なめこ先生の我ら食べ鉄道中記

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2025.10.04
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カテゴリ: 定期列車




JR西日本、今月のダイヤ修正で片町線(学研都市線)にうれシートを導入することが決まりました。しかしロングシートのうれシート、これには様々な意見があり、管理人も嘗てはよく使っていた路線だっただけに気になるネタではあったので少し考えていきたい話題です。



これがうれシートのロングシート版です。のれんだけで仕切れるお手軽座席指定車ですが、これが鉄道ファンや沿線住民の間で、賛否両論渦巻いています。というか、沿線住民からは否定的な声が多いのも事実なのです。
※写真はJR西日本の公式HPから引用

片町線は京橋~木津間を結ぶ通勤通学路線で、関西学研都市へのアクセス路線でもあることから、学研都市線の愛称が付けられています。1997年にはJR東西線の開業に伴って神戸線や宝塚線との直通運転が始まり、神戸・阪神地区からのアクセスが改善されました。

この路線は大阪の電車特定区間だけに通勤客が多いですが、特に高校や大学に通う学生の利用が多いことで知られます。沿線には同志社大学田辺キャンパスや大阪産業大学、大阪工業大学枚方キャンパス、摂南大学薬学部など、中~大規模の大学がある他、高校野球の全国的強豪で知られる大阪桐蔭高校、府内屈指の進学校、四条畷(しじょうなわて)高校、東海大大阪仰星高校(学校は京阪交野線の村野にあり、途中の河内磐船で乗り換え)、同志社大学の付属高校や旧大阪第2学区と第4学区に位置する公立高校など、生徒数が多い高校も点在しているので、朝夕の混雑の改善やサービスアップは急務なのです。

では何故ロングシートのうれシートしか出せないのか?これには物理的な理由があります。一番に挙げられるのは東西線の設備面。京橋駅と東西線各駅には4扉対応のホームドアがあることから、営業運転で入れる車両が207系と321系の2形式のみに限られます。また、剛体架線を使っていることから、乗り入れる207系と321系にはパンタグラフの離線対策として、特高圧引き通し工事やパンタグラフの2丁化が施行されているので、これがされていない車両は入れません。

また、JR西日本は片町線にクロスシート車を投入しないことも明言していて、その理由に沿線に観光地や行楽地がほとんどないことを列挙しているからです。果たしてそうか?答えは否です。沿線には全国的にも規模の大きな吊り橋「星のブランコ」や府民の森星田園地など、春と秋の行楽シーズンにはハイキング客の利用が一定数あり、クロスシートを投入する余地は十分にあります。また、東西線開業前には221系が例外的に片町線に入ったことや、おおさか東線の新大阪開業前には223系が尼崎~放出間を走ったことがあったので、全くニーズがないといった事情はないんですよね。

で、問題としてロングシート車のうれシートは300円を払ってでも使う価値があるか?これは沿線のユーザーは怒るでしょう。プレミアムカーを出している京阪との落差があまりにも大き過ぎます。プレミアムカーはラッシュ時には満席が出る程で、今月のダイヤ改正で3000系のプレミアムカーが2両に増えます。また、ラッシュ時には8000系を使ったライナーを運行していますが、ライナー料金300円に見合ったアコモデーションはちゃんと確保をしていて、ロングシートでもハイバックタイプのバケットシートを使っており、割と好評なのです。

それを考えると、いかにJR西日本が片町線を軽視しているかが明らかですよね。これでは沿線に住む人が出ていきますし、街づくりの根幹を全くもって分かっていない。京阪が枚方市の再開発に乗り出したのは、沿線人口の減少が思ったよりも大きいからこそ、危機感を感じ取ってのものであることが伺えるからなのです。大阪の北河内地区は、大阪市内から北東に位置することから「鬼門」とも言われ、知名度があんまり高くないことや開発が北摂や和泉地区よりも地味な感じを受けるのは確かでした。しかし、パナソニックの本社があること、サントリーのウイスキー蒸溜所の候補地(山崎以外にも枚方市が候補地になったことは、ニッカウヰスキーのHPで紹介されています。)にもなったことから、街づくりについては一定のポテンシャルを有することが証明されています。



ただ、ロングシート指定車は肯定的に捉える客が少ないですがいます。メリットとして、足が伸ばせる、混雑を回避できるなど300円払ってでも乗るという意見もありました。鉄道開業当初の明治時代は、上等級の座席はロングシートが主流で、足を伸ばしてゆったり寛ぐといったことがステータスという考えがあったのです。しかし現在は「個」を重視する傾向が強く、プライベート空間が好まれます。阪急のPRiVACEはその流れに沿って設定された代表格で、こういった座席指定車は今後のトレンドになっていくでしょう。

そうなると、改善策のヒントとなるのが、京王ライナーや京急のデュアルシート、磐越西線の座席指定車など、東日本の車両にあります。これらの車両はデュアルシートにリクライニング機構を搭載している編成がある他、磐越西線のE721系には座席指定車として使う区分にリクライニングシートを入れることで、一般車との差別化を明確に図っています。そうなると、うれシートとして使うのであれば、207系や321系の一部にデュアルリクライニングを入れたら分かりやすいと思います。データイムに普通や快速に使う場合は、ロングシートとして活用すればよいので、改造も小幅で済みますから、改造費用を1億~3億円台ということで考えると、ペイできる投資の一つです。

他には、社会実験として、大阪~松井山手 or 同志社前間(おおさか東線経由)にまほろば編成を使って特急(らくラクかわち)を何日か走らせ、客の動向を見ていくのも手です。683系は放出以東は入れますから、特急料金を取ってでも乗る客は割といるかと予測します。メリットとして、片町線沿線から大阪市内に乗り換えなしでゆったりと移動できること、新大阪からの新幹線接続特急としての集客が見込めることなど、需要はあるはずです。これに関しては、自治体から要望を出すことも大事で、特に京田辺市と北河内3市(枚方市、交野市、寝屋川市)は言うべきでしょう。停車駅についても、新大阪、四条畷、星田、河内磐船、長尾、松井山手から同志社前まで各駅にするなど、乗降客の多い駅が片町線は多いですから、導入の際のインパクトは他の路線以上に大きいものが得られるのではないでしょうか。

【まとめ】
結論から言えば、片町線のうれシートは、正直テコ入れやアップグレードが必要になってきます。これ、JR西日本にとっては或る意味、博打だろうなと。その答えはいずれ出るでしょうが、街づくりや都市計画の観点から考えると、再考を要する施策にはなるでしょうね。





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最終更新日  2025.10.05 09:56:05
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