Anima-Town

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第20話 懐柔

人間は脳の容量の70%を使っていないと言われている
人間の持つ不思議な力はこの部分に秘められると言われている。
その使用されることのない脳の70%はこう呼ばれる・・・
『NIGHT HEAD』・・・・・・・



第20話「懐柔」


【STORY】

溺死した女子高生達。助かったのは、早紀枝だけだった。
担ぎ込まれた病院の中では、学校関係者・警察関係者・新聞記者達が騒然と混乱していた。何故、こんな事になったのか・・・助かった早紀枝は、不思議な子だと先生達の口からは出るのだが、嫌われていた女子高生達と集団自殺するとは・・・と困惑を隠せないでいた。
その中に直人と直也の姿もあった。二人は早紀枝を助けた時の状況を警察から調書を受けていたのだ。その時、早紀枝の家族達が到着し病室へ入っていく。早紀枝の妹・悠子が心配そうに声をかけた。両親は、警察から早紀枝を助けたのが二人だと聞かされ挨拶を交わす。しかし、その場に死んでしまった女子高生の親達が駆け寄り早紀枝の両親に食って掛かり、その場は大混乱となる。
早紀枝は、妹に「自分の部屋に帰りたい・・・」と漏らすのだった。
そんな混乱の中、直也は誰かの思念をキャッチした。「誰かが笑っている・・・」
廊下のむこうから不敵な笑みを浮かべる男が一人。
突然、混乱の人ごみから刑事がナイフを直也に向け強襲してきた。思わず力を使い阻止する直人。しかし、それは幻覚だった。自分がどうして飛ばされてしまったのか解らずにいる刑事。そして廊下のむこうの男の姿は消えていたのだ。

ホテルに戻った二人。直人は深い溜息の後、話出す。
「あいつは、俺の弱みをついてきた。今度、戦いになっても人を殺さない。例えそれがARKとの戦いになったとしても」
「兄さん・・・」
「・・・直也、おまえの力には未来がある。きっと何か必要な力だ。だけど俺は違う。力が大きくなっても破壊に繋がるだけだ」
「違う・・・兄さんの力は破壊のためにあるんじゃない。僕だけの力じゃ何も出来ない。僕は感じることしかできないんだ。祈ることは確かに意味がある。力もある。だけどそれだけじゃ何もできないんだ」
そう兄を励ましながら直也は、部屋の壁を見つめる。壁を見つめていると早紀枝が自分の部屋でベットで横たわっているのが見えた。それは、早紀枝と直也の意識が同調した瞬間だった。早紀枝もまた部屋の壁に直也が居るのを見つける。直也は早紀枝に事件の真相を聞く事にした。
「私が殺したの・・・私が、死にたいと思ったから」
そして直也は、早紀枝の世界へ入り込む。早紀枝の肩に触れ今までの彼女の過去を見る。

沢山の風船と子供達の手・・・沢山の幼稚園児。その中に、まだ子供の早紀枝が居た。先生の手から赤い風船をもらう早紀枝。
次の瞬間、回りの児童たちが騒ぎ出す「赤が良い」。自分の持っていた風船を放し、赤い風船を求める園児たち。困惑する先生。
場面が変わり、絵画の時間。早紀枝が画用紙いっぱいに青いリンゴの絵を描いていた。ふと隣の子供を見ると早紀枝と同じ絵を描いていた。
また場面が変わる。早紀枝を見る者達が、湿っぽい声でひそひそ話を始める。
「早紀枝と居ると暗い気持ちが乗移る感じがして嫌だ・・・近寄りたくないよ」
そして、事件の前の女子生徒達からの制裁・・・そして都築が自分を助けようとした事────。


突然泣き叫ぶ早紀枝。それに合わせて共鳴していた直也まで同調してしまっていた。
「直也!どうした?」心配になる直人。数秒の内に直也は我に返った。
「兄さん。解ったよ。彼女の力が・・・」
「何だって?!」
「彼女の力は、彼女の感情が伝染する力だ。今は、感情を抑えているみたいだ・・・」
では、何故ARKが彼女の力を欲しがり、すぐにでも連れ去る事をしないのか?不思議に思う直人と直也だった。そして、都築がARKを裏切る事を把握出来なかったのか・・・。

二人は、県立中央病院に来ていた。
この病院に都築が入院していた。二人は、都築に会いにやってきたのだった。病室の前で都築の様子を見る二人。都築は静かにTVを観覧していた。が、二人の姿に気が付いたのか、部屋の扉に近付いてきた。そして直人に
「おまえは、あいつのは勝てない。苦しめられ、傷つけられる。三雲と戦うのはやめろ。あいつから逃げるんだ!!」
告げた途端、都築は狂ったように頭をドアに打ち付け手もつけられない状態になった。その状況を見て、もう何も聞き出せないと解り、病院を立ち去った。

病院の駐車場で、直人の様子がおかしくなった。何か幻覚を見ている様だった。そう三雲のマインドコントロールで直人に精神攻撃を始めていた。心配になる直也。今まで自分が倒してきた能力者の亡霊が直人を襲う。
「落ち着いて兄さん・・・」
やっと攻撃が収まったと思った直人。そして兄が力を使わなかった事に安堵する直也。その二人に声を掛ける男が居た。彼は、病院の前に建つビルの最上階の部屋から二人を見ていた。その男に会う為にビルに乗り込む二人。そのビル内の社員たちはマインドコントロールを受けている様で、二人を男のもとへ導いていた。
男の名前は三雲玄吾と名乗った。
「霧原直人。俺にはかなわない。が、1回だけチャンスをやろう」
自分の首にナイフを突きつけこう言った。
「ちょっと力を使えば殺せるはずだ。さぁ、やれよ・・・」
不敵に笑う三雲。直人に挑発を仕掛けてくるのだった。




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