Laub🍃

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2019.12.26
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カテゴリ: .1次長
「お前には自我が無いのか?」

 賭けてみる。この煽りに。俺に似ているこいつならきっと、この言葉を無視できないだろう。

「うるさい」
「地の狗、ケルベロス」
「黙れ!」

 吠えるケルベロス。

「お前に俺の何が分かる!!!」
「分かるさ。お前の心の中にさっき入って、過去を見てきた。辛かったな」
「うるせえ!お前なんかに理解されてたまるか!俺を理解していいのも、支配していいのも、あいつだけなんだよ!!!」

「やめろ!俺から居場所を奪うな!!!」

 最早余裕がないようで、これまでの爽やかな仮面などかなぐり捨ててケルベロスは噛みついてくる。

「あの気まぐれな地の魔女を楽しませることが存在理由か?なら俺達の中にも気まぐれで面倒な奴はいる、鞍替えすりゃいい」
「俺は犬だ、拾われた恩は忘れない」
「お前を俺達も拾うと言ったら?」
「汚くても醜くてもぼろくずでもどんなに落ちぶれていようとも、あいつは俺に、ついてくるだけで必要だと言った!だから俺だってあいつに報いる」
「お前は俺達についてくるだけでいいのに」
「俺はあいつじゃなくちゃダメなんだ。あいつだって、俺じゃなくちゃ駄目なんだ。
 いくら口で言ってようとも、それは変わらない。絶対に信じる。疑わない」
「そうかー…残念だ」

「やめ」


 だが、それを糾弾する存在はもう黙らせた後だ。

 もごもごと言っていたそいつがぷは、と口枷を食い破って何か言おうとしていたが、その声が届く前に俺はケルベロスに最大魔法を放った。





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最終更新日  2020.12.26 19:38:00
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