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2004.03.12
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カテゴリ: 建築・インテリア
旧岩崎邸探検隊
(やっぱり続いちゃいました)

前回のステンドの勝手口?を横目に曲がると
この様な長い渡り廊下が目の前に現れます
おぉ!突然の日本人スケールってな感じで天井に手が届きそうです


真ん中が高くなっているのを舟底天井といい
写真では縦方向に同ピッチで通っている細い材を竿縁
そして屋根の頂点には、6間(11mぐらい)以上もある一本ものの立派な棟木
そして横には岩崎家の家紋(三階菱)をデザインに取り入れた太い梁



そしてこの廊下にぶつかります
書院造りなので、周りを回廊のような廊下と縁側で囲まれています
写真の右側が広間、左側が外になります
こちらはフラットな天井で柾天井
フローリングのように柾目の細長い板を貼る天井
ってそうはいっても1枚の長さが10m以上あるわけですが・・・

昔の日本家屋は襖や障子を開くと外と中が1体になるんですよね
自然を取り入れる面白い方法です

さて、和館は書院造りを基調にし、完成当時は建坪で550坪
洋館を遥かにしのぐ規模だったそうですが
今残っているのは広間と2つの次の間(現在は茶屋?として使ってる)の3部屋

床の畳もゆがんじゃってるし・・・


書院独特の長押(なげし)「鴨居の上に通っている材」は20畳の広間から
18畳の次の間まで、通しで1本もの
おいおい長押は飾りのハズなのに・・・

欄間?にも三階菱の穴が開いてますね
そして、豪華なダブルの床の間 もうなんだかよくわかりません(笑)


付書院(つけしょいん)のアップ
ようは、飾り付きの勉強机ですね
明かり取りの障子が綺麗ですね もちろん三階菱
柱に付いている黒いのが釘隠し
釘の頭を隠す装飾ですが、もちろんこれも三階菱(笑)

さて、広間の外に出るとおばちゃんが
「お茶いかがですかぁ お菓子もありますよぉ」なんて呼び込んでいる
覗くと次の間を茶屋代わりにしているようだが誰もいない(笑)
「お茶とお菓子で500円!」どうしよう?と考えたものの
襖が取り外され、自然と同化した北風吹き抜ける中
見学者へ縁側からも廊下側からも覗かれ
動くディスプレイにされちゃうので却下!
なにより寒いって!
しばらく経っても誰も飲んでませんでした(笑)


これが濡れ縁?と突っ込みたくなるほどの幅
とは言いつつも今までのアウトスケールから考えればこれでも狭いのか?
軒は・・・出てますねぇ なんなんでしょ!
今時の住宅じゃ考えられませんね
こんなに出せるなら部屋にしてるって

そうそう!それより絶対 建物傾いてる(笑)

さて、やっと庭園へ出るわけですが
長いのであと一回続いちゃいます(笑)
ごめんなさい
次回最後にします

追加です


これが襖の引手 三階菱のデザインです
(僕には松皮菱としか見えないのですが、まぁ説明にはそうなってます)
岩崎邸は明治の書院建築なので比較的シンプルでモダンになってますが
昔の日本の建築では、こういう場所にこだわりました
鉄の鋳物、銅板を打ち出して燻したもの、真鍮
中には七宝を施した物まで(名古屋城が有名かな)

-書院造り-
室町時代に僧侶や公家の間で流行った建築様式
手紙を書いたり、本を読んだりする机(書院)があり
当時は電気がないので、目の前は障子で明かりを取る
8畳から18畳ほどの畳敷の部屋を2、3室一列に並べ
周囲に入側縁(濡れ縁と座敷の間の縁)を巡らす
(岩崎邸の場合は回廊のような廊下)

部屋のあいだの間仕切の上部には欄間を用いることが多い
(岩崎邸の場合は三階菱の穴が開いていた)

回廊のような入側縁は人が来たことを知り
急いで勉強してた振りをするための
時間稼ぎと推測(笑)
信じないでください・・・
あぁ、だからお坊さんに人気が(笑)

※掲載した写真は個人的に撮影したものです
個人使用に限り、メールで問い合わせて頂ければ
1280×960のオリジナル画像を送りますので
無断での転載、転用はお止めください
Copyright 2004 nagoo design factory
All right reserved.

