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2025.04.28
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カテゴリ: イマジン
「能登半島地震で家が壊れたことが転機に」珠洲市出身、10年以上ひきこもっていた44歳の男性が見つけた人生の楽し
4/27(日)

幼いころから集団行動が苦手だった石尾大輔さん(44)は、中学3年のときいじめを受けて不眠と幻聴がひどくなり、統合失調症と診断された。大学を卒業したが就活もできず、10年以上ひきこもった。能登半島地震で珠洲市の実家が半壊し、ひきこもっていた部屋を失ったことで、人生が思いがけない方向に向かう

いじめられたトラウマのある小中学校に開設された避難所には「死んでも行きたくなかった」という石尾さん。車中泊を1週間続けていたが心身の疲労は限界。能登から逃げ出すようで後ろめたさはあったが、林さんの勧めで家族と一緒に能登を出ることに。

金沢に避難して祖母、両親、弟はアパートに住むことになったが、石尾さんは激痛の走る左足の治療のため福井県の病院に入院。骨折とわかり手術とリハビリをして、4月からシェアハウスで暮らし始めた。

「新年を祝っていたのに、何でこんなことが起こるんだ、もう神も仏もあったもんかって思いましたよ。でもね、震災のおかげと言ったら不謹慎かもしれませんが、僕の場合、震災をきっかけに、大きく人生がよくなったという部分はあるんですよ。

ひきこもる部屋が壊れてダメになったんで、選択としては出るしかなかったから。人生は何が幸いするか、わかんないです」

もし、地震で家が壊れていなかったらと聞くと、石尾さんは「今も家にいました。100パーセント、いましたね」と即答する。

石尾さんはシェアハウス2階の6畳間で生活をしながら、林さんが営む便利屋で働いている。最初の仕事は、掃除だった。



それに給料ももらえて、自分の好きな本とか骨とう品も買えるし。“物欲”って、よくないことのように言う人もいますが、僕は好きな物で満たされたいという欲があるから頑張れる。それが働く原動力にもなっています」

林さんによると、ゴミ屋敷の清掃の依頼が多いが、シェアハウスの住人や卒業生に声をかけても嫌がる人が多い。それなのに石尾さんは喜んで行ってくれるので助かっているという。石尾さんに理由を聞くと、こともなげに答える。

「もともと物がいっぱいで汚ねえ部屋に住んでたんで、免疫がついちゃった(笑)。人によっちゃ、ゴミ屋敷の臭いだけで吐きそうになるけど、僕はそれがないんで。ほんとにね、何が幸いするかわからない。もしかしたら、人生の楽しさって、そういうことかもしれないですよね」

石尾さんは初めて稼いだお金で、祖母に松前漬け、父親にウイスキーをプレゼントして、母親には少しお金を渡したという。

「そういうことは一生できないと思われていたんで、みんな喜んでましたね。両親が生きている間に家から出て、なんとか自立して生活する姿を見せられたのがよかった。お金を稼げるようになったことよりも、そっちの方が僕の中では大きいです。

地震で亡くなった方もいるので、自分だけこんなに幸せでいいのかなと思うくらい、幸せですよ。林さんがいなかったら、今の人生はなかったです。ほんと感謝しかないです」

昔の石尾さんを知る人に言わせると、ひきこもっていたころは話し方もたどたどしかったそうだ。15歳で統合失調症と診断されて以来、不眠や「謎の倦怠感」に長い間苦しんできたが、今は元気そうだし話もとてもスムーズだ。

どのようにして回復したのかと聞くと、2、3年前に症状が劇的に改善したのだという。

それまで石尾さんは金沢の病院の精神科に通院していたのだが、遠くて通うのが大変なこともあり、地元の珠洲市の病院で診てもらった。そこで心理テストを受けると、こう言われた。

「あなたは統合失調症よりも、 発達障害のASD(自閉スペクトラム症) の方が強く出てますね」



「まだ若い先生だけど腕がすごくよかったんですね。それまでは規定量の薬を飲んでも眠れなかったのに、今は飲んだ直後に眠れるし。たまたま病院を替わって、いい先生に巡り合えたのは運が良かったんです。繰り返すようですが、人生は何が幸いするか、ほんとわからないですね」

また、発達障害だと診断されたことで、気持ちにも変化があった。

「僕の部屋を見ていただくとわかると思うんですが、やたらこだわりが強くて、自分の好きなものを、バーッて集める癖があって。お金に余裕がなくても買っちゃうから、マヨネーズご飯をよく食べています(笑)。

それに、 人がカチンとするようなことをパッと言っちゃう 。悪気もないし陥れようという気持ちもないのに、 相手を怒らせちゃう。大学時代に『そういう言い方はよくない』と教えてくれる友だちができたんで、失敗を重ねて

こだわりの強さも人を怒らせちゃうのも、わざとじゃなかったんだと医学的に証明 されてホッとしました。 それまではなんかやらかすたびに、何でこんなことをするんだと自分を責めていた んで」

当時はまだ発達障害という言葉すら知られていなかったが、小中学校でいじめられたのも発達障害の特性が関係していたのかもしれない。「謎の倦怠感」も、それまで処方されていた薬が合わなかった可能性がある。石尾さんもそれを十分わかった上で、前を向こうとしているのだ。



僕だって、普通に就職して、結婚して、子どもを持ちたかった。でも、それはできない代わりに、自分の体験を社会に伝えることで、自分を保てる部分があるんです。話すことで一番救われているのは僕自身なんです


石尾さんがシェアハウスで暮らし始めて1年経った。「今の生活は楽しいし、ずっとここで頑張りたい」と言うほど馴染んでいるが、今でもたまに能登の夢を見るそうだ。

夢の中ではみんな笑顔で、自然豊かで平穏な田舎の風景がどこまでも広がっている。家もインフラも壊れたままで集落の再建は難しいが、「やっぱり人生の最後は珠洲で迎えたい」と故郷に思いをはせている。





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最終更新日  2025.04.28 07:17:43


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