お寺と戦争と私
2023
年 8
月 16
日(水) 19
: 00
~ 20
: 00
S
BC
ラジオでパーソナリティをつとめる海野紀恵は、浄土真宗本願寺派の僧侶でもある。
本山の西本願寺が行った戦時調査をきっかけに、この夏、戦争について学び始めた。 各地を訪ね、「僧侶たちの戦争」の実像に迫る。
京都の西本願寺では、戦時調査の中心的な役割を担った龍谷大学の新田光子名誉教授に話を聞き、調査結果が何を伝えているのか読み解いていく。
昨年の番組ですが、BS-TBSで先日再放送されたので見てみました。
仏教の戦争協力は、明治の 廃仏毀釈運動
に起源があるようです。
仏教は江戸時代の庶民を支配するのに使われたイデオロギーですが、新しい時代になって否定されたました。
仏教側は、生き残りをかけて新政府にすり寄り、その延長線上に戦争協力があったということです。
軍人は戦死したら靖国神社で神として祀られるということですが、
仏教の場合、極楽浄土が待っていると説いて安心して天皇のために死ねと説いていたようです。
また、 殺生禁止
も、悪人を殺すことで悪人がそれ以上殺すことができなくなるからOKとの論理です。
一殺多生
や
真俗二諦
なども都合よく解釈して使われました。
一殺多生 (いっさつたしょう)とは、1人を殺すことで多く生かすとする 真宗大谷派 の仏教用語。
元は 大乗仏教 経典の一つ 瑜伽師地論 の漢訳文に記された四字熟語であったが、日本では 右翼 の 政治思想 の一つとして使われた。戦前の 右翼団体 「 血盟団 」の指導者である 井上日召 が唱えた理念である。
昭和維新 を呼号した井上は、血盟団の団員に「 一人一殺 」を説き、政財界の要人の暗殺を教唆した。「一人一殺」とは、各々の血盟団員が標的を定め、一人ずつ 暗殺 していくというものである。標的のみを殺し、それ以外の人的被害を防ぐため、その手段は専ら接近しての ピストル による射殺であった。
井上は「これ(標的)に天誅を加えることは、一切を救わんとする 一殺多生 の大慈大慈の心に通ずるもの」と主張した。つまり「要人一人を殺すことで、その他の大勢の一般国民が救われる」とし、血盟団のテロ活動を正当化した。
戦後の右翼活動家も、 連続企業爆破事件
など多数の一般人を巻き添えにする 左翼
テロ
とは違い、自分たちのテロは標的のみに狙いを定め、他者を救済する「慈悲ある」テロと自負し、この理念を正当化している者が少なくない。
(ウィキ)
真俗二諦【しんぞくにたい】
仏教で絶対的悟りと相対的悟りを区別していう用語。真諦は勝義諦・第一義諦ともいい,謬 (
)
のない絶対的真理をいう。俗諦は世俗諦・世諦ともいい,世俗人の執着するままを容認する相対的真理をさす。真俗二諦は種々に解されているが,大乗仏教では,真諦を説くにも世俗の言語や思想をもってせねばならず,世俗諦によらねば真諦へは至れぬとして,真俗二諦は不二と説く。
真宗では仏法を真諦,王法(世俗の道徳)を俗諦とする特殊の真俗二諦説をとっている。
*反省の意味を込めて、いまだに石をつるしているお寺です。
このような本山の教えを疑問とする僧侶もあらわれ、番組では大逆事件に連座した 高木顕明
を取り上げていました。
高木 顕明 (たかぎ けんみょう、 1864 年 6 月24 日 ( 元治 元年 5 月21 日 ) - 1914 年 ( 大正 3 年) 6 月24 日 )は、 真宗大谷派 の 僧侶 。
日露戦争 では日本でも数少ない 非戦論 者の一人であり、 公娼制度 にも反対し、次第に 社会主義 に接近していった。
1910 年 ( 明治 43 年)、 幸徳秋水 の談話会を浄泉寺で開催したことから幸徳事件(大逆事件)の関与を疑われ逮捕される。当初、 死刑 判決に処された [1] が、後に 無期懲役 に減刑された [2] 。
1910 年 (明治 43 年)、真宗大谷派から除籍(僧籍削除)の処分を付された。この時の処分は家族にも及び、一家が寺から退去させられる重いものであった。 1914 年、 秋田刑務所 で服役中に自殺。享年 51 (満 50 歳没)。生没同日。
死後 80
年余を経た 1996
年
( 平成
8
年) 4
月1
日
、真宗大谷派から僧籍復帰の名誉回復がなされた。現在、新宮市内に顕彰碑が建つ。
(ウィキ)
参考:
【教えにふれる読み物(真宗の生活)】高木顕明・高木顕明師の事績に学ぶ | しんらん交流館HP 浄土真宗ドットインフォ (jodo-shinshu.info)
大谷派は、軍に協力し中国などの海外進出にも力を入れていたようです。
僧侶を従軍させ、占領地には寺を建立です。
現在、末寺にアンケート調査を行いそうした歴史を掘り起こし検証するとともに、
二度と戦争に加担しないよう努めていることは評価に値します。
番組は大谷派を取り上げていましたが、他の宗派はどうだったのでしょうか。
以前愛方の法事で会食した僧侶は、北朝鮮のミサイル実験を非難し日本は戦うべきと発言していました。
お酒が入っているとはいえ、お坊さん(大谷派ではありません。)が戦争=人殺しを肯定したのには驚きました。
軍備増強の自民党と組んでいる公明党ですが、支持母体の創価学会内部では反発する声もあると聞いています。
都合よく解釈を変えて戦争協力の道に進まないことを望みます。