nagoo 本館
http://www1.odn.ne.jp/nagoo/index.html






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Last updated  2004.03.13 23:03:58
コメント(17) | コメントを書く


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Re:明治の洋館-旧岩崎邸探険記-その5(03/12  
anne03 さん
 おお、こういう違い棚(だっけ)つきの床の間、付書院、昔住んでいた実家にありました~。めっちゃ掃除が大変だったらしい~。(掃除したことがない私)そもそも畳ってヤツもヤワだしね。
 だから早くから「まんしょん」「ようま」というものに住みたかった。鉄の扉、堅い建物。安心して住んでいられるような気がする。
 今でこそ、ジャパネスクが好き、住みたい、などとたわ言を言ってますが、メンテをしてくれる使用人がいるのが必須条件かなあ。(爆) (2004.03.13 14:34:47)

Re[1]:明治の洋館-旧岩崎邸探険記-その5(03/12  
nagoo  さん
anne03さんへ
>こういう違い棚(だっけ)つきの床の間、付書院、昔住んでいた実家にありました
おぉ!こちらにもお嬢様が・・・(姫か?)

>早くから「まんしょん」「ようま」というものに住みたかった。鉄の扉、堅い建物。安心して住んでいられるような気がする。
そのような建物にしか住んだこと無い僕としては
2階が欲しい(笑)畳に寝ころんでもみたい!
ぼっとん便所?もしてみたい!
>使用人がいるのが必須条件かなあ
適任が3人+1人いるじゃないですか(笑)
家なんて料理するのが面倒だからと
2才から包丁持たされたし・・・

古い家屋は掃除もだけど、修復(維持)も大変 (2004.03.13 16:27:05)

Re:追加-明治の洋館-旧岩崎邸探険記-その5(03/12)  
nagooさん、こんにちわ。これが最後の岩崎邸と思うと少し残念ですが、色々楽しませて頂き有難う御座いました。和館の方は本当に純粋な和風なのですね。やよいっちのお母さんの実家に付書院や濡れ縁や大きな軒があり、中庭には鯉が泳いでいたのをのを思い出し、昔の人は優雅だったんだな、とつくづく関心させられました。それに、襖や障子を開くと外と中が一体になって、自然をうまく取り入れていたのだと言う文章を読み、改めて日本の良さを感じました。春になるとやよいっちは良く京都へ行き、仁和寺の濡れ縁の角に陣取って、春風に吹かれながらお庭を堪能するのが、至福の時なのですが、まさに、岩崎邸のあの縁側そのもの。良いものを解説付きで見させて頂き本当に有難う御座いました。~やよいっち~(へ へ) (2004.03.13 17:19:04)

Re:追加-明治の洋館-旧岩崎邸探険記-その5(03/12)  
案内図で見ると洋館と和館がつながっているのですが
わたり廊下になっているんですか。
間取りのわかる平面図があるといいのですが…。
細かい障子の桟、美しいですね。
次回の庭園、楽しみにしています。

写真撮影OKだったんですね。
旧古河庭園の洋館の内部は撮影禁止だそうですが、
行ったことあります?
この春、是非どちらかに行ってみたいです。
(2004.03.13 22:32:41)

Re[1]:追加-明治の洋館-旧岩崎邸探険記-その5(03/12)  
nagoo  さん
やよいっち841さんへ
ごめんなさいねまだ続いちゃいます(笑)
>お母さんの実家に付書院や濡れ縁や大きな軒があり、中庭には鯉が泳いでいた
どうりで網代に馴染みがあるはずだ!
今時の人に網代って言ってもわからないですよ
(そもそも読めないだろうし?)
>仁和寺の濡れ縁の角に陣取って、春風に吹かれながらお庭を堪能するのが、至福の時
贅沢ですねぇ!
とっても寒い日だったので堪能なんてとてもとても(笑)
現在だと純和風建築は贅沢だけど昔は普通だったんですよね
(鯉は別だけど・・・) (2004.03.13 23:10:08)

旧岩崎邸探険記-その5(03/12)  
mio30t  さん
やっぱりいかす。

お茶屋(?)に寄ればよかったのに(笑
私ならお茶飲むな、きっと。
鳥肌たてながら。

ダブル床の間…(笑 }d・u・b (2004.03.13 23:24:48)

