七夜式のやりたい放題なブログ

第三話 秘密




「『バジュラ』はどうだい?スカリエッティ教授。」レオンがスカリエッティに尋ねた。


「ああ、悪くないね。ただ、あんなものを何処で仕入れたか聞きたいね」


「敵性宇宙から少し拝借したのだ。少し私たちの技術も取り入れてある」


「それはさておき、統合軍はどうするの?」グレイスがレオンに尋ねる。


「私がスカリエッティに協力しやすいように手を尽くす。」


「では、私もなにか協力出来るようにしないとね」


「ふむ。それなら今よりずっと行動しやすくなる。多少の犠牲はかまわないよ」


                 第三話 秘密


「早乙女。統合軍からお呼びがかかった。すぐに昇降口へ向かえ」


「・・・・・・は?」


少年、早乙女アルトは驚いた。


突然の軍からのお呼び出しだ。


誰だって驚く。


ちなみに、街は元通りだ。


綺麗に直っている。


さすが魔法。


前と違うのは、皆の記憶の中に残るあの紅い虫。


「お、おいおいアルト、お前、また何かヤバい事やったのか?」


「やるか莫迦。強いて言えば昨日トチッた位だが、怒ったのは軍じゃない。GNドライヴ持ってたから管理局だ」

GNドライヴは管理局製だ。管理局しかもっていない。


統合軍は、魔法を使わず、気も使わない。


統合軍は、昔この宇宙を創造したと信じられる『プロトカルチャー』がもたらした『オーバーテクノロジー』で製造された『熱核反応エンジン』を利用した兵器『ヴァルキリー』を使用している。


なので、統合軍に呼ばれる理由がない。そう思いつつ頭を掻きながら昇降口へ向かった。


そこで待っていたのは、女性士官。統合軍の赤基調の色の制服が映える。


年は、アルトより2、3年上の様だ。


「早乙女アルト訓練生ですね?私は黒桐鮮香と申します。ご同行を」


そう言って鮮香はアルトを車の後部座席に座らせ、車を出した。


着いた先は、ミッドでもトップ3に入るほどの医療体制を持つ『EBF(イーベーエフ)』。


鮮香はそこで車を停めた。


二人は車を降り、中へ入る。


流石トップ3に入る病院なだけあって、中は人で溢れている。


「こちらへ」


鮮香に促されるまま部屋に入る。札には『検査室』と書かれていた。


「なあ、何で俺が検査を受けなければならない?」


アルトは鮮香に尋ねた。


「貴方は昨日、未確認生物と戦闘をしました。異状がないか検査するのは当然です」


「そんなの分かってる。俺が訊きたいのは、どうして統合軍がそれを知っている!!」


「話せません。軍事機密です。」


「ぐっ・・・じゃあ、お前達はあの虫の正体が分かるのか?」


「はい。分かっています」


「なら教えてくれ」


「それは、貴方が軍に入らなければお教えできません」


「おいおい、こんな年端も行かない小僧を勧誘するとは、遂に統合軍も人手不足か?」


突然の声にアルトが振り向く。そこにいたのは


「遠坂・・・錬・・・」


昨日の魔導師だった。


「早乙女アルト、検査が終わったらちょっと来い。話がある」


「・・・分かった」


錬はまた来た道を戻って行く。


                ◆


「・・・検査終了です」


鮮花がアルトに言った。


「そうか、じゃあ俺はこれで」


「早乙女君」


鮮香に引き留められた。


「貴方は、レオン三島大統領補佐と面識は?」


「いや、無い。テレビ越しくらいだ」


「そうですか、ではお気をつけて」


「ああ、あんたもな」


そう言ってアルトは錬の元へ向かった・・・



 To Be Continued...

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