2、夜明け



「お前、最近変じゃねえか?」
掃除のモップを持って、掃除していた大輔君が窓を拭いていた僕にそう聞いてきた。
「・・えっ」
僕はその言葉に心臓をドキリとさせた。
思わず手が少し震えた。
「な、何で?」
「いや、何ていうか雰囲気が変ったっていうか・・」
「そうかな?」
僕はごまかすように笑った。
「何かあったのか?」
「べ、別に何も・・・」
「ふーん」
そこへ、ヒカリがやってきた。
「大輔君、ちょっといい?」
「!何?ヒカリちゃんvv」
大輔はあっという間にタケルから離れ、じゃれ付く犬のようにヒカリの元に飛んでいった。
「・・・」
タケルはそっと首筋に張ってあるバンソーコにてを触れさせた。

真っ暗な闇と静寂な空間の中、静かに隣に寝ている兄が起きて・・。
そして――
「タケル・・」
そう言って、耳元で「・・・いいか」と恐る恐る聞いてくる。
僕が「・・・いいよ」と答えると、お兄ちゃんは僕の頬にそっと手を当ててキスをしてくる。
「・・・ッ」
お兄ちゃんが僕の舌にからませてくる。僕はそのキスで身体をびくつかせる。
「・・や・・」
何度もキスされて。
そして、首筋になぞるようにキスされて、もう片方の手はパジャマの中にもぐりこんできて・・伸びてきたその指が僕の胸の中心に触れて・・。
「ぁ・・ッ」
身体をその後、長く撫でまわされて・・。お兄ちゃんが僕のパジャマのボタンをあっという間に外して・・そしてズボンに手をかけた。
お兄ちゃんが僕をその夜「支配」した・・・!

逃げれば良かったのに逃げれなかった。怖くて仕方がないはずなのに。
異物感が気持ち悪かった。
全て吐き出したかった。
お兄ちゃんと今した事も、身体がスゴク痛い事も・・。

小さい頃からお兄ちゃんは優しかった。
過保護といわれるくらい僕を大切にしてくれて、いつも一緒にいてくれた。
両親が別れた後も、デジタルワールドでの冒険の時も。
僕もそんな優しいお兄ちゃんが大好きだったし、憧れみたいな感情を持っていた。
僕にとってお兄ちゃんは両親以上に大切な存在だった。
お兄ちゃんも恐らくそうだったんだと思う。
「僕」に依存するくらいに、心の支えにしてくれてたと思う。
でも、僕はその感情が別のものである事にはその時は気づかなかった。
お兄ちゃんが僕を兄弟以上の愛情を抱いていた事を。

―誰か、助けてください。
僕の身体がどんどん変っていきます。
抱かれる数が増すごとに。

「ア・・ッ!」

―どんどん変っていくんです。
心も・・。



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