七夜式のやりたい放題なブログ

第六話 七人目




「早乙女アルトはランサーに刺され、意識不明。ですが、息はあります。やはり『聖痕』の加護でしょうか?」


リボンズはスカリエッティに尋ねた。


「そうなるね。じきにきちんと回復もするはずだ」


「そうですか・・・アーチャーのマスターが早乙女アルトと接触」


「ほう・・・楽しみだね。この先が」


                第六話 七人目


―――学校の廊下で、アルトは目が覚めた。


「・・・あれ?俺は・・・確か・・・」


そう、青い服の騎士に、紅い槍で刺され、死んだ。


そう思っていた。だが違った。


生きている。


確かに生きている。


心臓は動いている。


息もしている。


「まあいい。帰って忘れよう」


という事で生きている事に感謝しつつ、家に帰る事にした。


―――早乙女アルト宅


「・・・」


アルトの家は一軒家だ。前まで両親が使っていたらしいが、親戚の場所で暮らしていたので、全く手がつけられていない状況から、1人で全ての部屋を片付けた。


結構大きな家だ。古風な家で、土蔵もあれば庭もある。


離れもあれば縁側もある。1人では持て余すくらいだ。


今いるところはリビングだ。居間と言うべきかも知れないが。


突然、警報が鳴った。


警報といっても、結界内に誰かが侵入すると、音が鳴る程度のものである。


誰かと思っている内に、窓が割れた。


「よおボウズ。まだ生きてやがったのか。しぶといな」


「・・・!!」


そこにいたのは、青い騎士。


何か武器になるものは無いか。


バスターソードはここでは充分な力が発揮できない。


だが他に何も無い。


あるのは新聞紙。


「・・・ないよりましか」


新聞紙を丸める。まるでチャンバラの様だが、そうも言ってられない。


「一日に二度も同じ人間を殺すことになるとはな。まあいい。どんな手を使ったかしらねーが、ここでサヨナラだ!!」


騎士が槍を振る。咄嗟に新聞紙で弾く。


「ほう・・・お前、『魔術師』か」


「・・・」


そんなの知らない。俺はただ、『生きたい』。そして、『親の死の真相を知りたい』。それだけで動いている。


青い騎士が消える。瞬間、外に投げられた。


「・・・!!ぐっ・・・!!」


間髪いれずに次が来る。それを何とか弾くが、勢いを殺せず土蔵まで飛ばされた。


騎士が近寄ってくる。


コロサレル


俺ハ、殺サレル



「もしかしたら、お前が『七人目』かもしれなかったが、残念だな。あばよ!!」


槍が来る。


俺は死ぬのか?


まだ死にたくない。


両親の死の真相を知らない。


このままでは死ねない。


死にたく、ない。


そう思ったとき、アルトの前の床が光り、風が起きた。光と風の影響で目を瞑る。


「何っ!?」


騎士が吹き飛ぶ。


アルトは目を開けた。


そこにいたのは、銀の甲冑の騎士。


見た目背は小さく金髪。顔を見ても女の顔立ち、そして体格。


そんな事を考えていると、銀の甲冑の騎士が口を開いた。


「サーヴァント『セイバー』召還に応じ参上した。」


「・・・」


「問おう。貴方が、私のマスターか?」


 To Be Continued...


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