Laub🍃

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2020.08.31
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カテゴリ: 🌾7種
他の人達全員全滅したIFのあんごとうなみせんせいの話です。

内容が人を選ぶもののため、検索除けのため名前はカタカナで表記します。




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「アンゴ、おい、アンゴ!」
「……」

 今日もこいつは反応をろくに返さない。
 獣に襲われた時は反射的に戦うし、眠くなった時は気絶するように寝ているが、腹が減っても食わないし、ゆるやかな危険が迫ってきても避けようとしない。
 非常に危うい。
 危ういが、これは、予期できたことでもあったのだ。



 あの声がまだ耳に残っている。

 俺達夏のAチームは、教師の俺と、リーダーのこいつを残して、全員が解凍失敗していた。

 アンゴのライバルのリョウも、友達のコルリも、信頼を寄せるゲンゴロウも、マドンナのアユも、冷静なニジコも、医療に長けるバンでさえ、もう居ない。

 だからこそ他のチームのメンバーを探すことに躍起になるかと思った。
 一人が耐えがたいこいつならば、他のチームを助けることで生きる意味を見出していくかと思った。だが、それは、目論見違いだった。

「いい加減にしろ!おい、立て!山火事が迫ってきてるだろうが!」
「……」
「……チッ」

 いくら、殴っても、罵っても。仲間の事を煽っても。最初の頃は反応していたのに、どんどん反応が薄くなっていく。まるで俺なんて居ないみたいに、アンゴは緩やかに死のうとしている。

 させるか。お前達にはすべてが懸かっているのに。

「絶対に死なせない」






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最終更新日  2020.12.22 19:51:20
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