそうそ!!そんません。綾木大明神のどのあたりにお気を召されたのですか。」

「………………すっごい…………紳士だったの。」




















「はい?」















ちょっと、間抜けな声でちゃったじゃん。
今ありえない単語聞こえたんだけど。
幻聴?ヤバイよ、誰か! 誰か美穂ちゃんを助けて!






「それがね、部活の時ドリンクもって急いで階段下りてたんだけど、足滑らしちゃって。あ、コレ死んだわ。ってあきらめたのに…無傷だったの。
でも実は綾木様が身をていして私の下敷きになってくださって。
普通なら怒ってもいいところを









『大丈夫か?』







って笑顔で… きゃーヤバイ!





いや、ヤバイのは君だよ。そして綾木は何者!?ついに美穂ちゃんも妄想の域に達しちゃった?
しかもすっごいベタな展開。
は!これはもしや少女マンガの世界なのか!?
主人公は美穂ちゃん。相手は…綾木…?





もったいねー。美穂ちゃんが穢れる。




「それでね、私綾木様に一目ぼれしちゃったの。だからお願い!!私のこと綾木様に紹介しといてくれない?」

「わるいけど、私美穂ちゃんが綾木…先輩に取られるの すっごいしゃくだな。 て、ゆーかね。彼は残念ながら紳士ではないよ。
マネージャーに対して暴力を振るう暴君だし、かなりのナルシスト俺様ヤローだし。 態度でかいし。 全然おすすめ商品ではないですよ。 むしろ小泉先輩のほうがいい。」

「あ、真央ちゃんは小泉さん好きなの?」

「どこからそーゆう話になったの?」

「お互い年の差あるけどがんばろうね。綾木様によろしくね。」

「人の話聞いてる――――?…あァ、いつから美穂ちゃんはミホリン星からの使者になっちゃったのかな。 言葉が通じなかったよ。




ルンルンと楽しそうに部活に向かう美穂ちゃんに初めて暴力的な気持ちになったのは心の中だけにとどめておこう。

















「はぁ~~。」

「どーしたの、真央ちゃん。ため息つくと シワが増えちゃうよー。

「ちょ、 まだピチピチです! ……ジュン先輩。」

「なに~?」

「綾木先輩って、紳士的だと思いますか?」

「・・・・・う うわあああああん。いやだよー。
真央ちゃんが景梧君のモノになるなんてヤダー。ずっと僕の真央ちゃんでいてー。」

「え、あ、はぁ。……………って え? ダレがダレのモノですか?
ちょ、おそろしくあるまじき発言はよしてください。
そんなことが起きたらもう自殺するほかないじゃないですか。

「へェ、そんなに嫌か。」

「ギャ!」
















お、恐ろしくて後ろを振り向けない。


「こっち向いてみろよ、あァ!?」

「あ、あのーですね。これには色々あって。第一わたし、自分大好き人間なんで自殺とかそーゆうのは本来するはずもないわけで…。」


アレ?もしかして全然フォローできてない?




ダァン



壁に追い詰められて、……目ェ怖!
ちょっと、この体勢さ、普通乙女ゲーで言う 胸キュン なパターンですよね。
気のせいかな。
このまま北極の海に投げられそうな気がするんだけど。






「俺だってテメーみてーなクソ女願い下げだっつの。」








そのままテニスコートに行く綾木を見つめて思っていた。












こいつのドコが紳士なんだ?









「ただの自分が一番じゃなきゃ気がすまないナルシストヤローじゃないか。」

「 て め ぇ 本気で殴るぞ。」

クルリと振り向いたソイツは、いつもの綾木に戻っていた。
なんかさっきマジで怖かったんだけど。


























あ、美穂ちゃんの紹介…いや、 娘はあんな男にはやれんな!

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