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なかちゃん@那覇の日々のくすりばこ
仕事を通じて、いつも考えること
僕が社会人になって、今年の4月でいよいよ11年目に突入した。そのうち、「薬剤師」の肩書きで仕事をして10年目であるが、本当の意味で薬剤師の免許を使って仕事をしているのは、ここ3年くらいだと思う。毎日毎日がいろんな事の連続で、本当に「一歩立ち止まって考える事を許さない」職場だと思う。そんな中で、病棟や窓口などで、患者様と接する時、いろんな事を考えさせられる。このページでは、なかちゃん@那覇の「薬剤師」としての一面から、ふだん考えることを、今までの体験からまとめてみたい。その中から、なかちゃん@那覇のもう一つの一面を見ることができたら、これ幸いである。
1.患者の教育、必要でしょ!
投薬窓口でいつも思うのだが、自分の引き換え番号がまだ来ていないにもかかわらず、「早くお薬ちょうだい」という患者がいる。のっぴきならない理由(例えば、飛行機の出発時刻が迫っているとか)なら、なるべくは早く調剤&鑑査して、渡すようにしている。中には、理由を聞くと、「とにかく急いでるの!早く!!」などという人もいる。そういう人に限って、厄介な調剤が多い。この場合には、時間がかかる旨を説明する。たいがいの場合には納得してくれるが、中にはとてもワガママな患者もいる。そういう場合には、これだけ時間がかかったんだという証拠を見せることにしている。そこまでやらないと分からない患者さんもいるかと思うと、ちょっとブルーになることもある。もっとも、このような患者様は他の部分でも「問題あり」な場合が多い。もう少し、病院をあげて患者様の教育をやる機会があってもいいと思うなぁ。
2.看護師、いや医療従事者の社会的常識って?
これは何も、看護師だけを攻撃しているのではない。一般の社会人にも当然当てはまるのだが、特に「いのち」に関わる仕事をお互いしているからこそ、あえて自分への戒めもこめて…。
病棟から電話やインターホンを通じて、薬剤請求をしてくるのはいい。問題は、その相手方が部署を名乗らない時だ。僕も2回目までは我慢していたが、3回目の時、たまらず「そういう社会的な常識がない人は、看護やる資格がない」と言って、看護師を泣かしたことがある。翌日、そこの看護師長が怒鳴り込んできたが、その顛末を話したとたん、とってもバツの悪そうな顔で病棟に戻っていった。それから1週間後、看護部全員を対象にした「接遇教育」が始まった時には、もうおかしいやら複雑やら…。でも、新人ならまだしも、中堅クラスでそれをやられると、考えてしまう。それが、すべての部署でこういう傾向だと、ますます頭が痛い。電話取ったとき、応対する時、「はい、○○の××です」と言う事が、そんなにめんどくさいの?
3.研修医の教育に、薬剤師はどこまでかかわれるか?
どの医療機関でもそうだと思うが、研修医の教育については神経を使うケースがほとんどだと思う。特に僕の職場では、曲がりなりにも充実度の高いオーダリング・システム(カルテの管理はもとより、検査・処方・注射などをすべてコンピュータによる管理システム)を採用している。薬局の薬剤師も、処方ミスを未然に防ぐための入力方法の改善や、採用した医薬品を番号やコードをつけることによって、管理に寄与している。そのため、入力でエラー画面が出たりすると、それに対する苦情の大半は、薬局の方にきてしまう。PC画面の扱いとはいえ、カルテをいじることは基本的に医師しか許されていないはずだから、指導医の方でも、時間を取ってオーダリング・システムについて学ぶ時間を作って欲しいよ、と思う。そうすれば、薬剤師は病院で採用されている薬剤の特性などを説明できる時間が取れるのによ、と思ってしまう。
4.病院って、病気を治すための場所でしょ?
一口に病院といっても、いろんな病院がある。政治活動しているところもあれば、宗教絡みのところもあったり…。建前は「個人の主義・主張には関与しない」ってなっていても、実際には「その活動のための、年休取ってでも…」というような、理不尽極まりないことをいう職員(特に管理部門)もいる。僕も言われた口だけど、自分が納得しない限りは、絶対に首を突っ込まないようにしている。それがあるからか、患者様と同じ視点で接しようと思えば思うほど、「これおかしい!」って思うことも出てくる。患者の立場に立って医療をしようとするならば、病院やいろいろな施設のリニューアルをするための増資の呼びかけなんて、できやしないと今でも思う。患者の側から言わない限りは、僕は呼びかけしないことにしている。今の職場の患者様を現場で見ていると、自分から呼びかけることはまだまだ躊躇してしまう。お金ふんだくるようなこと、できないよ!こう思ってるのって、僕だけかな?
