Anima-Town

第17話　砂塵

人間は脳の容量の70％を使っていないと言われている
人間の持つ不思議な力はこの部分に秘められると言われている。
その使用されることのない脳の70％はこう呼ばれる･･･
『NIGHT　HEAD』･･･････

第17話｢砂塵｣

【STORY】

両親との再会も束の間、曽根崎の精神的な攻撃が始まった｡
店内の掛時計が一斉に鳴り始め、凄まじい音が鳴り響く｡直美の頭の上の鳩時計が曽根崎によって破壊され破片が直美の前に降りかかってくる｡恐怖に顔を引きつらせる直美に幸彦は側に寄り添う｡
｢直人・・・直也…どうして死んでしまったの？｣突然泣き叫ぶ直美｡それを制する幸彦｡
｢あなたが悪いのよ・・・あなたが子供を殺したんだ｣幸彦を攻め立てる直美｡それは、曽根崎の仕掛けたマインドコントロールの仕業だった｡
怒りを抑えれなくなる直人｡｢やめて!!兄さん!!｣その力を抑えようとする直也｡曽根崎は直人を挑発し続ける｡力を制御出来なくなり爆発させてしまう直人｡その力に吹き飛ばされた曽根崎｡
｢こいつらは化物だ・・・｣あたかも被害者の様に振舞うのだった｡
両親の顔は自分達の幼い日に見せた脅えた目だった｡
『おまえたちは両親に嫌われている』冷酷な言葉を吐き心理的に追い詰めて行く曽根崎｡我慢できなくなり｢仲間になる｣と伝える直也｡
店のシャッターが閉まり、直人と直也に攻撃しようとした曽根崎に暗闇が襲う｡
暗闇に曽根崎の父親の顔が浮き曽根崎を攻めていく｡その暗闇から光が満ちて教会の場面に変わる｡穏やかな気分になる曽根崎の目の前にキリストの像が・・・しかしその顔は自分が殺めた神谷の顔になる｡
｢ありがとう曽根崎｡こちらの世界に来れて嬉しいよ・・・君もこちらの世界に来れば良い・・・｣そう伝えた神谷の顔が曽根崎の母親の顔に変わっていく｡母親もまた｢おまえのマインドコントロールの力でこちらの世界に来れた｡ありがとう・・・おまえもおいで｣と誘うのだった｡突然また暗闇になり、そこに現われたのは・・・双海翔子だった｡｢最後の犠牲者はあなた自身・・・｣曽根崎は狂った様に店を駆け出して行ってしまった｡
曽根崎との戦いは終わったのだが、両親との再会は苦いものになってしまった二人｡｢もう私達を苦しめないでくれ・・・｣その言葉を後に直人と直也は店を出た────｡

その夜、直也は夢を見た｡それは砂漠に立つ翔子と自分｡
直也が翔子に触れぎゅっと抱き締めるシーン。そして翔子はその場で消えてしまう｡しかし、その時直也にメッセージを残した｡

『争いが嫌いなのは、人間｡争いが好きなのも人間｡それを克服できるのも人間・・・』

夢にうなされ飛び起きた直也｡それに気付き驚き起きた直人。直也は直人に翔子の言葉を伝え、こう伝える｡
｢近付いてくるよ｡兄さん・・・僕たちを邪魔だと思っている人たちが・・・｣

一方、ARKでは曽根崎が廃人になった事を知る奥原が居た｡側近の坂口と次の行動を予知している｡
｢今夜、動くものがあるよ｣
それは、ARKの社員・双海芳樹の事だった｡彼は、自分の身体が崩れていた｡残された自分の力でARK内のコンピューターに侵入しようと試みていた｡数秒、何とか侵入を図るも組織に阻止されてしまう｡その一瞬の情報は、芳樹の恋人である夏子に伝えられた｡そして、彼は彼女に霧原兄弟をある場所に連れてくる様に伝えるのだった｡
街を歩く二人｡携帯電話が広がりまるでテレパシーの様に連絡し合う光景を見つめていた｡突然、街中の電波が中断され何かテレパシーの様なものが直也に伝わる｡後ろを振り向くとそこには夏子が立っていた｡
彼女は、双海芳樹からある場所に二人を連れて来る様に指示されたと言う｡直人は『双海』の名前が翔子と何か関係があるのかと疑問を持つのだった｡
芳樹が指定した部屋は芳樹自身、ARKから逃れる為に用意した部屋だった｡彼は二人にARKの実態を知らせようとしていた────｡

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