Anima-Town

最終話　希望

人間は脳の容量の70％を使っていないと言われている
人間の持つ不思議な力はこの部分に秘められると言われている。
その使用されることのない脳の70％はこう呼ばれる･･･
『NIGHT　HEAD』･･･････

第24話「希望｣

【STORY】

余震が訪れた。
浪川の予知は的中した。雇い人達の強襲に負傷してしまう浪川。しかし、直也の治癒能力によって癒されていった。
「リーディング能力か？」浪川は驚きながら尋ねる。
「ちょっと心を押しただけです」直也は、笑って答えた。
部屋の中で、もう一度地殻変動の動きを調べ直す波川。
「私ね。不謹慎だと思われるかも知れないけれど、地震が来てホッとしているの。世の中って、ちょっと違う態度をとると冷たく接してくるもんよ」
怜奈は、今度の一件で少し気が晴れたと直也に伝える。
ますます地殻変動の勢いは止まらない。このままでいけばアジア全域に広がってしまうという。後20時間以内にそれは訪れ、やがて日本各地が海に呑まれるというのだ。
地殻変動の原因・・・それはプレートのずれ・活断層と2種類に別れるのだが、ささいな要因が破壊の連鎖になっている。
そして、その被害箇所がPC画面に表示されていった。その画面を見た直人は、ナジが描いたあの日本地図を浪川に見せる。
驚く浪川。ナジの書いた地図と全く同じように災害位置が示されていたからだ。
どうにかして大災害を免れる事は出来ないか？直人は浪川に尋ねた。
「無理かもしれないが・・・いや・・・ぞんな事は出来ないかも知れない。活断層のエネルギーを他の場所に移動させれば救えるかも知れない」
それは、この地域の活断層から10キロ以上離れた場所に。
エネルギーを放出する場所・・・突然、直也は、ナジに誘われる。荒れ果てた遊園地。その奥の森。そこにナジの姿が。
気が付いた直也は、地図に書かれたマークはナジが誘った、あの森にあると判断し、怜奈にその場所に心当たりがあるか聞いてみた。

怜奈は、ある場所に二人を連れていく。そこは、市が運営していた遊園地で経営難に苦しみ今は閉園してしまっていた。そして、その奥に森が広がっていた。
奥に進んで行くと変わった鳥居が立っていた。(ナジの描いたマークにそっくりだ・・・)二人は、その場所を確認した。
「これから何をするの？」怜奈は聞いた。
「これから・・・地震を止めるんだ」直人は言う。
直人が鳥居の中心に跪き、大地に手を触れる。
「直也さん・・・一体？」不思議に思う怜奈。直人の行動を静かに見守る直也は何も答えなかった。
直人は手に力をこめる。これから何が起きるか解らない。直人は少し不安になっていた。そこに再び、ナジが現れ直人に告げる。
「直人さん。あなたは黒い流れに呑まれても決して、染まらない存在だから」
そして直人に大きな黒い流れが襲ってきた。悪意に満ちた黒い流れ。それを一気に空へと放出する直人。
光が消え去った後、直也は直人に駆け寄る。直人は、気を失っていた。
気が付いたのは、ホテルの部屋だった。しかし、再び何処かへ向かおうとする直人。直也は何処に行くのかと尋ねる
「もう僕たちは何も出来ない」
「解っている。」解っているのだが、どうしても行かなければいけない場所があった。もうまもなく浪川が予告した地震がくる時間が迫っていたのだ。

その頃、浪川は市役所に来ていた。みんなに大地震がやってくる事を伝えて欲しいというのだが、相手にされない。それどころか会議室に隔離されてしまった。
会議室に閉じ込められた浪川。しかし、大きな揺れを感じ、脱出を図りあの時計台の会館へと向かった。
そこでは、村おこしのセレモニーが開催されていたのだが、浪川は銃を持ち舞台へ上がった。そして、観客に向かって
「大地震が来る。早く非難を」戸惑う観客たち。その場を動こうとしない観客に向かって一発銃弾を撃ち放つ。
逃げ惑う観客たち。だが、その時大地震が訪れた。街中はパニックに見舞われた。役所の人間たちも今度は、本当だったと浪川の予知を今まさに痛感していた。
地震の最中、会場にやってきた直人・直也そして怜奈。舞台では、娘・ひとみが浪川に駆け寄ろうとしていた。が、舞台の天井に設置されているライトが、地震の影響で破損。
娘・ひとみに向かって落ちてきた。娘をかばう浪川は、ライトの下敷きになってしまった。
大怪我をした浪川。駆け寄る、ひとみと怜奈。「お願い・・・お父さんを助けて」直也は再び、治癒能力を使う。しかし。浪川を救う事ができなかった。浪川は最後に娘たちに謝罪の言葉を残して逝った。

「地球が変化しようとしている。その為にネガティブな出来事が起きる。災害と戦争・・・でも人々が気づいてくれたらネガティブな出来事は防げるのかも知れない」

直也は怜奈にそう伝えた。
「私、お父さんの後を継ぐことにしたの。こう考えられるのも直也さんに会えたから。本当に直也さんと会えて良かった」
直也に淡い恋心を描く怜奈。しかし、それに答えられない直也だった。
「さようなら。また会いに来るよ」
「うん」笑顔で別れた二人。

お前たちに触れる事で肯定的になれるんだよ。
お前たちたちの力はそうした人たちのための救いになってくれる・・・。御厨に今回の依頼報告すると御厨からそんな言葉が返ってきた。
車に乗り込む直人と直也。そして、直也はふっと微笑む。
「ナジはまた絵を描いたよ。凄く楽しい絵だよ」
「そうか・・・」
二人は車を走らせ再び旅に出た。

ナジの描いた絵・・・それは、ナジと直人・直也が仲良く手を繋いでいた絵だった。

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