5.「お金払えないから、薬代えてくれ!」
これは実際にあったことだ。高血圧の患者様が、症状が好転しないため、ある薬剤(仮にAとする)から別の薬剤(仮にBとする)に処方変更された。ところが、薬価はBの方がAの約4倍近くだったため、今まで以上に診療費がかかってしまう計算になってしまった。そしたらこの患者様、始めはものすごい勢いで怒鳴っていたものの、お薬の説明をしたとたんに、今度は今にも泣き出しそうな顔で「こんなに値段が違ったら、もう医療費払えなくなる。それだったら前の薬のほうがいい」と、切実な訴え。結局、処方は元に戻されたが、これもある意味矛盾だと思う。こういう実態があるにもかかわらず、国は「サラリーマン本人3割負担」は打ち出すわ、「老人医療費は引き上げ」るわ、もうやりたい放題といった感じ。もうちょっと、実際に医療を受けている人たちの事を考えて欲しいものだ!
6.サラリーマン3割負担、ついにスタート!
2003年4月から、サラリーマンの窓口負担が3割にUPした。もっともこれだけでなく、老人医療費の負担増など、医療機関にとっては逆風のような「改悪」があいついでいる。実際自分が窓口に立った感じで見ていると、心なしか受診している患者さまの数がどうも減っている気はする。なぜかというと、月初めってめちゃくちゃ忙しいのに、今回はあまりその忙しさを感じていないからである。まだ半月なので、結論をどうこういうことはできないが、その影響は悪いほうに出ている気がする。同じように、医療機関に勤めているみなさん!みなさんのところではどうですか?
7.抗生物質や抗菌剤の使い方、おかしくない?
病院内の感染対策委員会のメンバーとして業務を進めていくようになって3年(今の職場入って同時にそのメンバーになったのですが)、業務が見えるようになって、今、切に思うことが「抗生物質の使い方」について。ちょっとまずいんじゃないの?と思う。だって、first choiceがいきなり第3世代のセフェム系とか、カルバペネム系とかだよ!それに、バンコマイシンの使用量も多すぎな気がする。これでは、耐性菌が出た時に対応できないし、新しい抗生物質とか購入しないといけないし、といいことない。そんな折に、今年は使用基準作ろうという事務局長(外科部長。僕はこの先生のこと、すごく尊敬してます)の一声。毎日の業務は大変だけど、頑張ってこなしていこうと思う。まずは使用量・購入量のチェックからスタートだな。
8.薬剤師たるもの、勉強は常に必要!
免許を得て、今年で9年目に入った。約2年でよくここまで来ることができたなぁと思うが、自分自身はまだまだ努力が足りないのでは?という思いが強い。そのため、なるべくは薬剤師会や病院薬剤師会の集まりには足を運ぶようにしている。そこでいろんな施設の薬剤師と情報を交換したり、知識を身につけることで、仕事に対する見方も変わってくるものだ。
ところで、最近はこういう雑誌も出ている。書店で直接販売というのではなく、注文になるのだが、その名は「Rp.レシピ」。意味はずばり、「処方」である。「次世代で活躍するための薬剤師トレーニングマガジン」と銘打っているが、難しい内容を実にわかりやすくまとめている。僕は保険調剤の経験はないが、一つの調剤行為にどれくらいの保険点数がついているとか、在宅、服薬指導、添付文書の読み方、果ては薬剤師のもっとも苦手とするコミュニケーション・スキルまで幅広くまとめていて、これで¥1,000とはかなりのお買い得な感じ。年4回の定期発行なので、1回分の飲み代をケチれば、スキルアップにつながるなんて、安いもんだと思う。ただ、その後はやっぱり、「本人の姿勢」だろう。「積読」にならないように!
