ペチュニア・カリブラコアの切り戻し

ペチュニア・カリブラコアの切り戻し




切り戻しのメカニズム



  • サフィニア、ブリエッタ、ミリオンベルなどの『ペチュニア・カリブラコア』類をはじめとする多くの植物は、切り戻しをすることで花期とされる間中、何度も満開することができます。それはどうしてでしょうか?


  • 花は咲き終わると種を作ります。種を作る生産過程で、植物は茎や葉にあるリン酸分を、種に回そうとします。そのため、葉が枯れ、茎が枯れ、種が出来る頃には植物は枯死寸前の状態になります。


  • この状況を作らないために必要な作業として「花殻摘み」が挙げられます。花殻を花茎ごと摘み取ることで、種を作らずに植物を若々しい状態に保つわけです。



  • ただし、若々しい状態が永遠に続くわけではありません。葉や茎が茂と株元に陽光や風が行き届かなくなり、病気になったり害虫が増えたり、枯葉が腐って蒸れたり異臭を放ったりします。よって、不健康な状態が生まれます。



  • そこで切り戻しをしてみましょう。株元に陽光が差し込み、病気や虫のついた葉も取り除かれます。しかも、切り戻すことで摘芯することにもなり、新しい腋芽が伸びることになります。そして、切り戻す前よりも大きな株に育っていくわけです。



  • これが切り戻しで植物が何度も満開になるメカニズムの秘密です。






切り戻しの方法



ここからは、以前、ブログで紹介した切り戻しの様子をいくつか転記いたします。


2006/6/13 ミリオンベル


梅雨入りしたことを受け、ペチュニア・カリブラコア系の花たちを順番に切り戻し中。
今日は、2つのプランターに植えた今年度株ミリオンベルの片方を切り戻し


060613a


まだ八分咲きくらい。

060613b.jpg


7月下旬に母親の誕生日があるので、それまでに満開にする計算。
プレゼントとして渡すのは中旬から下旬の予定。


060613c

目安としては、鉢のふちにそって切っていきます。
花が付いていても切る。
ただし、切って残った方の茎に葉があることを確認します。


060613d.jpg

はい、こんなにすっきりしました


060613e


切っていない方と比べると、一目瞭然。
片方は満開を楽しんでから切り戻します。


切った方には ビガーライフ を、
切っていない方にはハイポネックスを施肥。


ついでに、色んな植物に バイオゴールドバイタル を葉面散布しました。


060613f


切り戻しした花は、花瓶に挿します。
かなり長いこと咲いてますよ




2006/6/18 サフィニア


日記で紹介しただけでもすでに4鉢目。
昨夕は、この花の切り戻しをしました


サフィニア1


満開でしたが、昨日、保育参観から帰宅したら、
風に煽られ、一部の茎がしなっていました。
うちは周囲に障害物が一切ないので、
ちょっと風が吹くとまともに植物にあたります。


梅雨でなければ、肥料を与えて復活を待つ手もありますが、
今は梅雨時、ちょうどよい機会なので切り戻しです。


鉢縁にそって切っていきます。

サフィニア2


なぜ鉢縁かというと、その方が株姿の仕上がりが
よくなるからです。


矢印で示した、葉の出ている部分をひとつでも残せば、
別にどこで切っても大丈夫

サフィニア3


ただ、生育期の今、あんまり切りつめ過ぎちゃうと、
せっかくの陽光をあびる葉がなくなって光合成できなくなるので、
ある程度は葉を残した方がよいと思います。


鉢縁に沿って切ったら、あとはバランス良く全体をカット


ついでに、茎をめくって株もとをチェック。
枯れたり黄変したりしている葉を摘み取り、
落ち葉などを掃除します。

サフィニア4


切り戻しは以上で完了。
でも、ちょっとくたびれています。

サフィニア5


切ったら液肥を忘れずに
回復の早さに差が出ます。


ビガーライフ を施肥し、ついでに バイオゴールドバイタル を葉面散布しました。
きっと明朝は元気になっていますよ。。。


ほら!

サフィニア6


ちなみに上の写真は、朝、大きな葉を間引いた後です。
施肥直後に大葉を間引くと、新陳代謝に影響があるような気がするので、
少し時間をおいてからにしています。


大葉を間引くのは、株元に光が通り、風通しがよくなるため。


これでまた花を咲かせるのを待ちます
そうそう、 6/7に切り戻したサフィニア。
2~3個、花が開いています。
あと1週間もすれば充実してくるはず。。。

サフィニア7




2006/7/31 ミリオンベル二回目


今朝は、冬越し株の切り戻しを実施しました。
6/15 に引き続いて、本年二度目です。


実は1週間前くらいに、アブラムシの大群がついているのを発見。
ただ、長雨真っ最中だったため、
ニームも竹酢液も散布できませんでした。


060731a.jpg


しかし、切り戻しを予定していたので放置。
ずいぶん大きく咲いてくれたことだし、
梅雨明けしたら切り戻しとずっと考えていたのです。
ちなみに、今朝直径を測ってみたところ、
約75センチでした。


ミリオンベルひと株のサイズとしては上出来です


さあ、切り戻し開始。
まずは鉢のふちに沿って切ります。

060731b.jpg


細かい剪定は後からするので
ばしばし切ります。


上の方も、まずは適当にはさみを入れます。

060731c.jpg


この株は大株なので切ってもこんもりしていますが、
一年目の株などはもっとばっさり切ることになります。


次に、 摘芯の要領 で新芽を切っていきます。

060731d.jpg

ここで注意するのは、切って残った方の茎に
葉が一枚でもついているかどうかです。


ちなみに、上の写真に小さな白いつぶが写っています。
これ、アブラムシの一齢くらいの幼虫とか死骸とかです。
ニームを散布しているので、一齢目から脱皮できずに
おさらばしているのもたくさんいます。


