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2006.02.21
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なんて名前だ?

あの家族はなんて名前だった?

大谷?

覚えていない。
子供がいたような気はする。
あれが、この大谷明なのか?
大路公康は混乱した頭で同じことを繰り返し考えていた。

大谷は倉橋の方を見ながら笑っている。
倉橋とその他の捜査員、そしてSGMのメンバー4人が後ろにいた。

大路は大声を出した。

・・・が、その声を掻き消すくらいの声が倉橋の口から出た。
「黙ってろ!クソ野朗!!」

「・・・なっ!なんだと!」
このワシになんという口の聞き方を・・。

「大谷、全て調べた。お前も過去もな。気持ちはわかる。だが復讐は駄目だ。やめるんだ。」
倉橋の説得を聞いた大谷は、くっくっくっ、と笑い出した。

「よくわかりましたね・・倉橋刑事」

「お前のためらいもなく助手への立候補。これだけで判断するのはどうかと思うが、勘も俺の武器だからな。とにかくそこが引っかかった。」
倉橋はジリッと近づいた。
そんな小さな動作で間に合うものか。

大谷は笑みを崩さない。
「受け渡し現場を調べて発覚した、大谷という名前、大路との関係。それで全部わかった。」

「なるほど・・大路への望みのために、名前は偽名にしなかったが、それが仇になったわけだ。」
大谷は溜息をついた。
「それで?倉橋さんは、どうしたいのですか?僕にこの豚を殺させてくれないのですか?」



そうだ!
もっと言え。
もっとちゃんと早く説得するんだ。
大路は気持ちを抑えつつ、逃げ出す機会を窺っていた。

「同情?」
大谷の笑みが止んだ。
「あんたに・・何がわかる・・。どれだけ僕達家族が惨めで辛い思いをしたかわかっているのか!」
大谷は大路を睨んだ。
恨みを超えた、鬼の形相だった。
「このクズさえいなければ!殺せればそれでいい!後のことなど知ったことか!」

大路はバタバタと四つん這いで逃げようとした。
腰が抜けて思うように動かない。

「殺してやる!」
大谷が大路に襲い掛かる。

「ひいい!」

「大谷ぃ!!」

一発の銃声が暗い廃墟の中に響いた。

つづく。

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最終更新日  2006.02.21 21:16:57
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