これが2003年春号。「気管支喘息」「高血圧」「うつ病」「花粉症」などをテーマとしている。この回は「2型糖尿病(インスリンに依存しない糖尿病)」について特集している。
9.「ヒヤリ・ハット」といかに向き合うか?
薬剤師の仕事をするようになって、この言葉は日常茶飯事のように僕の心に重くのしかかっている。自分の周りにこんなにもその種がころがっているなんて…と、思わず絶句してしまうほど。だからこそ、薬剤師が病院内で「リスクマネージャー」としての働きを期待される所以でもあるのだから、ちょっぴり皮肉である。この前の三重の薬剤師による散剤混入事件の時でもそうだが、散剤は見た目わからないのは多いし、錠剤やカプセルにしても、外観・包装が似たり寄ったりなものもいっぱい!ひどいのは注射だ。特にこわいのが抗癌剤。「タキソール(パクリタキセル)」と「タキソテール(ドセタキセル)」のように、名前も成分名も、おまけに構造式まで似ている上に、規格(どれくらいの量が入っているか)も似ているものがある。しかし、「テ」が入っているか否かでえらいことになってしまうのだ。いかにそれを防ぐか、そして実際に起こったときいかに向き合うか、毎日の仕事の中で厳しく問われている気がする。
左がタキソール、右がタキソテールである。抗癌剤を使用するには、使用する医師にプロトコール(使用量や使用期間をまとめた資料)を提出してもらう。開封する前は中身がわからないので、包装のままだと、ミスする危険性が大である。
10.またまた頭にきた!看護師の社会的常識って…
みんながみんなそうじゃないので、ほんの一部の看護師だけだと思いたいのだが、最近、またまた頭にくることがあった。あえて書かせていただくが、これを見て、反論のある方、ぜひぜひ掲示板に書き込みしてほしい。
おととい、ある病棟から、「在庫になっている注射を下ろしていいですか?」という問い合わせがあった。普通だったらOKするが、たまたま入院患者の定期のお薬や、他の病棟への緊急の払い出しがあったので、リフトがいっぱい!そのため、依頼した看護師には、「今、リフトがちょっと混んでいるので、午後に下ろしてもらえますか?」と言ったところ、なんとその看護師は「あたしもう帰宅するんで、今下ろします」の一点張り。あまりそういうことはしたくなかったんだけど、彼女の名前を聞き出して、そこの看護師長に事の顛末を「お話」した。看護師長さんは仲がいい人だったので、話がわかったらしく、15分位してから、「こってり油絞って、午後の人に申し送りしておいたからね。なかちゃん@那覇さん、ちょっとやり過ぎかな?なんて思っちゃダメよ」とのお電話。僕自身、正直言うとこんなことしたくないが、今回はあまりに腹が立ってしまった。医療従事者(自分も含めて)の、社会的常識の欠如を垣間見た気がして、すごく嫌な思いになった。でも、ちょっとやり過ぎたかな?
11.自分さえよければ…という意識が見え隠れして、思わずキ~っ!
ある日の仕事中、あまりにも腹が立ったことがあり、思わず我を忘れて怒鳴りまくった例を一つ。ある意味、10なんか問題にならないくらい怒りまくった。ここでも書かずにいられないので、書いてしまった。
金曜日。注射の払い出しは多忙を極める。土・日・月の分までふだんの3倍の量の注射払い出しがある。ウチの病院は、払い出し用のリフトが1台しかないため、臨時の注射払い出し依頼は、不急でない限り昼前になる。さて、問題の病棟の看護師(男性)は、9時ごろにリフトで請求を下ろしてきた。請求は「一定の患者さん限定の薬」。セッティングも終わり、後ちょっとで本日の注射担当の人は業務終了。今日は僕は別の病棟の定期薬調剤をしていた。11時半にその病棟から電話。看護師「○○病棟です。9時に請求下ろしたのにまだ上がってこないの?」僕「すみません。今日は通常より注射の払い出し量が多くて、今ようやく落ち着いたのでこれからあげますね。」看護師「他のものはどうだっていいんだよ。限定薬上げるのが先でしょう?」プッチ~ン!僕(ほほ原文どおりです)「ふざけるな!確かにそうかもしれないけど、そのどうだっていいもので治療受けてる患者さんもいっぱいいるでしょう?それに急ぎだったら連絡すればいいものを、連絡もしてないでしょう!そんな自分さえ良ければって考えだったら、看護師辞めちまえ!!!」言っちゃった~。しかしその後、病棟の看護師長にも電話していた。そして事の顛末を言った後、僕「もし僕が悪いって言うんだったら、あとでスタッフの前に謝りに行きますよ。そう思うんだったら電話ください」と。他の薬剤師がひいていたのは言うまでもない。
