七夜式のやりたい放題なブログ

第九話　共闘

「戦況はどうなっているかな？」

スカリエッティがリボンズに問い掛けた。

「現在ライダーがアサシンを倒し、ライダーとキャスターが交戦中。ランサーは一時撤退。アーチャーも同様。バーサーカーとセイバーがエンカウントしました」

「そうか。・・・誰が勝つのかな。今回の聖は戦争は」

　　　　　　　　　第九話　共闘

「あら、もうお別れなの？もうちょっとゆっくりしましょうよ」

その、少女の声で全員が声の方向を向いた。

そこに居たのは。

少女と。

3メートルはあろう巨大な大男。

誰が見てもこう思うだろう。

「不釣り合い」だと。

「・・・バーサーカー」

セシリアの声が後から響く。

「あら、そんなに構えないでよ。初めまして、セシリア。わたしはイリヤ。
　イリヤスフィール・フォン・アインツベルンって言えばわかるでしょ？」

「アインツベルン・・・」

名前に覚えでもあるのか、セシリアの体がかすかに揺れる。

「大丈夫よ。私は今は貴方達に興味は無いの。邪魔をしなければ、何もしないわ」

「・・・」

セイバーが剣を構える。

「・・・！！止めろセイバー！！まともにやって勝てる相手じゃない！！」

「くっ・・・！！」

剣を収めた。

「そうよ。まともにやって勝てるわけ無い。なんてったって、エレボニア最大の英雄なのよ」

「・・・！！エレボニア最大の英雄って、まさか・・・」

「そうよ。そこに居るのはヘラクレスっていう魔物。貴方達が使役できる英雄とは訳が違うのよ」

「・・・いいわ。行くわよ、早乙女君」

セシリアが踵を返した。

「・・・判った。行くぞ、セイバー」

「・・・判りました、アルト」

俺たちも続く。そうして、俺達はあの怪物と別れたのだった―――

―――早乙女アルト邸

「さて。まだサーヴァントと『宝具』について話してなかったわね」

「・・・それはいい。何でお前がまだここに居るんだ！！」

「ああ、作戦会議よ。共闘の為の」

それで納得が行った。

「・・・何故共闘なんだ？敵同士じゃなかったのか？」

「始めはそのつもりだったけど、あんなのが出てきちゃ話にならないわ。だったら、他のマスターと協力した方がいいって訳」

「ふむ。わかった。じゃあ教えてくれ。サーヴァントと、その宝具ってやつについて」

「オーケー。じゃあまずはサーヴァントからサーヴァントは、使い魔とされた英霊の事。ここの聖杯戦争は、7つのクラスに分けられるの。
剣士：セイバー、
槍兵：ランサー、
弓兵：アーチャー、
騎兵：ライダー、
魔術師：キャスター、
暗殺者：アサシン、
狂戦士バ：バーサーカー、
この7つよ。最も優れたサーヴァントはセイバーらしいわ。これらのクラスには特徴があるけど、サーヴァント自体の能力は呼ばれた英雄の格によって決まるから」

「英霊の、格・・・つまり、生前どの位強かったかって事か？」

「それもあるけど、一番は『知名度』。生前何をしたのか、どんな武器を使ったのかは不変だけど、基本能力は呼ばれた時代でどのくらい有名なのかで変わってくる。英霊は神様のようなものだから、人間に崇められるほど強くなるの」

「そうなのか・・・」

「じゃあ次は宝具。宝具は、そのサーヴァントが生前使っていたシンボル。英雄と魔剣、聖剣の類はセットなの。要するに彼らの武装。言うまでも無いけど、英雄は人名だけじゃ伝説には残れない。トレードマークの武器がある。もっとも、宝具はその真名を呪文にして使うから、おいそれとは使えない」

何故なのか。それは、名前を言うと、サーヴァントが何処の英雄か分かってしまうからだ。

「さて、私は帰るわ」

「・・・そうか、色々助かった。有難う。」

「ええ。じゃあね。」

そういってセシリアはアルト邸を後にした。

「さて、俺達も寝るか。セイバー、お前の部屋を案内するから付いて来てくれ」

「はい。これからよろしくお願いします、アルト」

そうして、セイバーに部屋を案内し、自分も自室に戻って睡眠を取った。

―――翌日。

アルトは新聞受けから新聞を取り出し、居間へ行きテレビをつけた。

―――ミッドチルダのエース

この話題で新聞もテレビも持ち切りだった。

名前は『高町なのは』、『フェイト・テスタロッサ・ハラオウン』、『八神はやて』。

全員15歳で、アルトより少し下だ。

（・・・この歳で局員って事は、他の星出身か？実力はどれだけあるんだろうか？）

そんな事を考えていると、

「お早う御座います、アルト」

セイバーが起きて来た。服は、昨日セシリアがあの後持って来てくれたのだ。

「お早うセイバー。今日暇だと思うが、我慢してくれ」

「はい。大丈夫です。それより、この少女たちは？」

セイバーはテレビ画面のなのは達を指差した。

「・・・ああ、『時空管理局』って所のまあ英雄みたいなものだ」

そういって気が付いた。

答えを出さねばならない。

錬にあの時訊かれた事への答えを。

「・・・？アルト、体調が優れないのですか？」

「え？ああ、大丈夫だ。じゃあ、俺は行くから」

「はい。行ってらっしゃい、アルト。」

そうして、アルトは学校へ向かった。

　To Be Continued...

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