Re:追加-明治の洋館-旧岩崎邸探険記-その5(03/12)  
あのう、nagooさん、ウチの探検もしてください(笑)
いや、まじで。依頼したいぐらいです。
だって、家族は建築やってないから、誰も価値が分からないんだもん~。
鴨居がすごいらしいとか、雨戸が引き戸じゃなくて、
上下なのがすごいらしいとか、その程度……
県の美術館の人が来たんだけど、資料にしてくれないからちんぷんかんぷんのまま。。。
専門家に来て教えて貰いたいんですよね~ほんとに。

あ、あと、雨戸の木の節穴からピンホールで障子に写った影が見えるのはキレイですよ☆
   (2004.03.13 23:30:29)

Re[1]:追加-明治の洋館-旧岩崎邸探険記-その5(03/12)  
nagoo  さん
くるくるよ~こさんへ
>案内図で見ると洋館と和館がつながっているのですがわたり廊下になっているんですか
ここら辺は説明が難しいのですが
離れではなく建物内にたぶん昔は中庭に面して(渡り)廊下を通り入側縁に出る感じだったんだと思います
>間取りのわかる平面図があるといいのですが
僕も当時のオリジナルで平面図が欲しいです
>旧古河庭園の洋館の内部は撮影禁止?
行ったこと無いんですよ
でもこのページをみるとわかりますが
http://www.tokyo-park.or.jp/kouen/park.cgi?id=17
建物内は事前登録で予約しないとダメなようです
全館、撮影禁止と聞いております
コンドルの他の建築とはちょっとタイプが違い
かなり和洋折衷になっちゃってますね
(カントリーハウスみたい)
デ・ラランデ邸(三島邸)が江戸東京たてもの園
http://www.edo-tokyo-museum.or.jp/tatemono/tatemono.htm
に移築すると数年前聞いた
建物は無くなったのに移築されてない・・・
部材はどこへ??? (2004.03.13 23:44:50)

Re[1]:追加-明治の洋館-旧岩崎邸探険記-その5(03/12)  
nagoo  さん
xxx ショウ xxxさんへ
>あのう、ウチの探検もしてください
>家族は建築やってないから、誰も価値が分からないんだもん~。
価値は僕もわからない(笑)
おっ!コレ綺麗!おっ!いい感じ・・・なんて言ってるだけだもん(笑)
>鴨居がすごいらしいとか、雨戸が引き戸じゃなくて、上下なのがすごいらしいとか
鴨居に洗濯物が掛けられるとか?
雨戸は・・・上下って事は開けても上半分は暗いまま(笑)
まさか戸1枚分上にあがるとか・・・すげぇ!今度は2階が暗くなる(笑)
>県の美術館の人が来たんだけど、資料にしてくれないからちんぷんかんぷんのまま。。。
維持ってどうなってるんですか?普通は細かくチェックして保存しなきゃいけないし、実測して図面にするんですけどね

>雨戸の木の節穴からピンホールで障子に写った影が見えるのはキレイですよ☆
それはまるで二笑亭(笑)
http://plaza.rakuten.co.jp/nagoo/diary/2003-10-24/ (2004.03.14 00:08:47)

Re:追加-明治の洋館-旧岩崎邸探険記-その5(03/12)  
gakebuti  さん
鴨居って飾りだったんですかー!

…いらねぇ(笑)
少なくとも鉄筋コンクリートのマンションの洋室には。何のためにあるのか疑問だったんですが、和室→洋室のリフォーム跡なのね。

状態がよくないというのはやはり洋館に比べて珍しくないから? (2004.03.14 02:35:52)

Re[1]:追加-明治の洋館-旧岩崎邸探険記-その5(03/12)  
nagoo  さん
gakebutiさんへ
>鴨居って飾りだったんですかー!
いやいや、ちゃんと読んでね(笑)
長押(なげし)ってのが飾りです
鴨居はミゾ掘って敷居と一緒に襖や障子を挟んでますよね
無くなっちゃうと襖が倒れてくる(笑)
その鴨居の上に乗っている材が長押
鉄筋コンクリート(RC)のマンションの洋室には無いと思う・・・
あったらほんとに洗濯干し(笑)
RCの場合は単純に穴開けてサッシの建具をはめるだけ
もし、横に木の材が通っているならそういう装飾でしょうね
>状態がよくないというのはやはり洋館に比べて珍しくないから?
多分そうでしょうね
日本は建物の保存も維持もしないから
ダメになっちゃう家も多いです
(でも、壊すか残すかは難しい問題) (2004.03.14 11:42:46)

