なかちゃん@那覇の日々のくすりばこ

期間限定!気をつけて!海のキケン生物

期間限定!気をつけて!海のキケン生物


いよいよ沖縄のマリンシーズンがスタートしました。海のレジャーはとっても楽しいですが、沖縄の海には、危険な生き物もたくさん生息しています。そこでこのページでは、沖縄の海に住む危険な生き物を取り上げて、応急処置の方法や、遭遇した場合の注意点を、わかりやすく伝えていこうと思っています。

①恐らく沖縄の海の最強の生物?ハブクラゲ
 のっけからドキッとするような生物の紹介です。ハブクラゲの毒は、沖縄が世界に誇る(?)毒蛇・ハブの毒の10倍の強さを持つといわれます。かさの高さは10cmくらいになります。かさからは4本の腕が出て、さらにそこからひも状の触手が伸びています。伸縮自由で、その長さは1m~1m50cmくらいにもなります。触手には毒針と毒液が入ったカプセルがたくさんあり、何かに触れることで毒針が発射されます。ハブクラゲは透明なため、気がつかずに被害にあっていることが多いようです。絡まった触手を外そうとして、こすって落とそうとする人もいるでしょう。しかし、こすることは絶対にしてはいけません。こすることで触手の毒針が発射され、さらに被害が拡大してしまいます。
 もし、刺されてしまった場合には、すぐに海から上がり、酢をかけましょう。しばらくしてから触手をそっと外し、患部を冷やします。ただし、これはあくまでも応急処置です。呼吸や心臓が止まることもあるので、その場合は、すぐに人工呼吸や心臓マッサージを施し、病院に運びましょう。
はぶくらげ
見た目はかわいいのに、すんごい強烈な武器を持つこの生物。やっかいなことに、沖縄の海のシーズンと発生時期が重なっています。レジャーの際には、ビーチにクラゲ防止のネットを設置しているかということも、しっかり確認してくださいね。

②岩と間違えて被害続出!オニダルマオコゼ
 僕は実物を美ら海水族館で見たことがあります。本当に動きません!死んでるんじゃないかと思ったほどです。これだと、海の中では岩と間違えるなぁと思います。ところが、こいつは背びれに毒針を持っています。一般的に、オコゼの仲間は背びれに毒をもっていますが、オニダルマオコゼの毒は、この仲間では最強と言われています。誤って踏んでしまった場合、激痛と腫れを伴います。最悪の場合は、ショック症状を起こしてしまうこともあります。
 応急処置は、目に見えるとげを取り除いたのち、毒をしぼり出し、40~45℃のお湯に30~60分つけてください(熱により、毒のタンパク質成分が変性や分解を起こすため)。重症の場合は、すぐに病院に行きましょう。
オニダルマオコゼ
 こんなにずんぐりむっくりして、おまけに動かないとなると、岩とかと間違うのも無理はないと思います。

③「綺麗なものには毒がある」を地で行く、ミノカサゴ
 これはあまりにも有名ですね。見た目、とっても綺麗なお魚です。しかし、その綺麗さがかえって警告のシグナルに見えてしまうものですね。ミノカサゴは、背びれと胸びれに毒を持っています。ミノカサゴの方から意図的に刺すのではなく、気がつかずに背びれにさわってしまって、被害に遭うという例が多いようです。②のオニダルマオコゼと同様の毒を持っており、激痛や麻痺をともないます。
 応急処置は②に準じていますが、もし見かけた場合には、離れることが無難なようです。
ミノカサゴ
 見てください!見るからに「あたしに触ると、ケガするわよ」って感じでしょ?僕の父親も、昔気づかないうちに触ってしまい、痛い目に遭ったことがあるそうです。

④ハブクラゲと並ぶキケン生物の横綱、アンボイナガイ
 ハブクラゲが東の横綱(被害の多さと、症状の強烈さ)なら、このアンボイナガイはさしずめ西の横綱(毒の強さと致命率)と言っていいでしょう。イモガイの仲間は強烈な神経毒を持っています(タガヤサンミナシもそう)が、アンボイナガイの毒はその中でも最強です。恐ろしいのは、この毒が「神経毒」であること。痛みは少ないのですが、刺されてから20~30分足らずで、呼吸困難や全身マヒを起こすこともあります。
 応急処置は、まず刺された部分より心臓に近い場所を強くしばったのち、毒矢を取り除きます。その後、口で毒を吸い出して、すぐに病院に運ぶことです。しかし、何よりも触らないことが鉄則です。
アンボイナ
 「触らぬ神に…」ではありませんが、もし見つけたら絶対に触らないことです。