ところが夕方、そこの看護師長と問題の看護師が謝りにやってきた。事の顛末を他の看護師に話したら、彼はみんなから怒られたそうである。さらに看護師長にも呼ばれて…。一人で行くのはバツが悪いらしく、看護師長といっしょに謝りにきた次第。僕も、かっとなって感情的になったことを素直に謝ったものの。お互いなんとなくバツの悪い時間が流れていた。
医療現場というのは、お互いの本音と思惑がヘンなところでぶつかり合うところだと思う。結構後になって、冷静になってみると、「な~んだ」と思うことで目くじらを立ててしまうことも多い。忙しい時こそ、冷静でいられるように気をつけたいものだ。
12.患者を呼び捨て、に思わず唖然…。
今までのなかで、こんなひどい看護師に当たるとは想像できなかった。だけど、これはあまりにもひどい話だったので、書かずにはいられなかった。看護師のみならず、医療に携わるすべての人への「他山の石」となるように、思いをこめて書かせてもらおうと思う。
病棟の臨時薬や退院処方を調剤していたとき、ある病棟から電話。Ns「あの、○○病棟ですが、退院のお薬、早くお願いします」それだけ言って、なんと電話をガチャンと切ってしまった。退院の患者名を言わないことにあまりに腹が立って、再度その病棟へ電話した。僕「あの~、退院のお薬の件で電話いただいた看護師の方お願いします」Ns「はい、私ですが」僕「患者様の名前言ってなかったみたいなので、ちょっと確認を…」Ns「(ぶっきらぼうに)Aの!」僕「(驚&プチ怒で)あの、Aさんですよね?患者様呼び捨てにしてたものですから、ちょっと確認のため…」と言ったら、そのNs「(乱暴に)わかってます!早くして!!」と言った上に、「ちっ」と舌打ちして電話を切ったのである。もう怒る以前に、呆れてモノが言えなかった。たまたま昼休みに、廊下で副総看護師長と立ち話した時、「告げ口するみたいで嫌なんですが…」と事の顛末を話したが、すごく嫌な気分だった。そしたら翌日、そのNsとこの病棟の看護師長が総看護師長に呼ばれて、きついお灸をすえられたらしい。なんだかなぁ、と考えてしまった。こういうことって、社会人(社会の中にいる人)として、ごくごく当たり前のことなのに、なんでできないんだろうなぁ…と。自分も、医療に携わる以前に、こういう事を忘れないように仕事をしなくちゃいかんなぁ、と思う。
13.2重・3重の恥の上塗りで、あわや大ミスに
先週、ある病棟から麻薬処方箋が降りてきた。よく見ると、「処方開始」は「11月15日」からだが、処方箋発行年月日は「11月16日」になっていた。そこで病棟に問い合わせて、発行年月日を直してもらうことになり、いったんその処方箋を病棟に返した。数分後、「訂正された」処方箋が下りてきた。が、なんと日付の上からサインペンで「16日」と上書きされていた。いくらなんでも、間違った時の訂正の仕方くらいわかるでしょ!そこで、病棟に電話した上に、「訂正の際は、間違ったところを二重線で消して、その上から『処方してもらったDr』の印鑑を押して、訂正してください」というメモ書きまで丁寧に添えて、再度病棟へ。数分後、訂正された処方箋が下りてきて、ようやく調剤に取りかかれた。ところが、話はそこで終わらなかった。
調剤を担当した薬剤師(仮にTさんとする)が、鑑査担当(仮にSさんとする)に処方箋と調剤された麻薬を持っていった。しばらくすると、鑑査担当が「ちょっと~、この処方箋何なの~?みんなちょっと来て~」と大騒ぎしたので、行ってみて処方箋を見て、思わず目が点!なんと、押されていた訂正印は、処方したDrとは別のDrの印鑑だった。もう、怒る以前におかしくて、思わず「アホじゃないか?」と爆笑してしまった。こんな社会的な常識知らない(と言うよりは、教えていないはず)なんてって感じで。
結局、病棟のスタッフにきつくお灸をすえたことで、翌日この処方箋は新しく書き直されてきた。ところが、この間違いだらけの処方箋を残しておこうと思ったが、それを当該の病棟に言ったところ、強硬に「病棟に返して」と言われてしまった。間違いをしないように新しく書き直すための参考で使いたい…ということだったが、きっと秘密裏に捨てられてしまったのでは?と思う。こんなことでは、当該病棟の問題点は、いつまでも直らないような気がする。
15.仕事を一緒にする人の顔と名前を覚えることは、罪なことか?
