マザーグースの部屋

マザーグースの部屋

2009年01月11日
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1999年4月
時々、腰の痛みを訴えていたのでたぶんヘルニアとかじゃないかと勝手に思って開業の整形外科医を受診するがレントゲンを撮っても特に異常がなく軽いヘルニアであろうと診断され鎮痛剤の頓服を処方される。それを服用すると痛みが治まるのでそれ以上の検査をすることもなく過ごしていた。


ただ尿検査をした時にわずかに潜血があると言われたことが気になっていたので仕事帰りに開業の泌尿器科を受診する。こちらで血液検査を受けて結果LDH乳酸脱水素酵素(lactate dehydrogenase)というのが正常値の倍以上の数値だったにもかかわらず、腰の筋肉が炎症を起こしているのでしょうと判断されてそのまま帰宅する。検査結果のわかる本などで調べるとあまりよくないことが書かれていた(この数値が高すぎる場合には悪性腫瘍:肺ガン(LDH3)・悪性貧血・悪性リンパ腫・肝硬変・心筋梗塞などの疾患が疑われる)ので再度その泌尿器科で尋ねるが医師からの答えは同じ・・・主人は「お医者さんの言うことを信用しなくてどうするのだ・・・俺は先生の言うことを信用するから大丈夫だ!」と言った。そう言われて私はそれ以上何も言えなくなってしまった。
まさか・・・この時の判断があとでとんでもない結果になるとは思いもしなかった。
後から思えばあの時に無理矢理でも大きな病院で再検査などを受けて受診をしておけばもしかしたらたら命は助かったかもしれない。そのことがずっと悔やまれてならない。

1999年6月19日(土)
長女の幼稚園で父親参観があった。

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時々痛みも感じていたのだろうけれどもこのがん細胞はかなりのスピードで細胞分裂をして大きくなるようだからこの3日後にあれだけの激痛を感じるとは想像もつかなかったのかもしれない。

1999年6月22日(火)
長女が幼稚園で体調を崩して嘔吐をしたために早退させてお医者さんに連れて行った。
家に戻ってほっとしたところへ主人から電話がかかってきて腰の痛みがかなりきつくて立っても座っても激痛がはしり仕事にならないからフラワーセンターと小学校での出張の仕事が入っていたようだがとりあえず午後から早退して家に帰るという連絡だった。
この時は親子そろって早退するなんて何だろう?・・・そんなふうにしか思っていなかった。

1999年6月23日(水)
この日は年休をとって近くの国立のK病院で受診する。
全く初診だったのでどこの科を受診すればいいのかわからず受付や近くにいた看護師に聞いてみました。
やはり症状が腰痛なのでとりあえずは整形外科を受診するように言われた。
整形外科で腰部のレントゲン撮影をするが特に異常なしなので原因はわからないから念のため気になるようなら翌日泌尿器科を受診するように言われた。
この日もずっと腰の痛みに耐えていた様子で隣で見ているのが辛いくらいだった。


また年休をとって昨日の同病院の泌尿器科を受診する。腎臓や膀胱あたりのエコー検査をするが異常はみつからなかったのでやはり泌尿器が原因の痛みではないようだから再度整形外科での受診を勧められた。
ただ血液検査もなく問診と触診とエコー検査だけなのでちょっと不安に思った私が4月に開業の泌尿器科での血液検査の結果の異常値を示して納得がいかないのでこちらの病院でも血液の再検査をしてくれるように申し出たところそれなら一応採血だけはしましょうということになった。ただその結果が出るまでに1週間くらいかかると言われてなんだかいらいらしたことを覚えている。
主人の痛みはかなりひどくて診察を待っている間も座ってられないほどだったのにそんなんだかたらいまわしにされているようなそんな悲しい気持ちになった。
その日の夜中、鎮痛剤を服用しても激痛は治まらなかったので別の病院の救急外来で診てもらうことになった。もしかしたら尿路結石都下の疑いがあるようだからと言われたがその日は夜中だったので応急で痛み止めの注射か点滴をしてもらって一旦帰宅して翌日再度受診することとなった。

1999年6月25日(金)

ここでは結石治療で有名な先生の診察を受けて造影剤を入れてのレントゲン撮影の結果左側尿感に3mmの石があるので薬で溶かす治療をすることとなり1週間後に予約をして帰宅した。

