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教室に猿が侵入



「はぇ?いってませんでしたー?私も今日から成田君の学校に通うことにしたんですよー。しかーも、私の土星人パワーで同じクラスでしゅ。」
「これ、ココの医者、腕は確からしいから。ちょっと行って来い。学校行く前に行ってこい。チャリかしてやるから。」
「えー??なんですかこの紙ー。精神科医だなんて失礼ですねー」



こいつは本当に、俺の一番ニガテとするタイプだ。
なんなんだ?しゃべり方もどこかおかしい。言ってる内容もはてしなくおかしい。



「母さん、何でこんな奴家に入れたんだよ。」
「それがお母さんもよく覚えてないのよ…。なんだかすっごく同情したーっていうのは覚えてるんだけど…。でもま、悪い子じゃなさそうだし、いいんじゃない?」
「いいんじゃない?じゃねえ!泥棒だったらどうすんだよ。」
「あははーまっさかーあんな変な子が泥棒なんてするはずないじゃない。」
「普通の人間のほうが泥棒なんてしねーよ。」
「あら、泥棒した子の周囲の人は皆こういうじゃない。『まじめそうに見えたのに』って。ね?誰が普通なんてわかったもんじゃないわよ。いっそあれだけ変な行動しているほうが清々しいわ。ってわけで学校いってらっしゃい。2人で仲良くね!」
「やってらんねーよ。おい、クソ女俺はお前とは何の関係もねーからな!クラスの奴にココに住んでること言うんじゃねーぞ。」


さきほど宇宙人女が座っていたソファはもぬけの殻で。
「ああ?どこいった…」

「どうしたんですかー早く乗って!乗って!ニケツって一回やってみたかったんですー。」

「ふざけんなー!!」

当たり前のように俺のチャリにまたがるおおちゃくな女。
一回殺しとかないと俺の将来があぶない。

















「あたし美波ーよろしくねー。」
「どうもー私土星からきました。コルクス・スペーニャ・モア・ブランチェ・ハルセラ・3・ラザースーカです。長いから宮沢友香ってよんで☆」
「…えっと。友香ちゃん、ってちょっと不思議系?」
「えー不思議ー??美波ちゃんは胸キュン系だねー。」
「あ、どうも。」


すごい。美波がタジタジになっている。
いってやれ宇宙人。ってか、名前初めて知ったんだけど。
異常に長いカタカナ聞こえたんだけど、どうせネタだろ?しかも宮沢友香って…あきらかに日本人名。
土星からきたなんていってっけど本当はただのオタクだろ?
だったらいいなの世界に生きる寂しい人間だろ?
つーか親なにしてんだ?引取りに来い!ものすごく俺が迷惑している!








「ねー成田。成田さー友香ちゃんと、なんかカンケーあるわけ?」

休み時間、宇宙人がいないのをみはからったのか、どーかはよくわからんが、美波がたずねてきた。
かなりあせるんですけど。
「は、あんな変な女しらねーし。」

「うそ。」


「え。なんで。」


「……みたもん。この前、犬が来たときあの人助けてたじゃん。」

助けてた…ようにみえたのか?
今度から気をつけよう。


「助けてねーよ。」
「走っていってた。」
「走ってねぇ。」
「うそつき。」


「はぁ?なんでお前にそんなこといわれな…は、ちょ、お前何ないてんの。」

「ないてねーし馬-鹿しねくそ成田。」


「お、おまえ…。かっわいくねぇ。」


何泣いてんだこいつ。
意味わかんねぇし。
なに、もしかして俺があの女と付き合ってるとか思っちゃってるわけ?
ふつーにありえねーんですけど。
んで、もしかして嫉妬しちゃってるわけ?
なにそれ。
こいつ俺のこと好きなんじゃねーのってゆー疑惑?浮上しちゃってるんですけど。

やべ、ちょっと俺パニくってる。



いや、落ち着け俺。
美波だぞ?
んなわけねーだろ。
どーせアレだ。俺がコイツに嘘ついたのが気にいらねーんだろ。
きっとそうだ。絶対そうだ。
ガキじゃねんだから。
つか俺ついこの間まで彼女いたし。
こいつ別になんとも思ってなかったじゃねーか。





アホらし。





「わかった。ちゃんと話すから泣き止めば。」

「べっつに、アンタのことで泣いてんじゃないから。どーだっていいし。」

「すねんなよ。」
「だから!…」
「嘘ついて悪かったって。な?」
「…うん。わかった。」
「なんだ、やっぱそーだったんじゃん。意地はんなよなー。」
「げ!サイテーマジムカツク!」