Re:追加-明治の洋館-旧岩崎邸探険記-その5(03/12)  
ウニママ  さん
「旧岩崎邸探検記」毎回興味深く拝見しました。流石財閥邸スケールの大きさだけでなく、センスのいいここかしこのこだわりはため息が出るだけです。欄間や書院の障子の細工、襖の取っ手、階段手すりの曲木と彫刻、ステンドグラス・・・・。いつか訪れて見たいと思います。 (2004.03.14 12:27:59)

Re[2]:追加-明治の洋館-旧岩崎邸探険記-その5(03/12)  
gakebuti  さん
あうっ!
長押のつもりで鴨居っていっちゃった。
…しょぼーん。 (2004.03.14 14:47:28)

Re:明治の洋館-旧岩崎邸探険記-その5(03/12)  
Saki  さん
渡り廊下の天井、素晴らしい~!!!!
三階菱のデザインの梁、好きだな~、
船底、さおぶちもよい感じ。たまりません。

フラットな天井板は、10メートルもある材なの?
どこかで、継いであるのではなく?
すごいな…。どうやって運んだんだろ。

ダブルの床の間って…。
両方とも違い棚だし、なんだかすごいね。

書院の組子の三階菱はわかるにしても、
なにもかも三階菱をモチーフにして、凝ってるな。
私的には、洋館より和館の方が好きかな。
実際見てみないとわから無いけれど…。

でも和館の扱いが酷いのね…。これから修復予定とかないのかな。もったいないな。 (2004.03.14 22:45:51)

Re[1]:追加-明治の洋館-旧岩崎邸探険記-その5(03/12)  
nagoo  さん
ウニママさんへ
>流石財閥邸スケールの大きさだけでなく、センスのいいここかしこのこだわりはため息が出るだけです
もっと ため息でる情報!
高輪に開東閣
世田谷に静嘉堂文庫(自分の美術品を収めるための建物)+玉川廟(お墓と祭場)
建物は焼失しましたが清澄庭園もみんな岩崎家(笑)
あっ!もちろん熱海や長崎の別荘
岩手の小岩井農場の聴禽荘もです

>いつか訪れて見たいと思います。
入園料?が値上がったりしましたが、その分見れる場所も増えたので
春のお散歩におすすめですよ!
(目黒の庭園美術館もね) (2004.03.15 00:08:00)

Re[3]:追加-明治の洋館-旧岩崎邸探険記-その5(03/12)  
nagoo  さん
gakebutiさん
>長押のつもりで鴨居っていっちゃった。
ははは(笑)
いや、でも日本家屋のパーツの名前は難しいです
書院造りには「真」「行」「草」と3タイプあって
「草」に近づくほど簡素でわび・さびを表現するようになり
だんだん「数寄屋」に変化していったらしい
でも、建築史よくわかんない(笑) (2004.03.15 00:16:21)

Re[1]:明治の洋館-旧岩崎邸探険記-その5(03/12)  
nagoo  さん
Sakiさんへ
>フラットな天井板は、10mもある材なの?どこかで、継いであるのではなく?
1枚ものです(幅は半尺ぐらいかな)
>すごいな…。どうやって運んだんだろ。
お金の力で(笑)
いや、sakiさんぐらいですよね
10mの1本モノ木材がゴロゴロ使われてて、大変なこととわかるのは・・・
>なにもかも三階菱をモチーフにして、凝ってるな。
なんとなく感じたんですが、追加に書いたように
三階菱じゃなくて松皮菱だと思う(笑)

>これから修復予定とかないのかな
今残ってる部分は修復するでしょうね
重文なので維持しないといけないから
でも、壊された建物の方が多いんです
(最後のまとめに書きますね) (2004.03.15 00:25:42)

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