1、始まり


意思を見せない瞳で4歳くらいの幼い子供はブランコに乗ったまま、園長先生の隣に穏やかに微笑む男性を見た。
黒髪に黒い瞳、不精ひげ、しっかりとした体格。キチッとしたスーツ姿。
―何で、この人、こんなにニコニコしてるんだろう。
「この人が貴方のお父さんになる皇 大祐さんよ」
「よろしく、スバル君」
「――お父さん?」
??何、それ?
「オレ、君の家族になりたいんだ」
「家族・・・」
その言葉に反応するようにスバルが大祐の元に駆け寄ってきた。
「そうだ。今日から・・」
と、言いかけて小さなスバルの身体を抱き上げた。
「うわっ」
「明日から君はオレの息子、皇 スバルだ」
「僕が皇 スバルに・・」
この人が、僕のお父さんに・・・?
スバルの表情が見る見る明るくなっていった。
「いいか?」
「・・・・」
「スバル君?」
スバルがぎゅっと大祐に抱きついた。
「・・・よろしく、パパ」
恥ずかしそうに顔を赤くして、嬉しそうに笑った。

―――これが、皇 スバルとしての始まりだった。


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