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秋になったから、コートを出してきて、久しぶりに着た。
そしたら、なんだか、すごく落ち着く。
なんというか、体にぴったり合ってる感じ。
働いてるお店に来ていったら、「似合ってるね」って言われた。
似合う。
似合うって、なんだか良い響きだな、って思った。
このコートは、大学の一年生のときに買ったから、だいたい5年くらいの付きあいになる。
くすんだ赤や、くすんだ橙色、濃い目の茶色のような色が好きな僕が買ったこのコートは、
やっぱりくすんだ赤色をしていて、
毎年毎年寒くなれば、たいていこれを着ていた。
ん、いや、まぁ、ジャケットとかも着てたけど。
まぁ、毎年1度は必ず、着る時期があった。
だからこの、ずっと着ていたこのコートは、僕に似合った形に歪んでいて、
僕に似合った形にほつれてて、
僕に似合った形にクセが付いているのだろう、と思う。
ポケットのふちがやぶけてきたから、今度縫おう、と思う。
僕にはしっかりイメージができている。
糸は黒だ。
ちょっとふとめの糸で、ギュッギュと縫うのだ。
そしたらきっと、このコートは、
もっと僕に似合うコートになるに違いない。
ちなみに、
僕にはこういう、長い間着続けた、ともだちみたいな服が何着かあるのだ。
ふっふっふ。うらやましかろう。そうだろう。