Laub🍃

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2018.11.27
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ゆめという地下アイドルを応援している。
ゆめはかわいそうだから応援してあげないといけない。
仕事に疲れて帰るリーマン私のオアシス、卑屈なまでに謙虚で自分をよく卑下している、いつも困ったように笑うゆめは私よりかわいそうだ。かわいい。助けてあげなきゃいけない。

けれどある日ゆめが声明を発表した。

「実はなんと、武道館ライブをすることが決定しました!応援してくださった皆様ありがとうございます。こんなに助けて下さるファンの皆様に支えられてゆめは恵まれています」


あ。無理だ。と思った。

私は毎日こんなにぼろぼろで、使えないクズなんて上司に罵られて帰ってて、それでも会社での立ち位置はぱっとしてなくて、これからだってずっと会社と家の往復を続ける。

けれどゆめは世界に羽ばたいて、私の知らない人と出会って、私の知らない沢山の人に応援されるんだ。

私が居なくてもきっとゆめは輝けるんだ。




ゆめが色々と頑張ってるのも知ってる、きっと私の知らない苦労だって沢山してる。
だけどそういうことを言いたいんじゃなかった。

私とゆめは友達ではなかった。その立場の差が明らかになるだけだった。

それでもやっぱり辛くて、私は少しずつゆめの所に通う回数を減らしたし、通う時は毎回変装して目立たないようにした。

知らない人ばかりの場所で戸惑うゆめは可愛かった。

ゆめのことなら大抵のことは調べた。きっとこれは支配欲の一部だろう。
家族とうまくいってないことも、友達に依存しがちな自分が嫌いなことも、やっぱりそういうところが推せるななんて思ったのに、「これが私の応援してるゆめです!」なんて昔みたいに素直には誇れない。なんでなのか分からないけれど。

誰か私を殺してくれないか。
そして来世ではゆめと同じ目線で物を見る誰かにさせてくれないか。

そうでなければもう一度、昔推してた時と同じ感情で、限界だった心をゆめを応援することで救われた気持ちで楽しませてくれないか。

無理なことは百も承知なのだけれど。





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最終更新日  2021.04.23 06:26:11
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