May 26, 2004
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(23日の日記「ミッション名は 大きなサイズ」続き)

「ズロースのことですよね~」
おねえは一瞬、声を失った。
ズロース。
シミーズと共に、今はすでに過去の遺物扱いされていると思っていた、白黒写真感あふれる呼び名。
売り場のお姉さんは、にっこり微笑んで、一番奥の場所へと案内してくれた。
「大きいの、いっぱいありますから」
確かにそこは、「大きいサイズしか、置いていない」売り場だった。しかも、
「ズロースしか置いていない」売り場だったのだ。

そしてなぜだか、そこら一面、やけに明るい売り場だった。
さっきの若者向けパンツ売り場は、白に始まって、ピンク・黄色・赤・ムラサキ・水色とカラフルな色の洪水で、売り場は活気付いていた。
けれど、ここは、ベージュというのかうすピンクというのか、いわゆる「肌色」1色編成で、統一感あふれるといったら言い方はいいのだが、一面「は・だ・い・ろ~!!」になっていて、そのせいで明るく感じられていたのかもしれない。
肌色1色。それは、カラフルな色の輝きよりも、絶対的な明るさを誇っていた。
やんわりと、けれど確実におねえの目を攻撃する。妙に、まぶしかった。
おねえは袋をひとつ手にとって、何枚入っているのか、見ようとした。
値札表示には、1枚の単価「550」としか書かれていない。
通常なら、550円×枚数表示のはずなのに?
袋の厚みも、三枚分はありそうだった。横からのぞいて見ても、何層にも折りたたまれているようで、はっきりと枚数はわからなかった。
おねえは考える。
今回の注文は、指定された枚数しか購入しない事にしていた。

注文のあった数しか必要としないのだ。他の商品なら店頭に並べていてもいいのだが、今回のズロースはサイズがサイズだけに着用する人を選ぶ商品で、店頭に並べてお買い得な値段にしても
「安いわね、買っておくわ」ということにならないと思われた。
余分に購入すると結局在庫になってしまって、おばちゃんに怒られる事、必至である。
しかたない。
おねえは、パッケージを開けて見ることにした。

そのために棚ごとに、見本がぶら下がっているのだから。
けれど、今回は。今回に限っては。
おねえはそーっと、ノリの部分をはがして開けてみた。
台紙にそって綺麗にたたまれたズローズ。
出てきたけど。おねえの両手の中で、だらしなくクタッとなっている肌色のズロース、1枚。
そして、皆さんのご想像通り。
結局1枚しか、入っていないのだった。
単価表示が1枚のみの価格なのは、あたりまえだった。
けれど、その大きさといったら!!
さっきのパンツと同じ利用法というには宇宙人もビックリする、大きさなのだった。
大きさだけでなく、厚みも半端でなかった。
売り場のお姉さんが言った「メリヤス」の威力が最大限発揮されている。
それは、しなやかでなめらかで、そして、荒っぽい洗濯にも耐えうる丈夫さ。
上等な洗剤で優しく手洗いしてね、私デリケートなの、陰干ししてね!!といった、レースがたくさん使用されているお姫様パンツ(もしくは、勝負パンツ)とは全く違って、洗濯機に放りこんで、「強」でガンガン洗って脱水はキューっと絞って日向にガンガン干して!!そうしないと乾かないわよ!!と文句を言いそうな、「お姫様?なにソレ?」的、毎日愛用パンツ。
この売り場に来て、なんだかまぶしいと感じたのは、この迫力のせいでもあったようだ。
このズロースたちは、それ自体の個性はないけれど、大きさ・厚みで自己主張が激しいパンツたちなのだった。
その迫力に立ち向かう体力を有していないおねえは、頼まれた枚数をカートに放りこんで、そそくさとその場を退散したのだった。<終>





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Last updated  May 26, 2004 11:43:01 PM


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