ただ、花びらを中心に成虫アブラムシもたくさんいました。


060731e.jpg

摘芯が終わったら、下葉の掃除をします。
写真のように茶色くなっている葉はもちろん、
茎をめくって、もう新芽が出る見込みのない弱った枝を剪定したり、
土に落ちている枯葉を掃除したりします。


長雨でヤスデが大発生していて、
土の上にたくさんいて気持ち悪かったのですが、
今年はこの虫をイヤと言うほど見ているので
虫嫌いの私でも
我慢して手でつまんで捨てることができました。


060731f.jpg


これで切り戻しは終了。
この後、ハイポネックスを施肥し、
夜になってから バイオゴールドのニーム バイオゴールドバイタル を散布しました。


また2週間後くらいから花が咲き始め、
3週目くらいに満開、
その後、うまく行けば
今度は直径80センチ超をめざしてみます。


現在、うちで一番大きな株は、
白ブリエッタの85センチ。
しかし、ブリエッタもそろそろ切り戻しの予定です(^^)。。。


2006/8/17 サフィニア二回目


連日の猛暑と、台風による雨・風、
さらにはナメクジの被害にもあって、
くたびれ気味のサフィニア2鉢を切り戻すことにしました。


さあ、切り戻し開始!

060817a.jpg

大株になったペチュニアは、
刈り込みばさみで切ると手間がかかりません。
ざっくり切ってから、
花用の摘芯ばさみで切ります。


060817b.jpg

↑刈り込みばさみで鉢縁に沿って切りました。

庭木、生垣の刈り込みにGS庭木鋏・鋭型No.2033

ペチュニアの切り戻しに使うなら、
それほど高価なハサミでなくても
バシバシ切れるはず。。


↓切った花を片づけるとこんな感じになっています。

060817c.jpg


続いて、鉢の中の枝や花を切ります。

ガーデニング鋏 GC-3000

↑摘芯作業は、こういうハサミがやりやすいですよ。
花摘み用のものでは作業がしづらいです。


060817d.jpg

枝を手に取り軽く引っ張ると、
長い枝が見つかることがあります。
葉を残せば腋芽が出て復活するので、
さっぱりと切っていきます。


葉を残すこと、
風通しをよくすること、
株元に光が当たるようにすること、
この3つを念頭に切っていけば


切り終わったら、
枯葉を取り除き、復活の見込みのない枯れ枝や
葉も新芽もない枝を切ります。


060817e.jpg

切り戻したら液肥を与えておくのがコツです。
サフィニアにはビガーライフが一番です。
ビガーライフ以外の液肥だと、
サフィニアの場合は葉が軟弱に育つ印象があります。

ビガーライフ


液肥を与えました。

060817f.jpg

鉢底から水が溢れるまでジョーロで潅水します。
水やりが足りないと根が土の表面に浮いてきて
軟弱な株になりますよ。←経験済み


060817g.jpg

一日、日陰に置いておきます。


サフィニアの切り戻しに伴い、
今日からエントランスの主役はこの花になります。

060817h.jpg

7/31に切り戻した冬越しミリオンベル です。


すでに五分咲きを過ぎ、花をたくさん付け始めています。
たぶん、週明けにはほぼ満開。
満開後、株を大きくしながら超満開になっていくはず。。。





2006/8/25 ミリオンベル


発見したのは二日前なんですよ。
昨年、かなり手痛い被害にあった、花びらを食べる虫。
どうやらあの虫がまたついたらしいのです。

060825a.jpg

昨年、あまりに害がひどいので、
花用の殺虫剤を使ったところ、
我らの味方、ヒラタアブ(幼虫がアブラムシを食べてくれる虫)まで
たくさん退治してしまい、猛反省した経緯があります。


今年はニームを使っているのであまり害はなかったのですが、
やはり満開で花が多くなると見逃します。。。


いました
やっと今朝、ムシ君を発見

060825b.jpg


生育がいいので、あっという間に新芽を伸ばすのも
裏目に出ているんですね、きっと。
ニームは週一回のペースで散布しているのですが、
散布後に新しく出た新芽には効果は薄いのでしょう。


なんらかの対策をとらなくてはいけません。
この花は、10月満開のローテーション的に
切り戻しのタイミングが微妙なところ。
ただ、すでに超満開にしてからだいぶたつので、
今朝切り戻すことにしました。


060825c.jpg

わかりやすいようにレンガを置きました。
株張りは110センチ×90センチでした。


まず、刈り込みばさみで鉢縁にそって切ります。

060825d.jpg

庭木、生垣の刈り込みにGS庭木鋏・鋭型No.2033ざくざく切るときは刈り込みばさみ


後ろに見えるのが、切った花の山です。
いつもは切り花にするのですが、
今回はムシがついているので処分します。


続いて、鉢中の茎を剪定し、摘芯もします。

060825e.jpg

ガーデニング鋏 GC-3000摘芯作業はこういうハサミ


枯れ枝や枯葉を整理して終了。
株元に光や風が入るようするのがポイントです。

060825f.jpg


夜、ニームを葉面散布しておきます。


9月中旬に満開になるはずです。
10月いっぱいまで咲かせるのは、
ローテーション的に難しいかな?









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