6題 やきもち


がちゃりと音を立てて。
「―何のつもりだ、エース」
モップを持った誠が鍵をかけたエースに苛立ったような声で声をかけた。
「・・・・」
「?エース?どうかしたのか?」
エースはゆっくりと振り返り、黙ったまま誠を人が滅多にこないロッカーの隅へと押し込めた。
「・・エース?」
「―誠」
エースは静かな口調でその名を言うと、素早く誠にキスをした。
「!?」
ちょっと何をするんだ、と言おうと思い、エースを突き放そうとしたが思ったより力が強く、中々突き放せなかった。
「・・・・っ」
モップを持った手に力が抜け、からんとモップは床に落ちた。
エースはそのまま誠を壁に押し付け、誠の身体をぎゅっと抱いた。
エースの唇は誠の唇に一層重ねてきた。
「!!」
誠はビクン、と身体を震えさせた。

エースは一回誠から唇を離すと、ゆっくりと言った。
「――オレ、お前を他人に譲る気はないからな」
はっきりと見える、嫉妬が映し出されたその翠の瞳を呆然となった誠にぶつけた。
「・・・どーゆう意味だ?」
誠は何故かその瞳に見つめられる事にドキマギしてしまい、エースから視線をソラした。
「・・こーゆうセリフ聞いて気付かないんだ、誠は」
エースがゆっくりと息をついて、もう1度誠を見つめなおした。
「オレは誠が好きだ・・友達以上に」
「・・・・!」
その言葉を聞いた瞬間、すぐさまその言葉の意味を理解した。
「・・・っ」
心臓が物凄く高鳴り、頭が混乱し始め、誠は動く事もどう対応すればいいかわからなくなってしまった。



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