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2006.02.15
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脅迫電話の検証もままならない状態が続く。

大路は先程の法外な金額に頭にきている。

秘書の大谷が必死でなだめていた。
「社長、赤石の命がかかっているんですよ。」

「うるさい!貴様に言われんでもわかっている。」
大路は大谷を睨み付けた。
「わかっているが、10億だぞ!10億もの金を、そう簡単に出せるわけないだろうが!」

「ですが・・・・」

「ええいっ!少し黙っていろ!」


「どうでしょうか?犯人の動きがわからないことですし、また電話があったら、要求を受ける意思を示してはいいかがですか。そこから話を進めないと赤石君は2度と帰ってきませんよ。」
もっともな意見に2人は静かになった。

「そ・そうですね、まずは要求を呑む態度を出さないと・・社長」

「むう・・・仕方あるまい・・」
方向性が決まったところで、大路と大谷は急に無口になって、ソファに腰掛けた。

倉橋はそんな2人を気にしながら、作業に取り掛かった。
録音状態をちゃんとして、逆探知もできるようにしておかないといけない。
先程の電話では何も情報を得られなかった。
犯人も落ち着いて話していたが、少し、台詞を言わされているように感じた。
何か電話の先の音が拾えるかと思ったが、何も聞こえてこなかった。

ふと倉橋が辺りを見回すと、SGMのメンバーである、七星亮太が難しい顔をして座っていた。

事務所に入る時に4人が揉めていたようだった。
恐らくは赤石の件だろう。
芸能界のグループは思っていたより仲が悪いらしい。

「どうしたんだい?そんな顔をして。」
倉橋はさり気なく亮太に話しかけた。


不意を突かれて、亮太は慌てたが、すぐに落ち着きを取り戻し、冷静に話し始めた。
誰かに聞いてもらいたかったのかもしれない。
「さっきの電話のことですが・・・」

「うん?」

「機械音声じゃあなかったんです。」

最近の若者は伝え方が下手くそだというが本当だなと倉橋は思った。
機械音声とはつまり、TV番組でプライバシーを守るために出演者の声を意図的に変えることを言っている。

「うん、それがどうしたんだい?」
変に突っ込んでプライドを傷つけてはなるまいと話を続けた。
ただ、確かに電話の声は普通の声であった、亮太の言う機械音声ではなかった。

「俺は一番最初に出た時なんですが、倉橋さんや大路社長がいなかった時の。」
亮太は思い出すように話す。

倉橋達がこの事務所へ来るきっかけとなった電話である。
誘拐事件でありながら、事務所に捜査員を一人も行かせてなかったことは完全にミスだった。
言い訳はできない。
また上から罵られる材料を作ってしまった。
動かすようにしていたのだが、急な目撃者、殺人事件で、それどころではなかった。

「うん。それが何かおかしかったのかい?」

「はい。最初に出た時の、犯人の声は、その機械音声だったんです。でも・・2回目は・・。」

なるほど、それはおかしい。
最初と次が違う行動。
こういう深刻な事件では犯人の立場でもあってはいけないことだ。
事件解決へのきっかけになりかねない。

「それは・・おかしいね・・話し方とかどうだった?」

「う~ん・・ちょっとだけ・別人だったような・・・」

亮太がそう言いかけた時、3度目の電話が鳴った。
緊張が走る。
倉橋は大路に電話に出るよう指示をした。

つづく。

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最終更新日  2006.02.15 20:08:01
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