⑤イソギンチャク界の最強生物、ウンバチイソギンチャク
 イソギンチャクは、自分の身を守るために、毒を持っているものが多いです(その習性を生かして、クマノミはイソギンチャクと共生していますね)。ウンバチイソギンチャクは、その中でも最強の毒を持つと言われています。ハブクラゲと同様、たくさんの毒液入りカプセルを持っており、刺さったりすることで毒針を発射します。
 応急処置は、ハブクラゲに準じますが、毒性の強さはウンバチイソギンチャクの方が強いと言われています。また、酢の使用はあまり効かないとも言われています。ですから、応急処置のあと、すぐに病院で手当てを受けるのが無難でしょう。
 最近、糸満市の大度海岸で、新種の「フサウンバチイソギンチャク」も見つかったそうです。
ウンバチイソギンチャク
 見た目は海草のようにも見えるせいか、何気なく取ってみて被害に遭う例が多いようです。また、治療が長期化し、後遺症が残る例もあるそうです。

⑥見るからに「痛そう」な風貌、ガンガゼ
 海の底にいることが多いこのウニ、ウニの中でも最大級の大きさですが、他のウニと違って、食べられません。おまけにこの長いトゲには毒があり、しかも折れやすいとあって、ウニの仲間では無類の嫌われ者と言っていいでしょう。刺さった場合には激痛を生じ、腫れや吐き気などの症状を起こすことがあります。
 応急処置は、40~45℃のお湯に30~60分つけてください。ただし、ガンガゼのトゲはもろくて折れやすいので、取り除くことが難しい場合には、病院に行くのが無難でしょう。
ガンガゼ
 もう見るからに痛そうでしょ?ポキポキ折れそうで、恐いですね。

⑦海人(ウミンチュ)が恐れる生きたナイフ、ダツ
 沖縄近海でよくとれるお魚。毒はなく、刺身にするとおいしいそうです。しかし、海人の間では、「サメよりも毒のある魚よりも一番恐い」と恐れられています。理由は鋭い口。写真を見たらわかりますが、本当にナイフのような形をしています。やっかいなことにこのダツ、夜釣りの船のライトに向かってジャンプしてきます。その時に「生きたナイフ」に変身するのです。年間に数人、ダツに刺されて死亡する人もおり、夜釣りの時には要注意です。
ダツ
 こんなのに刺されたら、ひとたまりもありません。海人の話によると、刺してからさらに暴れまわるから、被害が大きくなるそうです。

⑧集団でかかってくるから、ちょっと気味悪げ!ゴンズイ
 見た目はドジョウのような感じですね。小さな魚ですが、集団で移動するので、少々気味が悪く見えるかもしれません。ところがこのゴンズイ、ひげと尾っぽに毒を持っています。釣りの時にかかってくることもあり、刺されると、激痛と腫れを伴います。
 応急処置は、まず毒をしぼり出し、次に40~45℃のお湯に30~60分つけてください。重症の場合には、病院に連れて行ってください。
ゴンズイ
 見た目はちっちゃいのに、こんなんが集団できたらやっぱり怖いですよね。しかも、毒持ちとなると…。つらいですねぇ。

⑨大トリはやっぱり、これでしょう!海のギャング、オニヒトデ
 ずばり、サンゴの天敵としてあまりにも有名ですね。直径30cm、当然、ヒトデ類の中では最大です。サンゴを食べてしまうだけなら、片っ端から取っていけばいいのですが…。あまりに鋭いトゲの持ち主です。おまけにそのトゲには毒があるので、美ら海水族館の体験コーナーのように、素手でさわるなんてこともできません。これがオニヒトデの駆除をさらに難しいものにしてしまっています。オニヒトデのトゲがささると、激痛と腫れを伴ううえ、吐き気やマヒの症状を呈することもあります。
 応急処置としては、40~45℃のお湯に30分~60分つけてください。また、トゲは完全に取り除いて、消毒をしっかりすること。ほっておくと壊疽が起こる可能性があります。重症の場合は病院に運びましょう。
オニヒトデ
 見るからに痛そうなトゲですね。そうそう!以前、オニヒトデの産卵のようすがTVで放映されていましたが、体をドーム状にして、海中に卵を吐き出す様子がなんか不気味で、あまりにも異様な光景だったのを強烈に覚えています。





© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: