日本国憲法第9条、第三章の基本的人権を生活に活かそう

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2009年08月09日
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カテゴリ: 詩






 戦後64回目の8月を迎えて、日本国憲法第9条があったから日本は新たな戦争に参加せずに済んできたこと、9条が変えられたら大変なことに鳴ると吉永さんは冒頭に語っていました。
 今日は、3人の詩人の紹介と朗読がありました。

 最初は、ハンセン病で療養所に隔離された塔和子さん、そして原爆詩人といわれた峠三吉さんと原民喜さんの詩の朗読でした。

 塔和子さんの希望から涙

 グノーのアベマリアの調べに乗って、

 グノーのアベマリアを、バックに小百合さんの朗読が続く。
 峠三吉さんの

 としとったお母さん

逝(い)ってはいけない

このままいってはいけない

風にぎいぎいゆれる母子寮のかたすみ
四畳半のがらんどうの部屋
みかん箱の仏壇のまえ
たるんだ皮と筋だけの体をよこたえ
おもすぎるせんべい布団のなかで
終日なにか
呟(つぶや)いているお母さん

うそ寒い日が
西の方、己斐(こい)の山からやって来て
窓硝子にたまったくれがたの埃をうかし

しろい髪毛をかすかに光らせる

この冬近いあかるみのなか
あなたはまた
かわいい息子と嫁と
孫との乾いた面輪(おもわ)をこちらに向かせ

仏壇のいろあせた写真が
かすかにひわって
ほほえんで

きのう会社のひとが
ちょうどあなたの
息子の席があったあたりから
金冠のついた前歯を掘り出したと
もって来た
お嫁さんと坊やとは
なんでも土橋のあたりで
隣組の人たちとみんな全身やけどして
ちかくの天満川(てんまがわ)へ這い降り
つぎつぎ水に流されてしまったそうな
あの照りつけるまいにちを
杖ついたあなたの手をひき
さがし歩いた影のないひろしま
瓦の山をこえ崩れた橋をつたい
西から東、南から北
死人を集めていたという噂の四つ角から
町はずれの寺や学校
ちいさな島の収容所まで
半ばやぶれた負傷者名簿をめくり
呻きつづけるひとたちのあいだを
のぞいてたずね廻り
ほんに七日め
ふときいた山奥の村の病院へむけて
また焼跡をよこぎっていたとき
いままで
頑固なほど気丈だったあなたが
根もとだけになった電柱が
ぶすぶすくすぶっているそばで
急にしゃがみこんだまま
「ああもうええ
もうたくさんじゃ
どうしてわしらあこのような
つらいめにあわにゃぁならんのか」
おいおい声をあげて
泣きだし
灰のなかに傘が倒れて
ちいさな埃がたって
ばかみたいな青い空に
なんにも
なんにもなく
ひと筋しろい煙だけが
ながながとあがっていたが……

若いとき亭主に死なれ
さいほう、洗いはり
よなきうどん屋までして育てたひとり息子
大学を出て胸の病気の五、六年
やっとなおって嫁をもらい
孫をつくって半年め
八月六日のあの朝に
いつものように笑って出かけ
嫁は孫をおんぶして
疎開作業につれ出され
そのまんま
かえってこない
あなたひとりを家にのこして
かえって来なかった三人

ああお母さん
としとったお母さん
このまま逝ってはいけない
焼跡をさがし歩いた疲れからか
のこった毒気にあてられたのか
だるがって
やがて寝ついて
いまはじぶんの呟くことばも
はっきり分らぬお母さん

かなしみならぬあなたの悲しみ
うらみともないあなたの恨みは
あの戦争でみよりをなくした
みんなの人の思いとつながり
二度とこんな目を
人の世におこさせぬちからとなるんだ

その呟き
その涙のあとを
ひからびた肋(あばら)にだけつづりながら
このまま逝ってしまってはいけない
いってしまっては
いけない

原民喜さんの詩2編

絶筆 広島城址の近くに友人達が建てた石碑があり、そこに刻まれた詩


故原民喜

原爆小景から

原爆小景
原民喜


  コレガ人間ナノデス

コレガ人間ナノデス
原子爆弾ニ依ル変化ヲゴラン下サイ
肉体ガ恐ロシク膨脹シ
男モ女モスベテ一ツノ型ニカヘル
オオ ソノ真黒焦ゲノ滅茶苦茶ノ
爛レタ顔ノムクンダ唇カラ洩レテ来ル声ハ
「助ケテ下サイ」
ト カ細イ 静カナ言葉
コレガ コレガ人間ナノデス
人間ノ顔ナノデス


原民喜 絶筆

遠き日の石に刻み
砂影おち
崩れ墜つ
天地のまなか
一輪の花の幻


 ハンセン病は感染力が強い言われなき差別で隔離され、戦争中もずっと隔離され続けた。峠三吉さんは、病院の手術台の上で亡くなっている。又原民喜さんは、原爆で奪われなかった命を、第9条を手にして喜んだのもつかの間、朝鮮戦争の勃発で自ら命を絶ってしまわれた。
 戦争の根絶、核兵器の廃絶、人類共通の認識になり、平和が訪れますように。






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Last updated  2009年11月03日 03時17分25秒
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