村井亮介の いまどきノベル

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若君っ貴公子のご自覚をっっ 12




そして帰宅すると携帯が鳴った


<トゥルルルルー トゥルルルルー>


「はい」


「このたびはお騒がせしてすまなかったね」


「あ、相談役の弟さん?」


「うんうん」


「いえいえ」


「全部嘘だったって話になってるんでしょう?」


「はい、そんな感じですね」


「まあ、たしかに本人が直継じゃなかったからね。


あなた方が自分たちが殿や若や姫だったかどうかなんて


信じるも信じないも自由なわけでね」


「ですね」



「でも、私はね、あえてもう一度言いたいんだ。


剣心とユリと景龍は本当の家族なんだとね」


「僕ら3人のことですか?」


「まあね、それが誰のことかは自分で判断してくださいな。


だけどあなた方に素敵なご縁があったことは事実でしょう?


このところの出来事でね」


「はい、なんだか、いい夢を見た気がします」


「私に言えることはそのご縁を粗末にしないでください、ということです」


「本当にそうですね」


「いや、なにもね、ご縁というのは何も前世がどうかということに


限定する訳じゃなくてね、


すべての周りの人たちを大切にしないとね。


そんな中の一員としてね、


剣心やユリを大切にしてあげてください」



「あの・・・」


「はい?」


「じゃあ、たとえばですけど、相談役が直継じゃないなら、


本当の僕の直継は誰なんですか?」


「それはあなたが自分の胸に手を当ててよく考えてご覧なさい」


「はい」


「あなたのごく近くにいつもあなたを心配してアドバイスしてくれる人がいるでしょう?」


「います」


「その人を誰よりも大切になさい」


「はい!」


「前世がどうかということが理由ではなくて、


今あなたを支えてくれていることを感謝なさい」


「はい」


「もう、あなたには直継は誰だかわかったはずです。


しかし、もうそれはどうでもいいことでしょう」


「うーむ。よくわかりました」




「じゃあ、身の回りのすべてのご縁を大切にして幸せな人生を送ってくださいね。」


そう言って相談役の弟は携帯を切った。


*****


そして火曜の部活前に孝太はバレエスタジオへと向かう、秋元アイを待った


「あ、孝太 おつかれ」


「うん」


「今から部活でしょ?」


「だね」


「こんなところで何してるの」


「アイを待ってた」


「え」


頬を赤くする二人



「あのさ」


「うん」


「俺、君を粗末にしてたと思うんだ」


「うふ、何を言い出すのよ」


「ずっと昔から君は俺の一番大事な人だった」


「えええ?」


「そして今も」


「う。。。ん」


「未来もずっとだから」


「うん、あたしも同じ」


「はは」


「うふ」



そう言って見つめ合う二人にすぐそばで聞いていた大島ユカがくってかかる


「こら~~~、あたしを無視して二人で盛り上がるんじゃないぞっっ」


「あ、ごめんなさい」


「すまん」




ユカは、しかし安心したように言ったのだった


「めでたし、めでたしの結末ね」








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