とかいいつつも、美波の機嫌が直ってよかった。
コイツ怒らせると怖いもんな。







「成田ー紹介しろーあのかわいい子ー。」
「ごめん、誰がかわいいって?」
「はー?転校生だよ。お前の後ろの席の。てめー自分ばっかいい思いしてんなよなー。」
「いい思いなんて一回もしたことねーよ。」
「いいなーアレはグラビアモデルのスカウトもとれると俺は見た!」
「オタクアイドルの間違いじゃねーの?」
「なに、オタクなの?」
「土星から来たとか言ってる。」
「えー萌え~じゃん。やっべーよくね?燃える。」
「言ってろ。」

直樹は本当に守備範囲が広い。そしてストライクゾーンも広い。
つまり、カルい。
俺はあんまそーゆうのしたくねーけど、そーいうと堅いとかいわれるし。

なんつーか、友達を思うならあの女はお勧めできねーけど。
アイツと直樹が付き合うとかなってくれると、家から出て行ってくれるんじゃないかという兆しがみえる。
ぜひ、出てってほしい、が。
どうする直樹。お前にあの土星人が扱えるのか?!








「と、いうわけですから、菅原道真は大宰府に左遷されてしまったんですねー。では。菅原道真を左遷に追い込んだ有名な人物、藤原氏ですがー、誰でしょうか。そしたら、転入生の宮沢さん。いける?」

歴史の授業が始まった。
午後の授業というのはものすごく眠い。
太陽もちょうどいいくらいにポカポカしていて、やばい、このままリアルにねれる…。

「えっと、新撰組。」


「えええええ。いま藤原氏って先生いったよね。江戸に飛んじゃった。新撰組はいつだったか大河ドラマにもなりましたねー。すっごく先生すきだったー。先生的には土方歳三がすきですねー。」


かなりどうでもいい。


お見事な珍回答をありがとう、転校生。
おかげでぐっすりねむれそうだよ。いいお土産をありがとう。

「じゃあ、前いこうか、成田君!ねむそうですねー。はい、答えは?」
「藤原時平」


「…正解。眠そうだったのにー…っち。」


先生のくせに舌打ちすんじゃねーよ。
と、毒づきながら、俺は気づいた。
あいつが、あの宇宙人が、頭に、げんこつをつくってテヘ☆とかいうポーズをとっているのを。



それをやると、アレじゃなかったか。

動物がやってくる。











キャーーーーーーー!!!











ドアの近くの席の女子が悲鳴を上げた。
俺は思いっきり目が覚めた。
いい目覚ましをありがとう、くそ宇宙人女。

「あがーやってしまいました。ごめんなさい。」

ポソリと聞こえる後ろからの声。
おい、いい加減にしろよテメー。




「猿だー!!」




今度は、猿…。





なんてガックリしている暇はなく、次々と侵入してくる猿ども。
お前らどこから来た!?
こんなに猿がいるなんて知らなかったぞ!?



「最近は動物が入ってくるの、多いですねー。そういえば、猿といえば太閤秀吉は昔サル、と呼ばれていて」
「先生ーこんなことになっても授業するってゆう先生の気合は本当すきですけど、今はこの猿をどーにかしてギャー!髪ひっぱられたーうわーん」
「こらー秀吉ーだめよー。」
「先生ーこれは本物の猿なので秀吉ではないでーす。」



なんなんだ、これ。




「はわわ、どうしましょう、成田君。」
「お前のせいだろ。」
「はうー冷たい!いいです。私の土星パワーで自ら山に帰るようテレパシーを送ってみます!」
「もっと人間らしいことできねーのかお前。」



「人間じゃないですよ?わたし。」




「まだいってんの。」

変人女はニコと笑うと猿を捕まえるべく走る。ものすごい形相で、走る。







「いい。」
「は?」


いつの間にやら隣に来ていた直樹が言った。
どうも目がおかしい。なんか、ハートマークっていうか。


「飾らない、それなのに美しい。皆のために猿を捕まえようとするあのがんばり。どれをとっても、さいこーじゃん?」
「…冷静になれ!直樹!今ならまだ間に合う。」
「いや、俺は冷静だ。ヤバイ。まじでトキめいた。今までの恋は今日この友香ちゃんに会うための練習だったにすぎない。そうだ。成田、俺友香ちゃん狙いでいくから。邪魔スンナよ。」
「…あっそ。とめねーよ。」
「協力しろよ?」
「しらねーし。」






何がなんだかわからないうちに、猿軍団は引き上げていった。
一匹を残して。




「なんかなついてしまったようでー…そうだ!先生!学校で飼いませんか?この猿。」












今日からクラスメートが一匹増えた。
もう、どうにでもなれ。

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