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校庭に犬が乱入
俺はもう、二度と学校に行きたくないと思った。そして、家にも帰りたくなくなった。
「成田ーおっはぁ☆」
「美波。俺に話しかけねーんじゃなかったの?」
「カラオケには誘わないけどー、話は別。」
「ふーん。」
「はい、そっけなー。」
「みなちゃ~ん、オハロン。」
「オハロンまっちん~。」
“まっちん”こと松本直樹。
こいつは手が早いで有名な、なぜか俺を天然~と言う変な奴。
一応、こいつが一番仲いいと思われる。
「直樹、あんまりベタベタすると、彼女に捨てられるぞ。」
「成田!ソレ禁句。」
美波がヒソっと小声で言う。
あ、もう、そーゆうワケね。
「ま、いんじゃね。あんま可愛くなかったし。」
「なりりーん、キツイっすよソレー。なりりんは本気で人を好きになったことがないからそんなにシラけてんですよー。顔いいのにもったいねー。」
「とりあえず“なりりん”やめろ。」
「成田ひどいよー。つか理想高すぎだろ。麻野さんかわいくなかったら誰がかわいんすかー。」
美波まで会話に入ってくる。
「…まぁ、美波とか。もうちょっと大人しめ系が…。」
「え、えええーちょ、あたし?」
「俺B専なのかな。」
「はい一発殴らせろー。」
「ジョーダン。」
「俺成田見習うわー。」
「…は?」
「計算天然かー。」
こいつの言うことは、時々わからん。
数学の授業とはとてつもなくつまらんもので。
外を見ると3組のやつらが体育をしていた。
そういえばさっき体操服かしてだの、けっこう3組のやつら来てたな。
「成田問4黒板に書けー。」
「…っは?」
やべー授業聞いてなかった。
「美波、ちょ、ちくしょ、寝てんなよ。」
隣の席の美波は熟睡中。前の席の女は話かけずらいし…。みつあみでかいし。
しょうがない。黒板で考えるか。
えーっと、合同の証明だから…。
ん?どこが錯角だっけ…。
わかんねーよ。
先生もそろそろ「わかんねーのか?しょーがねえな。」みたいなこと言えよ。
えーっと…あ、そうだ。Zだ。Zの角と角だから…
俺って天才かも。
「あーおしいけど残念。」
俺の答案に赤で修正が入った。
っち、天才への道のりは遠いな。
席に戻り外を見ると、体育が終わろうとしていた。
授業も、そろそろ終わるかな。
時計を見ると、12:10あと10分だ。
また、視線を校庭に戻す。
校庭の隅に、人の塊ができていた。
よくみえねーけど。なにしてんだ?
「成田ー。また当てられたいのかー?」
「すんませーん。」
数学の先生は、女子に甘い。
隣で美波が爆睡しているのが見えないのだろうか。そのメガネ、あってないんじゃねーの。
屋上にでた。
たいていの学校は屋上に出ることは禁止されている。
この学校もそうなのだけれど、俺から言わせてもらえばチョロイ。
あんな鍵しめまくってるトコとおらずとも屋上に入る道はいくらでもある。
一人で黙々とご飯を食べる。
飯ぐらいはのんびりしたい。美波の圧力が届かないところに…
「成田ー!!なにしけた面しとんじゃー。一緒食うベー。」
ま、ムリな願いなのだろうけど。
「美波。ここ立ち入り禁止。」
「成田もいんじゃん。一人だけずるいし。」
「…座れば。」
「へへへっ」
美波は笑いながら座った。
なにがそんなに楽しいんだか。
「お前友達いいのかよ。」
「ん、オッケ。協力的だから。」
「は?なにを?つか、聞いてんの弁当食う友達、ほっといていいのかって意味なんだけど。」
「そうそう。全然だいじょーぶ。皆彼氏と食べちゃっててさー。あつくてあつくていらんないよ。」
「お前も食えばいいじゃん。」
「?」
「彼氏と。作れば?」
「…………いいの?」
「なに聞いてんだよ。馬鹿じゃねーの。」
「は、だね。」
このとき、美波がいつもと違ったのが少し気になったが、次の瞬間、そんな思いはふっとばされた。
「ぎゃーーーーーーーー!!!」
ワンワンワンワンワンワン!!!
「なに?なに?なに騒いでんのー。」
美波が屋上の柵によりかかり外を見る。
顔色が変わった。
「なんか、変な人が…オタク?ッぽいひとが犬においかけられてる。」
「は?オタク?…………………もしかして。」
美波の隣に走る。
あー…この前の、たしか、自称宇宙人。
なにやってんだ、あの宇宙人。
だっ!
「ちょ、成田!?」
屋上の階段を駆け下り、抜け道を通って三階に着く。すぐさま通常階段をおり、校庭に出た。
「おい、オタク女!人の学校の校庭でなにしてんだ!」
「はわわわわ!助けてくださーい!!」
オタク女はコッチに向かって走ってくる。
「こっちにくんなー!!そのまま犬つれて学校出ろー!!」
「だめですー!あなたに会いにきたんですからー」
「すっげー迷惑。」
「と、とにかくお話は後でしますから、犬、犬がーーーー!!」
「俺は話ねーけど。とりあえず、止まれ。お前が走るから犬も遊んでもらってるって勘違いしてんだよ。」
「…へ?」
ピタ
女が止まると。
犬はベロベロと女の顔をなめる。
女の顔が見る見るうちに青ざめていく。
「ぎゃー!!」
「落ち着けって。かわいいじゃん、犬。」
女に張り付いている犬を抱きかかえると、そのまま校外にだしてやった。
「で、俺に話ってなに。」
「はい。実は私、成田君のおうちに居候させていただくことになりましたー☆」
「・・・は?」
「じつは、私がここにきたいきさつなどを近所で出会った奥さんにお話したところ、同情してくださって、家に置いてくれるって☆それが成田君のおうちでした!」
「悪いけど、意味不明なこと言わないでくれるかな。ちょっと、それ以上変なこと言うと警察よぶけど、どうする?」
「ほんとーですよぅ。」
「いや、精神科医をよんだがいいかもしれない。」
「と、ゆーわけなので、今日はお迎えにあがりました!」
「来なくていい。第一まだ学校おわってねーし。」
「あちゃー失敗ー。」
宇宙人女はテヘ☆と頭にげんこつするポーズをする。
はじめて女に殺意をおぼえた。
ウーワンワンワンワンワン!!
「へ?」
先ほどの犬が、大勢の仲間を引き連れて、この学校の、俺とこの変人がいるところに、ものすごい勢いで走ってきた!!
「なんだよ!?」
「は!しまった!」
女の声に思わず変女を見つめる。
「さきほどのポーズ、地球でやると動物を呼んじゃう魔法がついてたの忘れてました!アッチャー☆失敗したぽ。」
こいつの言うことは、どこからが本気なのか、俺には到底理解できない。
「あの女…なに?」
美波は一部始終を屋上から見ていたのだった。
その後、犬は教師団プラスしゃしゃりの男子によって全部捕獲され、飼い犬は飼い主のところへ、ノラは保健所につれていかれた。
ほとんどが飼い犬だったため、犬をいえに返すので午後の授業はつぶれ、生徒たちはラッキーなどと言っていた。
「ノラ犬が保健所にいくの、お前のせいだからな。」
「はぅ…すみません。」
「その擬音語(?)やめろ!」
「これからきをつけるので、よろしくおねがいしまっす!」
何でこの女は敬礼しているのだろうか。
やっぱ俺、コイツニガテ・・・・。
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