以前、ある病棟の看護師から、こんなことを言われた。「なかちゃん@那覇さんって、外来の看護師はともかく、病棟の看護師も顔と名前がほぼ一致して覚えてるんだよね~」と。僕は「そうですね。名札あるせいもあるけど、それができないと仕事にならないし、相手に対しても失礼だから。看護師だけじゃなくて、医師や事務職、他のコメディカル職種もほぼそんな感じですね~」と答えたら、その看護師に思いっきりひかれた経験がある。なんで?と尋ねると、「だって~、下手なミスしたら、名指しで怒られそうで」と。ちょっとドキッとした。実際、名指しで怒ったこともあるよ~って言ったら、「だからなかちゃん@那覇さん怖い人って思われてるんだね~」と妙に納得した。これは逆に、自分がミスったら同じように言われる危険性をはらんでいるわけだから、下手な仕事はできないということになる。自分にとっても、きちっと仕事をする上では、一人一人の顔と名前を一致させることは、決して悪いことではないと思うけど、ここをのぞきに来るみなさんはどう思っているのかなぁ?
16.自分がヒヤリ・ハットと向き合った時
これは日記でも書いたのだが、先日患者様に抗がん剤をあわや連日投与するヒヤリ・ハットがあった。今思い出しても胸がしめつけられそうになる。前日の夜間帯で下りてきたプロトコールに対して、次の日に投与するということだったので、すぐに看護師に渡せるように注射をセットしておき、翌朝無事に払い出しが済んだまではよかった。ところがその日の午後、同じ人に同じ抗がん剤の請求が下りてきた。セットはしたものの、今日済んでいるはずなのに、おかしいなと思って、看護師が取りに来た時に再確認をしようと思い、そこまで終わらせたのまではよかった。しかし、「連日投与になるけど、本当にそうですか?」と2度念押ししたにもかかわらず、看護師は「連日です」という返事…。そのあと、処方医が気づいて返品させたことで事なきを得たものの、恐ろしい結果を招く一歩寸前まで行ってしまい、その日の夜間は恐怖心のあまり調剤ができなかった。今回の最大の原因は、処方した医師の2重オーダーではあるが、薬剤師、看護師とのトリプルチェックがうまく機能していれば、薬局のところで投与直前で払い出しはしなかったはずである。職種間を超えてのチェック体制の重要さを、身を持って体験できただけでもすごく勉強になったと思う。
17.病院機能評価を控えて…(その1)
ウチの職場も、ついに重い腰を上げて「病院機能評価」を受審することになった。そこで現在、各部署で急ピッチでその作業が進められている。薬局でも例外ではない。要は、「ふだんの仕事をきちんと文章化できるか?」である。ただ、病院全体で考えるとなると、問題になるのは「患者へのサービス」というのもある。ということは、今まで僕が書いて来たことはほとんど全てが「マイナス要素」につながってしまうのだ。これは大変!全ての職種の人たちが意識をしっかり持たなければ、まず合格しないだろう。先日も名無しで「接遇」に関する苦情が届いた。「患者にタメ口をたたくスタッフ」というタイトルである。このあたりは、自分自身も本当に気をつけなくてはならないだろう。どのスタッフも、悪く言えば「専門バカ」ばっかりなのが「医療機関」だ。だからこそ、こういうときに、自分が診察を受ける立場になった時、どんな病院がいいのかな?と思う気持ちが大切になると思う。社会の一般常識と医療機関の常識のバランスをうまく取れないと、なかなか解決できない問題だと思う。あの琉○病院でさえ「保留」になっているんだから、しっかり原点に戻ってのチェックが必要だと思う。
18.病院機能評価を控えて…(その2)
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