市場へ行こう。小高い丘にも上ってみよう。

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2004.12.03

奴の磁力。

(2)

カテゴリ：日常記

「兄ちゃん、気に入った。ウチの店で働かないかい？」

友人の話です。学生から社会人になって、まもない頃の話。
彼は仕事の関係で、深夜帰りが多く、遅くなるときは
自宅の近くの街道沿いのラーメン店に行くことが多かったそうです。
その店に、たまたま通うようにはなったが、一度も口を聞いたことも
ない。普通のお客としてラーメンを注文して、黙々と食べて帰る。

あるとき、同じように食べて帰ろうとしたら、「店主にいきなり
そう言われた。なんでかわからないが、気に入ってくれたみたいだよ」
と、そのラーメン屋でずいぶん前に一緒に食べたときに話してくれました。

うまく説明はできませんが、彼を知る仲間なら、同じような思いをもつのではないだろうか。
多少の生い立ちや、社会人以後の彼の大変だった出来事も知ってはいるが、
ネアカ？根あか？とは、こういう奴をいうのだろうと思うほどの、
言動への元気力と瞬発力がある。それが気をてらったものでは、けしてない。

もう、ふだんはめったに会うことも話すこともないが、こうして年の瀬が近づくと、
「相変わらず、やってんかな」と思い出すのです。
そういえば、こいつ、大企業に入ったが数年でやめ、自らの仕事を起こそうと
銀行に借り入れを申し込んだときもこんなことがあったと。
同様に当時、若かった担当者が「あなたの夢に投資したい。私が上司を説得します」と、
確か無担保で借り入れに成功したはず。それだけ、いい時代もあったということですが。
もちろん、その会社はけっこう長いと言っていいくらい、今でも続いています。

しませんが、奴を思い出すだけで、まだまだね。とポカポカもしてくるから、
おてんとさんのような影響を与えてくれているのかもしれません。

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