2006年6月のカルテ


 ふむ。その通り。私も整体師の一人としては非常に興味深く読みました。
ただし、誰にでもねじれを治せる、と言うものではありません。
それは、理解してください。
 え~と、自己宣伝。私なら、治せます!




  金閣寺 三島由紀夫 新潮文庫

 新潮文庫100冊に挑戦中の記念すべき99冊目。
あ、これは感想にはなりませんか。。。
 まず、内容がどこの教科書にも書いてある事から、「読んだつもり」になっている人が多いのも、この本の特徴でしょう。
 真剣に読むと、凄い内容です。
 生来の「どもり」を抱える青年僧が求める究極の美。それを形象化したのが金閣寺という幻想に近い実存する建築物。
その描写が物凄い。鳥肌が立つほどの文章だ。一部引用しよう。金閣の屋根の頂に配されている鳳凰の描写

===原文より=== 

 わたしはまた、その屋根の頂きに、永い歳月を風雨にさらされてきた金銅の鳳凰を思った。この神秘的な金いろの鳥は、時もつくらず、羽ばたきもせず、自分が鳥であることをわすれてしまっているにちがいなかった。しかしそれが飛ばないようにみえるのはまちがいだ。ほかの鳥が空間を飛ぶのに、この金の鳳凰はかがやく翼をあげて、永遠に、時間の中を飛んでいるのだ。時間がその翼を打つ。翼を打って、後方に流れてゆく。飛んでいるためには、鳳凰はただ不動の姿勢で、眼(まなこ)を怒らせ、翼を高くかかげ、尾羽根をひるがえし、いかましい金いろの双の脚を、しっかと踏んばっていればよかったのだ。

===原文のまま===

どうです!鳳凰を描写するのにこれほどの表現力です。これほどの究極の「美」がありましょうか?
昭和の年号と同じ満年齢の三島氏は、この小説の中に自分の生きてきた時代背景も多く書いています。アプレゲールの代表とされた山崎晃嗣(光クラブ社長・これ以前にに「青の時代」という小説の主人公としても書いている)が出てきたり、食糧事情の悪さなど、正に戦前、戦中を生きた青年は三島氏自身のはずであります。











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