プロローグ


冷たい風が吹き荒れる並木の風景の中、一人の少年が重いスーツケースを持って幼い弟を連れて闇が広がって行く時間の中、もうすぐ見えてくる筈の道路に向かって歩いていた。
その後ろには、緑色の屋根のペンション風の建物が聳え立っていた。
「・・お兄ちゃん、何処に行くの?」
少年と手を握り合っているコート姿の子供が純粋そうな瞳で少年の顔を覗きこんだ。
「―お前がこれから過ごす場所にだ。そこがお前、早河烈矢の新しい家だ・・」
「!じゃあ、これからずっとお兄ちゃんといられるの?」
烈矢と呼ばれたは嬉しそうに少年の冷えた手を握って言った。
「・・・烈矢、お前勇者のパイロットになりたいという気持ちは代わりはないか?」
「!!うん、もちろん!」
「じゃあ、オレと約束しろ、烈矢」
少年はそっと烈矢の前に進み出て、ぎゅっと烈矢の手を掴んだ。
「約束?」
「―そうだ、約束だ。決してどんな事に成ろうともあきらめない。スターレイスとして、お前として誇りを持って夢に立ち向かえ。そして、状況を冷静に見る観察力も持て」
「う~、よくわからないよ~。お兄ちゃん」
「・・・とにかく、強くなれと言う事だ」
「うんっ!!」
――スターレイス。
超能力と呼ばれる特殊な力を持ち、次代の明日を担う為に遺伝子操作されて生まれてくる新しい人類。通称「星の民」と呼ばれる者達。
宇宙と地球との架け橋となる存在。
セリュ―ジョンとの戦い以前から普通の人類と共に存在してきた者。
それが、スターレイスだった。

この早河烈矢が通うことになる星ヶ丘学園は勇牙達がいた地球防衛組織ゼウスの傘下に入る、災害や宇宙からの侵略者から人々を守る為に作られた勇者のパイロットを育成し、養うための特殊国立施設だった。
特殊な才能を持つ子供達と勇者と呼ばれる巨大ロボットがいる海に面した学校で、そのせいかここに入るための試験は大変困難だといわれていた。



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