Laub🍃

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2018.11.27
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カテゴリ: .1次小
あのひとを助けたい。
だからおれたちはあのひとを捉える奴らを倒したい。


あのひとを助けたい。
だからぼくたちはあのひとを捉える奴らに傅いている。





******

先代の四天王の上に立つ、闇の大魔王は忽然と姿を消した。

その理由は知られていないが、恐らくは魔物軍が有利になり過ぎたからつまらなくなったんだろうと思う。

木の魔王は、闇の大魔王の魔力だけが目当てだった。
 寂しがりなひとだった。自分たちの領土の魔物を死なせずずっと一緒に居られればそれだけでよかった。ずっと一緒に居るために、彼らを封印するという手段があるといったら、それでいいと彼らは言った。ただ、生きた魚や獣や花を生贄として捧げてくれれば何もしないといった。


 よくわからないひとだった。
 なにかからずっと逃げようとしていたひとだった。
 水の国の出世頭の軍人に追い詰められて、その後は見掛けていない。

地の魔王は、闇の大魔王と同じで死にたくても死ねなかった。
 人間軍のひとりに惚れた。
 そのひとりを生贄として捧げられてからは、ずっと洞窟の奥、更に奥、地底の奥深くで一緒に眠っている。

水の魔王は、人間が憎かった。
 だから、最期にひとり追い詰められてもあきらめず、そうして、僕達の大事なあのひとを人質にとりーーーーーーーーそうしてそれから数百年経ったいまもまだ、僕達はあのひとを助け出せずにいる。


助けられないまま、手先として動いている。





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最終更新日  2020.11.23 09:05:51
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