Memory of Embers

Memory of Embers

雪のくれたもの



 開いた窓から 覗いた世界を
 音も無く染めていた 白い空のカケラ
 汚れた大地に 触れては散りゆく
 身に残る冷たさ 身に沁みる優しさ

 僕に触れた君も 傷ついてしまったね
 雪の結晶のように 輝く笑顔を残して

 汚れた心に 舞い降りる雪の優しさ
 僕の弱さが 溶かしてしまうけど
 望むのは銀世界 積もりもしないけど
 真っ白な願いを 君はくれた

 気が付けばまるで 覆い隠すように
 世界を飲み込む 虚空な空のカケラ
 嘆きも痛みも 白く霞むけど
 この身を包むのは 寒さと虚しさ

 儚げな君の 命も散ってしまい
 独り震える僕に 雪が降り積もる

 渇いた心に 舞い降りる雪の冷たさ
 溶かした弱さが 心に沁みるよ
 望んでいた銀世界 望みも失せるけど
 真っ白な命を 僕にくれた

 凍えていた僕に 降り積もる雪の優しさ
 冷え切った心を 温めてくれた
 望むのは銀世界 儚い命が
 真っ白な心を 僕にくれた

 君が消えた後 踏み出した世界を
 輝きに染めていた 冬の空のカケラ
 真っ白な君の 優しさと冷たさ 
 君が残してくれた あの日の銀世界

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