東京の海のような 汚れた海であっても
眼前に広がる その広大な景色を見て
心が穏やかになっていくのは何故でしょう。
鬱蒼とした街中に閉じ込められ
呼吸する事を 無意識のうちに
忘れてしまっているからでしょうか。
忘れていた記憶を思い出すかのように
深呼吸をしてみる。
心地よい潮風が
僕の鼻腔をくすぐった。
瞬間 くしゃみが止まらなかった。
そんな平日の昼下がり。
高層ビルが立ち並ぶその隙間に
小さな公園があります。
田舎者の自分には
「東京」という街は
コンクリートとアスファルトで出来ていて
グレイの空の下では
土気色の顔した人間が 重たい足を引きずり
囚人のように記号の中で生きている。
そんな街だと思っていました。
汚れきった街ならば いっそ
自分も汚れてしまえば楽になる。
そんな悲壮にも似た心持ちで
上京してきた4月。
ビルの間には
キレイな緑が揺れていて
子供たちが明るい歓声をあげて
走り回っていました。
汚れた海の近くの公園で
4月の自分を思い出し
そんな考えだった自分を 少しだけ笑った。
向かいのベンチに座るOLの
組み替える脚を凝視しながら
汚れていたのは自分の心の方だったと
気付いたからです。
あぁ
汚れきった僕ならば いっそ
街も汚れてしまえば楽になるのに。
↑ ↑ ↑
※一番右まで お逝きなさい。
ショートストーリー。 Apr 21, 2005 コメント(10)
アスファルトに寝そべり死んだフリをして… Mar 1, 2005 コメント(6)