Laub🍃

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2012.03.24
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カテゴリ: .1次題
うちに帰ると可愛い子が待っている。

「にゃんちゃーん」

ふわふわしたチンチラっぽい雑種。
持ってきた猫缶を見せると更にハイテンションになる。

「うう、あたしよりそっちがいいのねっ」
「姉ちゃんうるさい」


この子を抱きしめながらなら、あたしはいやーなメールも、明日からの仕事の予定表も、全部ぶっ倒せる。


「ほらほらにゃんちゃんめっちゃかわいい。見て見て健太郎」
「勝手にいちゃいちゃしてろ、俺にかまうな姉ちゃん」










仕事場に行くと嫌な奴が待っている。

「はーいお元気ですかー、きんじゅうろうくーん」
「……お前らに話すことなんかなんもねぇよ」

きんじゅうろうくんは悪い子だ。
持参したものを見せたら少しはおとなしくなるだろうか。

人間が入らない大きさのスーツケース。

その中身を空けて見せてあげる。

ご丁寧に抱えて。


「はいこちらあなたの身内のカズラさん。貴方が正直に答えないとこの子の体が更に少なくなっちゃいます」
「……!やめろっ、カズラは関係ねぇだろうが!!」

 こっちもさあ…」

あたしの中で、仕事での自分と家での自分は矛盾しない。


オイル供給電力供給、そして今日も市民の安全の為に働く。

それがあたしの、

「オシゴトだからね」





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最終更新日  2018.03.02 19:03:56
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