波のマニマニ

波のマニマニ

波家がひっくり返った日(2)


主治医のE先生が付き添ってくれていた。
波次は眠剤が効きにくい体質みたいで、飲み薬では全然寝ず、点滴の側管から眠る薬を追加したので、もしかしたら朝まで起きないかも?と
。夜にもまた検査があるらしい。

足りない物を買って、夫、波一、義母がきた。けれど波次が全然起きないので暫くして、帰っていった。

その夜、小児外科の先生からお話しがあった。
波次のホルモン異常の原因は『副腎皮質癌』という聞き慣れない病気、小児がんでした。
今までの検査の結果、腹部に腫瘍(悪性)があり、すでにお腹の半分は腫瘍でいっぱいで、検査が終わり次第、手術。
その後、抗癌剤の治療のため、最低半年の入院と言われました。

泣くつもりはないのに、勝手に涙が出てきました。
頭がからっぽになり、先生が話していることが頭に入ってきません。
そんな私を膝の上で波次が不思議そうに見ていました。

すぐ夫に電話すると、夫も話を聞きたいとすぐきました。
夫と小児外科の先生との話は私が聞いたものよりもっとシビアなものでした。
入院も最低1年になると・・・

夫とよく話会いたかった・・・
けれど先生の話に十分打ちのめされた夫は
帰ってしまいました・・・

その日の手帳から~

波次入院
T小児科からK大付属病院
どうして波次がガンになんかなるんだろう
どうして半年も一年も入院なんて
三日後には、プレ幼稚園の顔合わせだったのに
どうして、まだ2歳7ヶ月なのに
検査がつらそうだ
手術は10時間以上かかるなんて
波一はどうすればいいの?
死ぬなんて考えられない
波次がいなくなるなんて考えられない
一日で生活が一変してしまった
絶対大丈夫と思わなければ
あまりにもやりきれない
大声で思いっきり泣くヒマもない
そうしたら、もう少しスッキリするかもしれないのに



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