地上では 髭面男編


地上では 髭面男編
ちょうど同じ頃、都会の片隅で人生について悩む髭面の男がいた。

「わたしは一体なにがやりたいんだ。
 わたしの人生とは一体なんなんだ!」

苦悩に満ちた表情をしながら、髭面男は頭を抱えてうずくまっていた。 突然頭をかきむしりながら立ち上がって 「死んでやる!」と叫ぼうとしたその瞬間だった。頭になにかが落ちて来た。弾丸のように早く頭に当たったのに、弾丸のように頭を貫くことはなかった。

だがその衝撃は凄まじく、髭面男は何が起きたのかを理解する前に気を失った。気を失う時にいままで見たこともない美しい輝きを持つ赤い物体を見ていた。


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