気になる作家   か行 

気になる作家 か行 


 川端康成

 「雪国」「みずうみ」「山の音」「花のワルツ」「掌の小説」「片腕」

 なぜか中学時代、はまっていた。少女の美しさというのも描かれていて、あこがれたのか。人間についてどろどろ考えさせられる…というのではなく、美しいものが淡々と描かれていく。私なんかはシャットアウトなんだけれど。幻想的ではかなげで官能的な作品も多い。


北川悦吏子 

 「恋につける薬」「恋愛道」「ボーイフレンド」

シンプルなラブストーリーよりはミステリアスでひねったドラマのほうが、好きな私。この人のドラマはほとんど見たことがない。また、かわいくて、かしこくて学生時代ちやほやされたタイプの人らしい。同世代だけにコンプレックスありの私はちょっと苦手なタイプ。
 しかし、この人のエッセイはやはりおもしろい。恋に生きてきた青春の日々をベースにいつもどきどきする心や恋愛のエネルギーを普通の女の子の感覚でつづるので、すらすら読めてしまう。
 そして、恋愛をよくある、どこにでもある恋愛というスタンスでとらえるのでなく、そのかけがえのない関係を書いていきたいという原点は目を覚ましてくれる。


岸本葉子

「なまいき始め」「30過ぎたら楽しくなった!」「女は生きる ひとのためならず」

 才色兼備なのに、気どりや自己陶酔がなく、さっぱり・淡々・おっとりとした雰囲気でエッセイは書かれている。内容も平凡と思うくらいの普遍的な若い女性から、中年?にかけての自分の生活過程に基づいたいろんな思いを描いている。一人暮らし、恋愛、結婚、趣味、仕事、家族、友達、旅行…など、およそ女性なら思いをはせる物事について素朴な観点でわかりやすくかかれているのですらすら読めてしまう。


 桐生夏生

「柔らかな頬」「OUT」「ジオラマ」「錆びる心」

 乾いた筆致で寂寥感ある現実と幻想か真実か何かをオーバーラップさせながら、
独自の世界に導いてくれる。日常を逸脱しているようなのに、妙に納得させられる。しかし、「柔らかな頬」はとてもよかったが、「OUT」にはがっかりだった。


 小池真理子 

  「水の翼」「柩の中の猫」「蔵の中」「律子慕情」「危険な食卓」「水無月の墓」「ディオニシモ」「生きがい」「彼なりの美学」

 読み始めたのは数年ほど前からか。まだ読んでいない作品も多いが、なぜ出会いが遅かったんだろうと不思議なくらい私にとって魅力的な作品が多い。「知的悪女のすすめ」というタイトルに軽いはやりのエッセイかと思い込んで読んでいなかった。
 静謐で緊迫感あふれる文体で恋愛、人間関係、人間の不思議さ、業などミステリアスに描く。 
 この人の青春時代、学生運動華やかなりし頃が底流になっている作品や三島由紀夫の影響を受けたと思われる作品も多い。
 しかし、私が感動してとりこになったのは、短編の逸品である。
「ディオニシモ」「生きがい」「彼なりの美学」「水無月の墓」など小学生にでも読める簡潔な表現の短い文章で、生や死、かなしみなど人間の原点を浮き彫りにして、からだにじかに響いてくるような衝撃を与えられる。


香山リカなど準備中



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