原因が尿路結石であるとわかっ手少し安心したためか痛みのほうも鎮痛剤で抑えて週末はしっかり休み翌週の月曜日からまた仕事にもでられるようになった。

1999年6月29日(火)
国立K病院の泌尿器科での血液検査の結果を聞きに行かなくてはいけなかったが主人は結石の治療をするので検査結果を域に行く必要ないと言った。
でも私は何か結果を聞かなくては気が済まないような気がした。
とりあえず電話でも結果を聞けたら・・・と思って電話をかけてみた。
そこで重大な話を聞くこととなった。
「検査結果は出ていますが・・・ちょっと待ってください・・・これは・・・ちょっと検査結果で気になることがあるので先生からいお話がありますのですぐに来院してください。もしご本人が来れないようでしたら奥さんでもいいから代理ですぐに来てください。いいですか!大至急来てください!」
とりあえず仕事中の主人にその旨を伝えてすぐに病院へ向かった。
結果としては白血球が異常に多いということと前にも異常値を示していたLDH乳酸脱水素酵素(lactate dehydrogenase)が前回以上に上がっていた。
原因はわからないがとりあえず本人が受診しないと話にならないので仕事を休んで至急本人と一緒にじゅしんするように言われた。
この時、嫌な予感が私の頭の中をよぎった。

1999年7月1日(木)
年休をとって二人で泌尿器科を受診したが、泌尿器科的には異常の原因はないように思えるので内科を受診するように言われてそのまま内科を受診した。
担当の医師は若くてあまり診察経験のない先生のようだった。しかし1時間くらいかけて問診と触診をしてくらた。もしかしたら腸憩室という病気かもしれないので来週に大腸のバリウム検査をする予約を入れてくれた。そして検査食を売店で購入して帰るように指示を受けた。
こんなに痛みが激しいにもかかわらず原因がはっきりわからないというのは何とも辛くて帰り道では会話もなく黙って歩いていた。

1999年7月2日(金)
主人は鎮痛剤で痛みを抑えながら仕事に出かけていた。
昼ごろだっただろうかナンバーディスプレイの電話機の液晶に見慣れない電話番号が表示されて誰からだろうと疑問に思いながら電話に出たら昨日診察してくれた医師からの電話だった。
「昨日は兆の検査すると言いましたが・・・あとでほかの先生とも相談してまずはお腹や骨盤や腰のあたりのCT検査が必要になったのでこちらで勝手に来週の月曜日に予定を入れましたから必ず来院してください。」という内容だった。電話を切ってすぐに主人に連絡をとったが主人はそんな急に仕事は休めないなどとぶつぶつ文句を言っていたが、先生の緊迫した様子を話たらやっと納得した。

1999年7月5日(月)
午後1時に病院でCT検査を受ける。検査の間中も主人の腰の痛みはひどかったようです。
検査の後、何時間か待ち時間があって再び診察室に呼ばれた。検査結果のフィルムが貼り出されていた。レントゲンのフィルムはよく見ることがあるがCTというのはあまりなじみがなく輪切りにされた層の写真が何枚も連なっていたようだった。
「何か少し塊のようなものがありますがこれは筋肉でしょうし、特に異常な所見はありません。なので次回はこの前予約していた大腸の検査をしますね。」そう言われてまた原因がわからないままの帰宅になったかと思うと気が重かったけれども・・・それでも大きな病気ではなかったようで良かった・・・と言うほっとした気持ちもあった。しかしそのほっとしたのもほんのひと時のことだった。

その翌日だったか翌々日だったか・・・日にちは定かではないがまた病院から電話がかかってきた。
先生からの直接の電話である。
「実はこの前の説明でCT検査では何も異常所見はないと言いましたが・・・その後同病院とK大学付属病院の放射線科の先生たちにも診てもらったら後腹膜リンパ節に数センチメートルくらいの大きさの腫瘍ができている様子なのでさらに詳しくCT検査をします。来週の火曜日に再度来院してください。可能性としては悪性リンパ腫という病気が疑われているということもこの時に電話で聞かされた。もうこちらの都合も何もない。とにかく病院のほうもキャンセルで空いた時間などに検査を入れてくれたようだった。」
悪性リンパ腫と聞いてもすぐにはピンとこなかった。
癌という文字はまだこの時は頭には浮かばなかった。
とりあえず主人に電話をして病名の話も含めて次回の検査予約のことを伝えた。
主人も特に動揺している様子はなかったようだ。

1999年7月13日(火)
さらに詳しくCT検査を受けるために午後1時に二人で病院に向かった。
今週に入ってからは腰の痛みはますますひどくなり、もう鎮痛剤服用だけでは数時間もたたないうちにまた痛みがひどくなる状態で鎮痛剤の頓服と坐薬を交互に使用するようになっていた。

1999年7月14日(水)
薬で痛みを抑えながら主人は力を振り絞って仕事をしていた。
どんなに辛かっただろうかと思うが、きっと大病であることを認めたくない気持ちもあったのではないかと思う。






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Last updated  2009年01月11日 17時35分50秒
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フルタユウスケ @ Re[1]:ご無沙汰しています♪(03/08) マザーグース2002さんへ ご返信、誠に…
マザーグース2002 @ Re:ご無沙汰しています♪(03/08) 長らくこちらのページを開けることがなか…
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