旧い映画を楽しむ。なでしこの棲家

旧い映画を楽しむ。なでしこの棲家

≪裸の町≫




ドキュメンタリータッチで作られた元祖 捜査もの作品.

物忘れが激しくなったおとうさん、おかあさん
この名作を思い出してくださあ‐い!

主役といえばあの”我が道を往く”の老神父を演じた
名優、バリー.フィッツジェラルドを配す他は
殆どノースターという映画である。

オープニングとクロージングが、同じニューヨークの街角という
構成も印象的であった。その後このスタイルはよく使われた。

ウイリアムスバーグの塔のてっぺんに追い詰められる凶悪犯.
目の前には摩天楼の景観が広がり、のどかで何事もないように
テニスコートでプレイを楽しむ人たち。
追われる者のあせりと孤独を感傷抜きで淡々と描いた
画像として映画史上最も有名なラストシーンのひとつを
持つドキュメンタリースタイルの犯罪映画の傑作である。

映画の殆ど、、全編といっていいほどロケーションで撮っている。
映画がセットではなく町に、街頭に、出た記念碑的な
作品なのである。
後にテレビシリーズになるほどであった。
ポリスアクションの走りであるが、
元祖はちょっと違う。
ドラマとして、良き時代に入るアメリカの情緒をも描くという
面を残しているからだ。

ただのポリスアクションではなく、この時代の
ニューヨークの生活と風景が生きているのだ。
映像のお仕事をなさる方の教本でしょうね.
実際、頃沢明監督の≪野良犬≫ではこの作品から
発想を得たと言われているのである。

フイッツジェラルドがいい!
当時の大人達は(私の父など)こぞってフイッツジェラルドは
スペンサー.トレーシーと並んで好んだ俳優である。
今観ても充分フアンを掴む要素があるし、わたしなどは
ずっとフアンである。
≪我が道を往く≫での老神父など、彼ならではの
役どころで大好きな作品でもあります。

この二人に加えてモーリス.シェバリエ(昼下がりの情事の
ガブリエルの父親役といえばお分かりかな?)
のダイフアンである。
日本の笠 智衆にお三人とも重なる役者である。

だから、笠さんにもこういう地道な刑事の役で
一本撮って頂きたかったと思うのであります。
若い刑事はドン.テイラーという役者.
この人はヒッチコックの”疑惑の影”で若い新聞記者を
演じていましたね。

この当時にもう”デイスク.ジョッキーつまり、DJが
活躍していたこと、
盲導犬の存在などまだまだ日本では縁のない世界が
溢れていた映画でした.

捜査ものとして、ベスト30のなかには入る傑作である。
ビデオで観れないにしてもいつかケーブルテレビなどで
映すかもしれない.
その時にはご覧になってほしい作品です。
映画のなんたるかを教えてくれます.

製作  米 1948年度
監督  ジュール.ダッシン
出演  バリー.フイッツジェラルド/ドン.テイラー


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