七夜式のやりたい放題なブログ

第十話 剣帝




「統合軍の動きは?」


スカリエッティはリボンズに尋ねた。


「現在レオン三島補佐の独立機動部隊『アロウズ』が設立され、補佐はその人間だけにドクターの事を話したらしいですが、反乱の動きはありません」


「そうか・・・。アルトの『聖痕』は?」


「はい。このまま順調なら約1月後で使用可能に。何らかの作用で聖痕が術を発動した瞬間、計画実行は約2年後に」


「・・・そうか。まあいい『ギルガメッシュ』を使おう。どうせ暇人だ。いや、英霊か」


                   第十話 剣帝


―――学校


「で、どうだったんだ?アルト」


友人の1人がアルトに訊いて来た。


「あ?何がだよ?」


「『剣帝』だよ。レオンハルト。あいつ、さっきお前に勝負挑んだろ」


「・・・ああ、あれか。あれは受けるぞ。売られた喧嘩は買う」


それは、遡る事約3時間前―――


「お前が早乙女アルトか」


銀短髪の生徒がアルトを尋ねてきた。


「ああ、そうだよ。何か用か?」


「放課後、校庭中央の『不死鳥の像』前で待っている。勝負だ」


「・・・良いだろう。だが、少し遅れる。先客がいるからな」


「・・・解った。では、待っているぞ」


それだけ言い残して銀髪の男は行ってしまった。


「何だったんだ?アイツ」


「知らないのか『剣帝』レオンハルト。有名だぞ?」


「・・・どんな?まあ『剣帝』って言う位だから剣が強いんだろ?」


「まあその通りだな。だが油断しちゃいけないな。アイツは只者じゃない。兎に角強いぞ、アイツは」


「・・・まあいい。放課後解る事だ」


―――放課後


「おう、待ってたぞ」


昇降口付近で錬がまっていた。


「ああ。答えが決まった。」


「・・・そうか。聞こうじゃないか」


「ああ。力は・・・欲しい。やっぱり、誰かを護る力は欲しい。それが、他の誰かを傷付ける事になっても」


「そうか。解った。今空いてるか?」


「いや、少し待っててくれれば。これから『剣帝』って奴と勝負だ」


「ほう、俺も観るかな。案内してくれ」


そう言って錬はアルトについて行った。


―――『不死鳥の像』前


「・・・来たか」


「ああ。手っ取り早く済ますぞ」


アルトは剣を構えた。


「ふん。剣帝に剣で勝てると思ってか?」


レオンハルトも剣を構えた。黄金の剣だ。


両者が睨み合う。刹那、二人の姿が消えた。


違う方向で金属同士がぶつかり合う音がする。ギャラリーがそっちを向いても既に何も無い。


背後の取り合いが続くが、お互いに決定打が出る前に後ろを取られてしまう。


がて、アルトが剣帝の後を取った。


(もらった!!剣帝も大した事無いな!!)


そう思った刹那。アルトのバスターソードは虚しく空を切った。


「燃え盛る業火であろうと、砕け散らすのみ」


後から声がする。低く、冷徹な声。ぞっとする。


「はあぁっ!!」


剣帝の怒号と同時に手足が氷に覆われ、固まる。


(しまった!!!)


「滅!!!」


バスターソードが真っ二つに折れた。


アルトの身体も吹っ飛ぶ。手足の氷はもう砕けていた。


(・・・負けた・・・のか、俺・・・は・・・)


アルトは芝生に倒れ込んだ。幸い受身は取った。


(バスターソードが・・・)


アルトは、ただ呆然としていることしか出来なかった・・・


 To Be Continued...



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